表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

砂糖ひとつ

作者: 笹大福

喉が渇いた、少し休みたい気分だった、雰囲気のいい喫茶店だった

本当にその程度だった

だから予想外の展開に脳が着いてこなかった


「いらっしゃ………」


まさか


「…………元カレ?」


元カノに出逢うとは予想だにしなかった。


ーーーーーー


「ご注文は?」

「コーヒーひとつ」

何気ないやり取りが少しぎこちない

「ミルクひとつに砂糖ふたつね」

「いや、砂糖ひとつ」

「あ、3年前とは違うよね」

元カノが少し気まずそうにする

「そりゃ俺だって変わるよ」

俺の好みを覚えていてくれた喜びが昔と同じように蘇る

「…最近調子どう?」

元カノがきりだした

「別に…どうってことないよ」

何故か自分のセリフに引っ掛かりを覚えた

「そう、何事もないなら…」

元カノが不自然に口を閉じた

「あ、コーヒー取ってきますね」

厨房の奥に行ってしまう

心のどこかで『止めなくては』と囁くが俺にはそんなに資格はない

両手をキツく握る


「ご注文のコーヒーです」

貼り付けた笑顔を俺に向ける

コーヒーをテーブルに置き、元カノはそのまま仕事にもどる

ミルクひとつに砂糖ふたつ

俺はいつもの様にミルクを注ぎ砂糖を…ひとつ入れた

「苦い…」

いつもの様に入れたはずなのにとても苦かった

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ