コールセンターで働く異世界人
異世界コールセンターは異世界で頑張る英雄達をサポートしています。当然、異世界の事情に精通していないと異世界の英雄さんをサポート出来ない訳で、そうなんです、異世界コールセンターでは異世界人が働いてるんですよ。
まずはサキュパス、夢魔です。フェロモンを振りまくサキュパスはコールセンターで働く人間の男達をメロメロにしてしまいます。ただでさえコールセンターのオペレーターの平均在職期間は三ヶ月と短いのにこのサキュパスときたら…。
「私は同じ職場の人とはそういう関係にはなれないの、ゴメンね」とか言うものだから、一線を越える為にメロメロにされた男達が退職すること山のごとし。そして、ネンゴロにはなれたものの所詮セフレだったらしく、あっさりと捨てられる始末、まぁ、普通は同じ職場に復職しませんよね。
「困ります、サキュパスさんは少し自重して下さい!」
「え〜なんでよ。夢魔のことレクチャーしてあげたのに」
「それはそうですけど、ただでさえ人手不足なんですから」
そう、コールセンターはどこも慢性的に人手不足、だから求人が多いの。簡単に仕事を辞めて条件の良い他のコールセンターに転職する人も居る、そんな業界なのです。
他にオークも居ます。コールセンターは声のお仕事です。最近ではルックスも要求される声優とは違い、見た目は問いません!オークさんにはあまりお話を伺う必要が無いんです、だって人間にもオークみたいな人が居ますし。
彼らはお相撲さんみたいな体型です、でもギリ椅子には座れます、ちょっと椅子が可哀想ですね。
コールセンターは声のお仕事。相手に自分の姿は見えないから服装や頭髪やピアスには寛容だったりします。だからひょっとしたら電話をかけて来る英雄さん達には相手が人間なのか異世界人なのかわからないかもしれません。
オークさん達は心も決して健全ではないようで、ロッカーで一人(一匹?)でブツブツ言っていたり、テスト印刷する紙に怖い文章を入力したりして人手不足だというのにクビになっちゃいました。
オークさんは近くの店のホイコーロー定食が大好きだったから、ひょっとしたら今でも時々飯田橋までやって来てホイコーロー定食食べているかもしれません。
後は、腐った死体さん。特に夏場は周辺に腐臭を振りまきます。腐った死体さんが近くを通るだけで臭いでわかる!マジ勘弁して。
おならとかヨダレとかも飛び散ります。入り口にある消毒用のアルコールも効果無。前日に腐った死体さんが座っていた席に座ることになったら思わず卒倒しちゃいますよ。