嘘が嫌いなんだよね
この回最後の方ちょっとグロいかもしれません。
※1回修正入れました
走れ俺!さながら風のように!バレず優雅に去るスパイの様に!
背後からあの少女、ミレイ?の声が聞こえてくる。
「いない!逃げた!?」
よっしゃ!バレてねぇ!アイツ多分馬鹿だぜ!一回避けられてんのに同じやり方してんなよなぁ!!
良かった!ビルが崩れた時の砂煙に紛れて逃げれた!
左にまた全力で飛んだからなんか逆側の足にも擦り傷できたけども!背に腹は変えられんぞ!コラテラルダメージっつー事で!
…にしても走ってる今だから気づいたんだけどなんか体に違和感があるんだよな。
なんかいつもより走りにくいというか……なんだろ、分かんねぇな。
…てかなんかさ……砂煙晴れてきてね?……
……やっべー!!このままじゃ見つかるぅ!!
ヤバいヤバい!!やり過ごすしかねえ!見つかる=死だわ!!物陰に隠れるんじゃァァアア!!急げええェ!!
俺全力疾走中。隠れるため崩れて足元不安定なビルに走って近づく。
つまり?
「……ッ!!!?」
走りながらに足がヤバい曲がり方したのが分かる。
いった!いった!!痛い!!
なんか踏んだ!足グネった!
ヤベぇ!上手く……走れねぇ!!
そして転ぶ俺ェ!
何やってんのぉ!?
転んで音ォたてちまったァァァァ!!頼む!聞こえてくれるな!
「ん?なんかいま…」
何気付いてやがる馬鹿ヤローーー!!
今の音で完全にこちらを見てると思うから(動くと見つかる!)と考え地面に頭を伏せる…と同時に。真横に
ボカァァァァン!!
ギリギリ当たらない程度に起こる爆発!
体に刺さる屑石!
体を焼くような爆風!
鼓膜が破れそうな程の爆音!
そして締めに恐怖で悶える俺ェ!!
「…やったかしら?」
「〜〜〜!」
生きてるゥ!クソ!こんにゃろうっ!痛い!怖い!あああ!!我慢だぁ!がまぁぁぁぁあぁあああぁあぁあん!ダァァァァァァァァァ!!!!!!
「次に会うときは真剣勝負ね。」
独り言!?バレてんのか!?いや…まだ!まだだ!希望を捨てるなぁァァァァァ!
クソ!反応を見て楽しんでんのか!?やるならさっさとやれ!(前言撤回)
去っていく音が聞こえる。バレてねぇ!助かるぞ!!
だけどまだだ!今動くと余裕でバレる!…まだ声は出すな……堪えるんだ。
[ザッ、ザッ、ザッ]
聞こえなくなるまで待つんだァ!
[ッ、ッ、ッ]
まだだぁ…
[ッ〜ー]
ああ!息がぁ…苦しい!
[………]
おっしァァァァァ!あのミレイ?の足音聞こえねえぞ!!きたぁぁ!!
「ぷはぁっ!」
ヤバい!息止めてるのが気にならないくらい怖かったから結構な時間止めてるの気付いてなかったわ!!
死ぬ!死ぬわ!息!息!酸素ォォォオ!!
ぜぇぜぇと呼吸をする。
さっきのクソミレイの爆発のせいで空気に異物が混ざって口に砂が入る。ジャリジャリと嫌な食感。そんな物関係ないとばかりに呼吸する。
「はぁっ!はっ!オエッ!」
そして吐く。砂が思いのほか不快感を煽ってきた。
「ゴホッ!ゴホッ!…フゥ〜」
気持ち悪い!……気持ち悪い…が!、だがな!!
…フッフッフ、フゥ〜ハハ〜!
フハハハハ!!
生き残ってやったぜぇ!!
この俺のぉ!!
「俺の勝ちぃ!」
「なにが?」
…HE?
「うわぁ!!」
後ろから謎の声。振り返ってみればいつの間にかさっきミレイと会話してた飛んできたモドキがいた。
…血まみれで。
何があったんだよ!?殺されるのか俺!?
「ヒッ!」
「お仲間ね!お仲間なのよね?」
なにが!?さっきのジャージ女の事か!?
「あーー、ちがうんじゃ、ないんですかねぇ。」
容疑否認!私は違う!だけどなんとなくジャージ女の事を(コイツは味方なんかな)と思っていたからかどうにも歯切れが悪くなった。クソォ!
…あれ?今思い出したんだけどここにくる前の…なんだろうな。あの地獄の空間で景色が変わる前に感じた違和感がまた顔を出してきた。やっぱり声がおかしいような?こんな高え声じゃねえぞ俺…は?
ん?あれ?なんか、俺の体…おかしくね!?
「うそだぁ〜!リルはうそきらいなんだよね〜。」
「嘘です!お仲間です!立派なお仲間です!」
そんな事は彼方へ追いやろう!今はそんな時間じゃない!
コイツに殺されるぅ!ヤメロォ!?
クソ!顔と名前覚えたからなぁ!!…うわ、なんだコイツ。幼児じゃねえか!……でもなんか、敵いそうにないような…なんだろう…プレッシャーを感じる!
「仲間な上に嘘ついたんだぁ〜、へえ〜。」
「あれ?コレ詰んで…る?」
声が詰まった。
なんか幻覚か知らねえけど…リル?とかいうやつの後ろに…血塗れの(お前もか)ジャージ女が…なにかを掴もうとするように両手を広げて構えてる。狙いは……頭?
「かくごぉ!」
「お前がな。」
そして俺に飛びかかってきた幼女の頭をジャージ女ががっちりホールドした。
ちなみになんだけど、俺には二人の動いてる所は早すぎて?か分かんないけど見えてません。人間辞めてんのかよ。
急激な展開に思わず立ち尽くしてしまうが、そんな事は関係ないとばかりに二人は話を始めてしまう。
「しつこいよぉ〜」
「そりゃこっちの台詞だ、ちょこまか逃げ回りやがって。」
「逃げてませーん。ちょっと撤退して攻める立派な戦法でーす。」
「めんどくせえ野郎が。」
ジャージ女が幼女の頭を持つ腕に力を入れてるのか、腕がプルプル震え始める。
「野郎じゃないよ〜。」
「そうだな。野郎より野蛮な幼女だったな。」
幼女の頭から変な音が聞こえてくるように感じる。なんだか…脳が、目が、警報を鳴らしている。これ以上見るなと、見ない方が良いと、体が語りかけてくる。
「そうだよ〜。」
「それでいいのか。」
思わず口に出してしまった。自覚あるのか。
「うん!じゃ、またね〜。新人君!」
もう警報は気にならない。もう体は動けない。目だけが今の光景を焼き付けている。
幼女が別れの挨拶を気軽に放ってきた瞬間。
手 が 頭 に 陥 没 し た
見てくれてありがとうございます!
ちなみに誰でも感想書けます。ちなみにね。