十話:さよなら、僕らのメナードランド
前回までのあらすじ
佐々木君の引越し祝いのために本場ディズニーランドを貸し切った矢先世界のお偉いさんがみんな暗殺される大事件が発生し、メナードランドはその事件の解決のため本場ディズニーランドを後にしたのであった。
というわけでまずは一番近いということでアメリカの大統領が暗殺された現場へとやって来たよ!
確かに暴力的な発言が多かったりと色々問題があり、不動産王と名高い大統領だったけども殺されてしまうだなんて・・・
ゴシック大統領・・・
あっ、言っとくけど今僕が生きてる時代は西暦10000年くらいだから超未来の話ね。
というわけでまずはゴシック大統領の身辺に落ちてるものを拾い上げて見たよ。
これは筒?
真ん中に穴が空いた丸い筒が落ちていた。
筒にも穴はあるんだよなぁ・・・
とまあこれはおそらく毒針を発車するためのアレですな。
犯人はあの木の上に登ってゴシック大統領に毒針を吹き込んだのだな!
許さんぞ!
というわけでその筒の指紋確認。
むっ!犯人がわかったぞ!
「犯人はお前だ!」
という旨を犯人にモールスで送りつけた。
な ぜ ば れ た し
と返ってきた。
あとは警察にこれを伝えるだけだ。
ふぅー一件は落着したぜ。
しかし今回は世界同時暗殺だからこれだけでは終わらない。
事件はまだまだ解決していない。
佐々木君の引越し祝いに間に合うかな・・・
〜そのころ本場ディズニーランドにて〜
「ねえ佐々木君?」
「どうしたんだ鈴木?」
「山田ちゃんどこ言ったのかな?」
「そういえばあいついないな。 クトルゥフは荘厳な雰囲気でチケット売り場に佇んでるが。 まああいつは光速で動くやつだから俺たちには認知できない速度で今もパーク内を蠢いてるんだろうよ」
「そうだといいけど・・・」
話は戻る。
やっと全て解決したぞ。
でもなにか引っかかる・・・
全世界の大統領を暗殺した犯人を全員ひっ捕らえたのだけど、犯人に関係が無さすぎる。
てっきりなにか組織的なものの犯行かと思ったけど、そんな気配は全くしない。
大工のおっさんからティッシュ配りのアルバイトまで、犯人の種類は十人十色、関連性が無さすぎる。
もしかしたら僕はなにかとんでもないことを見落としているのかもしれない。
この全国の大統領同時暗殺事件、もしかしたらとんでもない目的があってのことなんじゃ・・・
とここまでくると僕はとんでもないことに気づいてしまった。
「もしかして・・・」
〜なぞのばしょ〜
「くっくっくっ・・・やつはこの事件の真相に感づいている頃だろう・・・」
「そうね、メナードランド君なら気づくわよね」
「でも気づいたところでどうすることもできない・・・何故ならあいつがそういうやつだからだ・・・」
「そうね、あの人なんやかんやで優しいものね・・・私にも駄菓子をくれたし・・・」
全身に黒タイツを着込んだ謎の男女が意味深な会話をしているが、正体は一体誰なのか・・・
〜本場ディズニーランド〜
「ねえクトルゥフ君?佐々木君知らない?メナードランド君や山田ちゃんもそうだけど佐々木君までいなくなっちゃって・・・」
次々とパーク内からいなくなるサークル友達が気掛かりとなった鈴木ちゃんはクトルゥフ・ムンドゥスクトゥンに話しかけた。
しかしクトルゥフ・ムンドゥスクトゥンは意味ありげな表情でチケット売り場に佇んだまま何も反応を示さない。
「そう・・・」
鈴木ちゃんはクトルゥフ・ムンドゥスクトゥンの表情からわからないという旨を感じ取り、そのまま空を眺めた。
日はもう沈みかけていた。