そうだ!
そうだ!
そうだ明日は料理をしよう!
そうだ明日は掃除をしよう!
そうだ明日は友達と遊ぼう!
そうだ明日は1日寝ていよう!
そうだ明日は知らない店に行ってみよう。
そうだ明日は早く起きて散歩しよう。
そうだ明日は家具を買いに行こう
そうだ明日は………死んでしまおう…
自殺した彼の部屋に行った時にそう書いた日記があった。それはきっと彼の悲鳴で、彼の悲しみで、彼の生きてる意味だったんだな…
僕は、彼と3日前に知り合ったがそうとは思えないほどに仲が良かったでも、きっとそれでは彼の生きる希望にはなれなかったんだろうね。その日見つけた日記を僕は家に持ち帰ってしまった。彼の生きていた証を持っておきたくて。
彼が死んでから数日がたち数日ぶりに日記を見ていた時に、異変に気づいた。
「あれ?文章が増えてる?」
「そうだ、明日は死んでから1日目好きにこの世界を見てみよう!」
「こんな文はなかったはずなぜ増えているんだ?」
次の日、日記を見るとまた増えていた。
「そうだ、明日は死んでから2日目霊体になってできることを調べてみよう!」
もしかして彼は幽霊となりこの世界をさまよっているのか?そんなはずないよな幽霊なんているはずがないそう思った。
そんな不思議なことが起こるようになり数ヶ月がたった。彼の日記の文はまだ増え続けている。
そんなある日、新しく書かれた文章に僕は驚いた。
「そうだ、明日はあいつの運命の相手を見に行こう!」
「あいつ?誰のことなんだろうか?」
まぁ明日になればわかるかなと思いそのまま放置した。すると
「そうだ明日はあいつに教えてやろう運命の人のことを!」
「だからあいつって誰なんだよ」僕はそう言って少し笑っていた。
すると、次の日声が聞こえた。
「お前の運命の人の名前は、大野奈奈
年齢は22歳、身長は155cm、仕事はアパレル店員」
「なんだこれ頭の中に声が響いてくる。」
そして、もしやと思い日記を見たすると
「今日はあいつに運命の人の事を教えてやった。そうだ明日は顔を見せてやろう!」
そう書いてあった。日記に書いてあったあいつとは僕の事だったのか。それからは次の日が楽しくなった。
「これがお前の運命の人の顔だよ」
見えた顔は、小さい顔でとても愛らしく、笑顔が似合う素敵な女性だった。
「まじか。これが僕の運命の人?」僕は嬉しくてしょうがなかった。自分に運命の人がいるなんてことが嬉しかったのもあるが、とても可愛い人だったからとても嬉しかった。
明日は、どんなことが書いてるのだろうそう思いその日は寝た。すると次の日から、彼は日記を書かなくなった。
そんな日が続きある日、日記にはこう書かれていた。
「今まで幽霊としてこの世界を見てきたけどもう行かなきゃ行けない時間だ。さようならもっとお前の力になりたかったがもう成仏する時間だ。じゃあな俺と友達になってくれてありがとう!玉木晴人ありがとう。自殺なんてしてごめん。晴人との時間は楽しかったけど生きてるのがどうしよもなく辛くてごめんな。さよなら…
もしも、生まれ変わったらさ今度は頑張って生きてみるよ!」
それから彼の日記には文が増えることは無かった。
「成仏したんだな。ありがとう運命の人の事を教えてくれて。大切にするよ。あと、お前の分も生きるよ精一杯生きてみるよ!ありがとう。」
僕は運命の人である大野奈奈さんと出会い、付き合うことになり、結婚し、子供が生まれた。その子供にはこう名付けた。
「玉木凌也」彼の名前をつけた。
彼の意志を、彼の分もお前も一緒に生きてくれという思いを込めて。
そして、凌也が成長して、あの日記を見つけた。そして僕に向かってこう言った。
「ありがとう晴人。俺を覚えていてくれて、俺と友達になってくれてありがとう。お前の子供に生まれ変わるなんて不思議だな。でも、俺は、もう北山凌也じゃなくて玉木凌也だからさ。俺の記憶は今一時的に戻っただけで本来は戻ることは無いんだ。だからこれが本当に最後ださよなら。ありがとう。これからお前の息子、玉木凌也をよろしく頼むよ。じゃあなさようなら」
「ああ、わかったお前のことを精一杯育てるよ。立派な大人にしてやる。見てろ!お前みたいに自殺なんてさせないよ!」
そうだ、彼の生まれ変わり凌也を精一杯育てるんだ。彼みたいに自殺なんてさせないようにたくさんの愛情を注いで立派な大人に幸せなしてやるんだ!