十二話帰って来たメナードランド
やあ!僕はI.Q10000を余裕で超える超天才メナードランドだよ!
佐々木くんと山田ちゃんによるあの凄惨な事件から1年の月日が過ぎたよ。
佐々木くんは未だに檻の中に収監されているけど、山田ちゃんは未だに行方不明。
一体どこに行ってしまったのだろうか!
僕はというと大学2年生になりあいも変わらず探偵業を続け、様々な難事件を解決しているよ!
昨日も超幼馴染の鈴木ちゃんと一緒に例の難事件を解決したところさ!
そして今日も僕が解くに値する謎を見つけるべく、外を闊歩しているところさ!!
「きゃーひったくりー!!」
むん!!悲鳴だ!
悲鳴あるところに探偵と高周波数あり!!!すぐに駆けつけよう!!!
「どうしたんですか!!」
「あのひったくりに私がこれ見よがしに肩にぶら下げていた超高級バッグをひったくられたんです!!きゃー!!」
「それは大変だ!!」
しかし困った。
この婦人が告げるひったくりだが、それらしき影は見当たらない。
眼前にあるのは今もなお叫び続けてるこの婦人と生きた七面鳥。
ひったくりはいないように見える。
可能性としてだが、
1この婦人が嘘をついている。
2この婦人の勘違い。
3この婦人の気のせい。
4この婦人が幻覚を見ている。
5ひったくりが超速い可能性。
このどれかだろう。
うーん、難しきかな。
「婦人!本当にカバンをひったくられたのですか!?」
「きゃーーー・・・ええ本当にひったくられたわ。ひったくりの特徴としてはなんかいかにも山田!って感じの見た目をしていたわ、きゃーーー」
いかにも山田!って感じの見た目だって!?
いかにも山田!って感じの見た目をしている、一人だけ心当たりがある。
僕は胸にしまっていた駄菓子のホームランバーを宙へと投げて見た。
するとそのホームランバーのもとにひとつの見慣れた影が超スピードで現れた。
「山田ちゃん!!」
「げげげ!メナードランド君!?」
そう、光速で動き回ることができる山田ちゃんならばカバンを一瞬でひったくるなんてこと造作もないことだ!
そして山田ちゃんは大の駄菓子好き、まんまと釣れた!!
ホームランバーのもとに現れた山田ちゃんを僕は拘束した。亀甲縛りで。
「山田ちゃん!どうしてこんなことをしたんだい!」
「そこにかばんがあったから……」
なんかすごい登山家みたいな理由でかばんをひったくったらしい。
このカバンは婦人に返すとしてとりあえずここは山田ちゃんを連れてなんかそれっぽい雰囲気の場所に行くとしよう。
ーーーなんかそれっぽい雰囲気の場所ーーー
「形は何であれ久しぶり会えて嬉しいよ、山田ちゃん」
今もなお亀甲縛りされている山田ちゃんを見つめながら僕はそう呼びかける。
僕は一年ぶりの邂逅ということもあり山田ちゃんと致せり尽せりいろんな会話を交えた。
そして今日が終わった。