マラソンとお昼ごはん
「大変です。何が大変かって、目白通りが人の波ですよ!」
「あー、今日は東京マラソンなのよ」
「そんなぁ、異世界人さん達がランチに行けないじゃないですか」
飲食店は通りの向こう側に集中しているのです。今日は日曜日ということで出勤している人数は少ないのですが…。
「予め通知されていたよ?捨て看板見かけなかった?そんなに言うならオペちゃんがみんなに食べられたら?(笑)」
「私はアンパンマンじゃないですから」それに私だってお昼が食べられない。
ビルの隙間から流れるランナーの流れを眺めていると。
「人がゴミのようです」
「あれだけ居たらさぁ、一人くらい捕まえても分からないかなぁ?」
フランケンさんがフラちなことを言い放ちます。
「なんてことを言うの!ちゃんとみんなゼッケン付けてるから、管理されてるの!」
「そっかぁ」
「っていうか、地下を通ってあっち側行けるから!遠回りになるけど」
「オペちゃんゴメン、僕ダンジョンは通れないんだ」
「あ〜フランケンさんどデカイですもんねぇ」
ビルの警備員さんみたいだよ。ちなみにフラちゃん昔警備員もやっていたらしい。やっぱし。
「いやいやそこまで大きくないでしょ〜」
「フランケンさんここまで電車で来てるんでしょ?」
「うん、JR」
あ、電車通勤なんだ。
「空を飛べばいいんじゃない?」
なんて飛べる系のドラキュラたんが。
「でも、今年から警察のドローンが警備してるらしいよ」
「やりづらくなったもんねぇ」 あれって対異世界人対策にもなるんだ!
「あれ?マラソンもう終わったんじゃない」
「そうかも、思ったより早かったな」ここ飯田橋はスタート地点の新宿都庁から近いのでお昼前には交通封鎖が解除されました。
お昼から勤務のオペちゃんに聞いてみます。
「ねぇ、下の道って通れた?」
「え?なんかあったの??」
テレビではこの日だけ全国的に東京メトロのコマーシャルが流れたりと42.195キロの長丁場だったようですが、コースではランナーが通過したらすぐに日常を取り戻したのでした。
「これでつつがなくお食事に行けるね」心配して損をしましたかね。え?ランナーさん達の。
なか卯に行くとフランケンさんが大きな体を屈めて親子丼(並)を食べてました。あんな大きな体でもあれだけで足りるの?って驚いちゃいますね。ビバッ・低燃費!