『あ、自分多重人格者なんっすよね。いやマジマジ』
最近ペースが早かったりクソ遅かったりするので本編に前回のあらすじを付けてみた
前回のあんかけ!
魔神ちゃんはキレた!
気づいたらシェスに殴り飛ばされてた蛍吹!
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うーん……
シェスは困惑していた。
蛍吹の奴、昨日の辺りからなにかおかしい。
なにが何でおかしい。等は全くもってわからない。
だが、なんか起こっている事はわかった。くらいの感覚で、シェスは蛍吹の異常を感知した。
まず、最初の違和感は雰囲気だ。
いつ頃からかはわからないが居酒屋に着く前には既に、蛍吹のなにかが変質しているのがわかった。
蛍吹が纏う空気がほんわかだとすると、魔神ちゃんの纏う空気は、どこか禍々しいのだ。
因みにシェスは、雰囲気が変わった。や、空気が変質した。とかは全くわかっていない。あくまでナニカである。
次に立ち振る舞いや仕草に違和感を覚えた。
変わる前の蛍吹の立ち振る舞いや仕草には、腑抜けた感じがあった。まあ環境が変わったとはいえ、その前まで蛍吹は平和な世にいた人間だ。当たり前ではある。
対して魔神ちゃんのソレは、もはやまるで対極。
平和のへの字も無いような、腑抜けのふの字もないような、常時戦場にいる戦士のように無駄が無い動作。
それと、またもやシェスは仕草や動きが違う等はわからなかった。勘である。ナニカ2である。
そして決定的なモノ。
何より喋り方が違う。
因みにコレはシェスでも少しはわかった。
蛍吹は、少し堅物感はあるものの普通に喋っていたのに対し、(心の中は例外)
魔神ちゃんの喋り方はもはやエセ外国人風である。なんなら酒が入ればメッキも剥がれる。
この蛍吹の違和感ナニカ3組で、シェスは今の蛍吹がおかしい事に至り、困惑しているのだ。
昨日出会ったばかりとはいえ、シェスにとっての初めての生徒……いや弟子。
面倒事に巻き込まれているのならば、助けてあげたい。
そう思うのは、純粋なシェスにとって当然の事だった。
別人?否。
見たところ蛍吹の体は間違いなく本人だ。
蛍吹がふざけている?否。
ここまでの変化は演技ではできないし、する必要も無い。
では乗っ取りや多重人格の類では?
と。ここまでシェスは考え、思考を切った。
合わない。
私に考えるという行為は、致命的に合わない。
なら、直接訊こう。
それが一番早いのだから。
そして、それが最も自分らしいと。
「なあ蛍吹。おまえ……」
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【悲報】シェスに殴られた。
困惑だよ。そんでもってショックだよ。
まさか推しから殴られる日が来るとは。
そんなことを思いながら力無く立ち上がる。
悲しいからか体に力が上手く入らない。
なにやら一番力が入らないのは腹の腹筋のようだ。とりあえず腕と脚を上手く使い、四足でバランスをとった後立ち上がる。
その間も、考えるのは原因解明だ。
尤も、答えは出なかったが。
「い、いったいなにが……?」
「……マジなのかぁ……」
はあ……?なにが?
蛍吹は困惑を通り越し混乱している。
まあ当然ではある。
昨日まで仲良くしていた推しに、急に敵対行動をとられているのだから。
しかもその上謎の発言。
もはや恐怖すらしている。
「(マジで多重人格だったぁ……いや、だから蛍吹に対して何か態度変えるとかいう訳じゃないけどマジかぁ……しかも切り替える時は殴る……かぁ)」
更にブツブツ言い始めた。
蛍吹の内心は穏やかではない。
その思考は如何にシェスから逃げるか辺りまで行っていた。
どんだけ警戒してんだよ。
(シェスは)この後めちゃくちゃ謝った。
見てくれてありがとうございます!




