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悪役サイドになった  作者: ファーラウェイ
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事故です!事故なんです!

主人公の名前変えようかなぁ……


蛍吹→蛍


的な。でも作者の名前とモロ……

「……ゴホン!あー、次のタイプは不定形タイプだ」


どことなく照れくさいのを誤魔化すように咳払いをして、不定形タイプというまた語呂の悪い名前をあげるシェス。


可愛い。言葉使いが荒いのも相まってギャップが凄い、尊い……


え?語呂?もういいよ。語呂が悪いのは普通なんだろ。



「このタイプは少し他とは変っててな」


俺にはシェス先生がさっきまでと違って見えるよ。


「他のタイプにはある“能力”がこのタイプにはない」


ああ、そんな特殊なタイプなのに最後に紹介しないあたり貴方はドジっ子属性も備えているようだ。尊すぎる。

ちょっとドジった後顔を赤らめて「バカ!」って言った後にそっぽ向いて欲しい。


「そのかわりタイプの特性がひどく単純でな」


俺はシェス先生の前だとひどく単純な男になりますよ。


「その特性ってのがな、自分の体を好きなように変形できる様になるっていう……まあ一言で言えばスゲー能力だ」


ふ〜ん…………あれ?それ地味にヤバくね?


「それは色や質量、大きさも自由自在なのか?」


色とかはどうでもいいんだけど質量と大きさ増やせるのであればチートでは?巨大化とかがリアルでできるじゃん。


「色は自由自在だが……大きさとかは、中身スカスカとかじゃないと変えられないぞ」


やっぱ駄目か。まあ形を変えるって言い方の時点で何となく分かっちゃいたけど。


「このタイプを一言で表すなら“スライム”だな」


あ、一瞬で理解したわ。魔法に弱いんですね?分かります。


「分かったか?」


「ああ……えーと。つまりこういう丸い形の液体の中に核が浮いてる感じだな?」


そう言って両手を胸の前に持ってきて肩幅程度に広げて見せる。


「ああ、スライムな……ちなみに不定形タイプはちゃんと人型だぞ。核もない」


あ、そーなのね。スライム姿で生活してんのかと思ったわ。

ん?核がないってそれ……無敵なのでは?


「なあシェス先生」


ちっと聞いてみるか。


「それって無敵なんじゃないか?スライムの唯一の弱点がないって事は」


「いや、そんなことはないぞ」


おや、即否定。何故?


「不定形タイプは確かに体を自由に変形できるが、そいつらの元はちゃんとした人間だ。スライムのように核がなくとも必要不可欠な臓器をなんらかの手段で使えなくしてやればいい。人間だから毒だって効くだろうしな」


シェス先生結構残忍だな……そんなとこも素晴ら(ry


にしても……なるほど。人間であることを逆手に取る。いい手だな。


「というかだな、不定形タイプはそもそもマジック……魔法に弱い。どういう理屈だったかは……あー……私は覚えちゃねえがそんな感じだった。無敵なんかじゃ全くないぞ」


ポンコツシェス様あああぁぁぁぁ‼︎可愛すぐる!嫁に来てく(自重


ふむ。魔法に弱いというのは俺の想像と寸分違わず一緒のようだ。

逆にスライムだからこそ魔法とかは雷くらいしか効かないのではと思ったけど一先ずパワーバランス崩れなくて安心です。


「質問終わりか?」


「ああ、次のタイプ紹介頼む」


「はいよ、つっても次のタイプはあんま解明されてねんだわ。だから詳しいことは解説できないぞ」


さっきまでもそんな詳しく紐解いて教えてもらってねえけど……。


「次のタイプは……」


シェスが口にしようとした瞬間。


「やあ、少しお邪魔してもいいかな?」


俺の背後から声が聞こえてきた。


…………え?


「うわあああ⁉︎」


「っ⁉︎おいてめえ蛍吹。今さっき大きい声は出すなと言ったよなぁ⁉︎」


我が愛しのシェス先生がもんのすんごい荒い口調で大声を出した俺を責める。


いや!事故です!俺が犯人ではありません!


鬼の形相でこちらを振り返ったシェス先生だったが……


「……あぁ?」


俺の背後にいる人物を視界に入れた途端に怒りがどこかへ行ったかのような迷惑顔になる。




そいつはまるで物語にでも出てきそうな奴だった。俺の主観を混ぜるならば白馬に乗った王子、と言った印象だ。


気障ったらしい顔に透き通るような、青い青い空のような水色の髪。

それほど大きくはない胸の起伏を見て女だとわかる中世的な顔立ち。

その女がとる何気ない仕草がとてもとても……キザったい。


正直に言おう……オレ、コイツ、キニクワナイ


「あー……蛍吹、道譲ってやれ」


うん。


小急ぎで道(階段)の端っこに寄る。


ほれ。はよ行け。はよ。


「ありがとう。心優しき乙女たち」


そう言って胸ポケットから薔薇を取り出そうとするキザ野郎。


「さっさと行け」


「はよいけ」


俺とシェスが揃って言う。


「最近の乙女たちはなんだか冷たいね」


ちょっと悲しそうに薔薇をよこしてくるキザ。いらねえ……が、シェスが渋々受け取っていたのでおれも嫌々受け取る。


それをみてほんの少し気を取り直したのか微笑を浮かべる。


「これが友が言っていたツンデレというやつなのかな?」


「はい、そうなので気にしなくて大丈夫です。どうぞ」


面倒いので全肯定。どうぞと言い上がり階段へ誘導する。


「ははは。それもまたよし、かな?それではまたお会いしましょう」


そう言い残して階段を超スピードで駆けるキザ。二度と会いたくない。


「今のは…」


「ん?どうしたなんか見たか何も見てないな行くぞ」


一息も入れずに言って階段を上り始めるシェス先生。


…。嫌われすぎだろ…


ほんの少し哀れに思えた俺でしたとさ。

見てくれてありがとうございます!


ブクマしてくれてありがとうございます!

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