表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/65

邪悪への対策

「理由は二つあるんだ。僕ら天使は基本的に動かない。だからね、僕が動くと怪しまれるんだよね。うん、それなら自分で探すっていいたいんだよね。知ってる。だけどね、そもそも君は仲間に誘われてたよね、イニシエンが断られたくらいで諦めるような奴ではないからね。それなら、分担した方がいいよね。うん、なんでこんなに協力的なのか怪しいって? そうだね、これが最善だと思ったからなんだ。神聖側として君を邪悪側に加担はさせたくないんだ。あいつら、少しの可能性でも見出せばすぐに行動するからね。こちらとしてはそういうのは困るんだよ。君が仲間になったらここぞとばかりに色々やると思うんだ。邪悪側の目的は世界を立て直すことであって、中立の管理者に会うことではないからね。君にも目的があるんでしょ」


「納得した。だが、長い」


 どうしてこんなに話せるのかと言うほど長い。とはいえ、状況は把握した。イニシエンには何とか協力することを諦めてもらわなくてはいけないという事か。なんとか、話し合いでどうにかなれば良いが。


「基本的に悪魔って脳筋だから、力に任せて何とかしようとしてくるだろうから。死なないように気をつけてね」


「結局そうなるのか」


 こうなったら、記憶の断片をさがしてやれることを増やすしかない。今ある3つだけでは明らかに心もとないし、現在仲間は居ないという事を考えても、自分自身の強化は必要だ。


「まぁ、頑張ってよ。悪魔は精霊と違って肉体はちゃんとあるから攻撃はしやすいと思うよ。うん、精霊なんかよりも戦闘能力は高いんだけどね。言いたいことは言ったし、じゃあねー」


 本当に言いたいことだけを言うと、アローンクローズの姿は消えた。仕方ない、この荒野の世界。確か〈ロンハイズ〉だったか、見た感じ村のようなものがあるようだし、記憶の断片が無いか探しつつ、少し休もう。


 そういえば、今更の話だが。空腹も感じなければ、眠気も感じないな。この世界で目覚めてどれほどの時間が経過したのか、計るすべは無いが、それでもかなりの時間は経過している筈だ。これも自分が記憶の断片だからという事なのだろう。


「見つけたものはこれくらいか」


 この〈ロンハイズ〉に存在していた村に点在している、石で出来た家を巡っていくが、記憶の断片は一つしかなかった。鉄製の小さな杖〈ハンドロッド〉は火の魔法使いの持ち物のだったらしく、炎系統の魔法が使えるようになる。精霊には魔法が効かなかったが、悪魔にはどうだろうか。効くのであればとても心強い、できる限り遠距離で力を削いでおきたいからだ。


 これ以上この場所に居ても収穫は無さそうだ。鍵を取り出して、とりあえず〈ユアタウ〉にでも戻ってみようかと考えていたら。何か、人の声がする。家の影に隠れながら、声のほうへ向っていくと、なにやら見知らぬ男がふらふら歩いている。悪魔の翼に、尻尾に、角まで生えているという、まさに悪魔だ。明らかに邪悪側だと解る。まだ、こちらには気がついていないようだが、下手に行動して見つかるとやばいかもしれない。


「あー、メンドクセェ」


 ぶつぶつ呟きながらふらふら歩いている。早くどっかに行ってくれないだろうか。こんな状態で〈ゲート〉なんて呼び出したら完全にばれてしまう。万が一を考えるとそんな事は出来ない。


「そうだ、錬金せんげん[アイスネーク]」


 〈氷結の弓〉を取り出し、氷の蛇を作成する。この蛇にあの悪魔からみて自分とは逆方向のどっかに潜ませ、音でも出してもらえば気を引けるだろう。

 蛇に命令を出して、あの悪魔を迂回して進ませる。ばれないように音を立てずこっそりと、ばれずに悪魔の向こう側に行かせることが出来た。そして、蛇に尻尾を壁にぶつけさせて音を立てる。


「あぁ? メンドクセェ」


 悪魔はのろのろと蛇の方へ向っていった。よし、距離を稼ぐことが出来た。戻ってくる前に転移してしまおう。


「ゲート起動〈ユアタウ〉」


 扉が現れて、その先に急ぐ。途中であの悪魔がこっちに気がついて向ってきたが、もう遅い。無事に〈ユアタウ〉へ転移する事が出来た。


「念のため、確認しておこう」


 ジダイガがメビウスを捕縛していた家に戻ってみる。ロウタの話が正しければすでに誰も居ないはずだ。家の扉を開く、そこには何かが居た。ジダイガでもメビウスでもない、レアルでもない。なんだか、マネキンの顔に大きな口を描いて、白い服を着せて、天使の翼と輪をつけましたとしか説明できない奇妙な人物がそこに居た。おそらく、天使であって神聖の管理者の従者なんだろう。とてもではないが天使に見えないのだが。


「あぁ、フェイクライフだ。安息と平穏を与えようか。なに、簡単な事なんだ。真実を知ることを放棄してしまえばいい。箱の中に放置された猫の死骸など見たくは無いだろう。それでも……知りたいか?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ