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悪役サイドになった  作者: ファーラウェイ
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お話ししようよ☆

カメレオンの舌



「つまり舌が100mくらい伸びるってことか」


「まあそういうこったな。でもその魔物か怪獣みてえな奴は特徴として舌の、ある部分が細いってゆー弱点があるんだ」


「ふーむ、なるほど。ある部分ってのはどこら辺なんだ?奥の方にちょん切れそうなトコがあるのか?」


「ランダムだな。それが先端の方であっても一回口の中に戻せば断面が先端になるから……その場合は何回も切れば、相手の攻撃手段は無くなって雑魚になるって感じだな」


「その舌は普通の所は剣とかで切れないのか?」


「細いトコ以外は鉄並みに硬い。お前じゃ普通の剣だと無理だろうな」


「舌以外で攻撃はしてこないのか?」


「んーそうだなぁ。体当たりくらいじゃないか?」


「因みにその怪物の図体ってのはどんなもんなんだ?」


「ふむ……デカさは縦に4m…横に2mくらいじゃないかな」


「……なるほど。重さは?」


「軽い方だな。200kgくらいじゃないか?」


「……軽い?」


「ああ、本当にデカくて重い魔物は10t超えとかいたな。いるとこにはもっと重いのもいるんじゃないか?」


「ヒェ……」







シェスに剣を貰った後。俺はふとこう思った。




これを使う機会は……?と。


護身用とは言っていたがシェスがいる時点で要らない気がする。もしシェスを出し抜いて誘拐、又は自分を害せる奴がいたならそもそも剣が意味を持たない気もする。だってこの人目で追えないレベルの速さで動けるんだぜ?




ああ、多分だけど剣、使わないや。



なんとも嫌な結論を出した後、俺はこれを護身用ではなく狩猟用として使おうという考えにシフトした。

つまり…異世界モノの定番。



モンスターや魔物、所謂敵だ。


いるでしょ!という確信を持ってシェスに聞いてみるとドンピシャり、本当にいるらしい。勿論大興奮した。


俺の狩りたい欲を察知したのか今はダメだぞという注意を受ける。代わりに魔物の事について詳しく教えてくれている……最中だ。それで冒頭に繋がる。




「もう一回聞いておくんだが、あの宮殿みたいなトコに行った後用事が済んだら壁の外に出てもいいんだよな?」


「ああ。ま、終わる頃には夜になってると思うがな?」



ハァ⁉︎

聞いてませんが⁉︎なんでさっき言わなかったんだよ⁉︎




……ん?いやいやよくよく考えると…夜。ふむ、異世界の夜……イッツァSAKABAで一杯引っ掛けるか!イッツァエールゥ!骨つき肉ゥ‼︎ポジティブにいこうポジティブに!


「夜か……酒場とか行けるのかな?」


「ん?蛍吹は酒飲むのか?」


「いや、どっちかというとご飯メインかな?酒も飲みたいけど」


酒は少し酔うくらいでちょーど良い。吐かない程度に飲んだ後クッソ食べる。これ至福な。


「ふむ……私もいくか、久々に」


「ん?先生も一緒に来るのか?」


「ああ、最近飲んでねえし、たまにはハメ外さねえとな」


お!シェスも来る気かい?良いね良いね!だる絡みしてやるぜ!


「じゃあその用事?が済んだら酒場行こうか」


「おう。ま、先に飲んでるかもしんねえけどな」


一緒に行こうぜ先生〜。ていうか先生がいる酒場探すのめんどくせえな。




そうこうしてると城の門の目の前まで来ていた。おう、酒の事考え過ぎて周りあんま見てなかったわ。


「んじゃ、ちとあの門番とお話ししてくる。ここで待ってな」


おん?先生の指差す方向を見てみると鎧に身を包んだ騎士がいた。カックイイなおい!


先生が城門に近づいていく。繋いでいた手が離れる感じが寒々しい。やる事もなくなんとなしに後ろを振り向く。


自分と通ってきた大通りの間に橋が架かっている。橋の下には綺麗な川。この橋なかなかデカい。うーむ。


俺橋通ってたのか。気づかなかった。まあ頭が飯でいっぱいだったってのもあるんだが……やっぱずっと上を見てたからってのもあるんだろうな。


気にしてなかったんだがどうやら俺、なかなか身長が縮んでるようだ。横に並んで歩くシェスと顔合わせて話してるとず〜〜〜っと首を上に向けてる。シェスは普通の成人女性ぐらい身長あるんだが……俺はシェスの肩ぐらいまでしかタッパがねえ。



「よし!許可やっと出た‼︎どうぞ‼︎」


「おう。おい!」


「はいぃ⁉︎」


「あ、お前じゃない。おーい!蛍吹!」


んお?どうやら呼ばれてるようで。


小走りでシェスの元へ駆けていく。


「恐喝終わったか?」


「誰が恐喝してたって?ほれ、門空いたぞ。行こう」


そう言ってまた手を繋ぎ直すシェス。いやいや……


「……もう流石に大丈夫だぞ?手繋がなくとも。街だと迷子とかあり得たけど」



……これでも中身いい歳した男なんだ。手を繋ぐという行為に恥じらいを感じる。今更な気もするけど。


「あー……城を舐めない方がいいぜ。私はもう三回は迷ってる」


「……何回中?」


「……三回中、かな」


必中じゃねえか⁉︎なんでそんな迷う事があるんだよ⁉︎


「そうか…………騎士さーん!」



この後、俺たち親子(シェスと俺)は恐喝してた騎士さんにお願い(強制)して目的地まで案内してもらう事になった。

見てくれてありがとうございます!


主人公は酒得意ではありません。

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