第三話
「ジェヴォーダンって・・・あの魔獣ですか?」
硬直してしまった私の代わりに、ベルが伝えに来てくれたおじさんに尋ね返した。
「あ、ああ!だからここに居たら危険だ!ベルさん達も早く逃げろ!」
「・・・そうですか。分かりました。教えてくれて有難うございます」
そこまで言い切ると、背を向けて駆け出していったおじさんをベルは見送ると、私に声をかけてきた。
「フォーリンド。何をボーッとしているの?」
「だ、だってベル・・・」
私は〝あの時〟の恐怖が脳裏に蘇り、震えた声しか出なかった。
「・・・フォーリンドは私に言ったよね。〝もう二度と大切なものを奪われたく無い〟って」
「う、うん」
突然話し始めたベルに、私は戸惑いながらも相槌を打つ。
「私はそんなフォーリンドの為に出来る限りの戦闘技能を教えた筈だよ」
「うん、確かにそうだけど・・・」
私はそう言い返しながら、自身のステータスを見た。
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名前 フォーリシア・グランド
種族 人族
年齢 15歳
LV 47
職業 冒険者(ランクD)
スキル
家事LV 6
料理LV 6
掃除LV 7
洗濯LV 6
剣術LV MAX
身体強化LV 7
格闘術LV 3
自動治癒LV 2
ユニークスキル
剣鬼
称号
剣鬼
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「それでもまだ、勇気が出てこない?」
「・・・ううん。私は戦う!」
私はベルにそう力強く答えた。体の震えはいつの間にか止まっていた。
「もちろん私も一緒に戦うよ。フォーリンド、君の成長を私に見せて!」
「はい!師匠!」
私はベルにそう強く答えた。そして、軽量合金の鎧を身につけ、剣を腰に吊り下げた。ベルは厳かな雰囲気のある法衣に着替え、杖を持った。
「行きましょう!」
私達は家を飛び出して、私の因縁のジェヴォーダンの元へと向かうのだった。