異世界人からの電話
「こんにちは、異世界サポートセンターです」
「もにゅもにゅ」「??」
おっと珍しい、これは異世界人からの電話です。
「すみませ~ん、異世界人からの電話みたいです」こういう時は保留にせずにエスカレしちゃいます、どうせ相手には日本語は通じませんし。
「サキュパスちゃんに転送して」「はーい」
「お客様、異世界語の話せるオペレーターと対応を変わらせていただきます」
「サキュパスさんお願いします」「オッケー」
「もにゅもにゅ」「もにゅもにゅもにゅ」
えっと、今のはかなりのレアケースなんですけど、英雄さんのケータイを異世界人が拾って電話がコールセンターにつながってしまったケースです。ポケットやカバンの中のケータイが勝手に発信してしまった経験ありません?あんな感じで、異世界人がケータイを手にして勝手に電話がつながった。ただ、こういうケースは往々にして…。
「近くに誰か倒れていませんか?」
「あ、倒れている!」
「もし良かったら、その人をお近くの教会か軍の施設まで運んで貰えませんか?彼の持ってるお金を半分差し上げますんで」
「え?もう既に食べちゃった!?」
「そうですか〜それなら骨だけでも結構ですから」
「ありがとうございます。それではお願いしますね」
対 応 終 了
「サキュパスさんお疲れ〜それでやっぱりやられてた?」
「ですわね」
「英雄さん運んでくれるって?」
「なんか、既に食われてたわ。骨だけでもってお願いしたら骨なら運んでくれるって」
「あっそう」
異世界仕様のケータイは、防水・防じん・防火・耐衝撃・対魔法とかなり丈夫に作られている。英雄さん達が全滅した後も機能する事が多いのです。