(え、何この気配。我バレたら害虫として殺されるのでは?)
「先生!」
「シェスたん!」
ん?
背後から聞こえてきた歓喜の声に、思わず振り返る。
そこには恋する乙女がいた。
ん?何を言っているのかさっぱり分からないって?
うん。俺も分からん。
扉にもどしてしまった視線を、もう一度背後に向ける。
目を潤し、頬をピンクに染め、全身から好き好きオーラを滲ませる我が主がいた。
…え、ナニコレ?
ラノベタイトル風に表現するなら……先生の魅力がチートレベルで影響を及ぼして修羅場が起こってしまっている件?
先生は神様にもカリスマ魅せてしまってるの?
「シェスたん!ここに来るなんて珍しいね!どうしたの?もしかして僕に会いに来てくれたの⁉︎」
エェ?
意図せず目が我が主を追ってしまう。
玉座から降り、駆け足でシェスの前まで寄って、見えざる尻尾をブンブン振っているキャラ崩壊野郎がそこにはいた。
えっ気持ち悪い。
なんか握手会とかで「僕この手を一生洗いません!」とか公言してるオタク並に気持ち悪い。
いや、寧ろ怖いまである。
人によって態度変える猫被り野郎ェ…
「あー…いや、会いに来た訳じゃ無いんだ…です。そこの白髪の迎えに来たん…です」
シェスがそう言って俺を指す。
瞬間、部屋の温度が急激に下がり、空気が変わった。
原因は分かりきってる。
なんたって今、現在進行形で人を殺しそうな目で見てくる輩がシェスの前にいるからな。
なにやら琴線に触れたらしい。
俺しーらねってしたい…無理なんだろうけどさ。
「貴様……シェスたんのなんなんだ?……まさかコレだったりしないだろうな⁉︎」
慌て気味にそう言って小指をたてる我が主。
んな訳ねぇだろ。
こちとらほぼ初対面なんじゃぞ。
……まぁ、ファンではある!と言っておこうかな?
その思考を読んだのかあからさまにホッとする我が主。
「ちげーよ、私の教え子になる予定なんだ」
追い討ちでシェスも訂正する。
その言葉に納得したのか、なるほどと小さく呟いた。まあ眉間に軽く皺が寄っていたが。
「おい貴様、名前は蛍吹だったな?シェスたんに変な事したら惑星化の刑だからな!」
え?なにその分かりにくい罰?
俺惑星にされんの?
「そうだ。惑星そのものとなり、永遠に死ぬ事も出来ず、星と衝突を繰り返し永久的な拷問に等しい苦しみを味わうのだ!」
すいません絶対変な事しません‼︎
惑星の刑だけは勘弁下さい‼︎
「蛍吹と何話してるのか分からんが……蛍吹は信用できる奴だぞ。それなりに良い奴だしな」
先生…一生ついていきます…!
まあそんなこんなで反対意見こそあったが、特に聞き入れられる事なく、俺とシェスは謁見室を後にした。
「男は獣なんだ!信じてくれシェスたんンンンン‼︎‼︎」
「“元”だろ」
『バッ……バレなくて助かった……!』
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……
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