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英雄サポートデスク

 世の中には多種多様なコールセンターがあります。あなたも何か困った時、コールセンターに電話をしたことはありませんか?

 千代田区飯田橋に英雄向けのコールセンターがあるんです。それも只の英雄ではありません、異世界に転生した英雄向けのコールセンターなのです。

 あなたの周りに失踪した人は居ないですか?そのうち何割かは異世界に転生しているのです。そして、異世界で現代社会の科学や知識でチートして英雄に成り上がっているんです。羨ましいですか?いやいや、結構大変みたいです。なんでそんなことが解るかですって?困った英雄さん達から、うちのコールセンターに電話がかかってくるからです。

 「こんにちは異世界サポートセンターです」

 「今、ドラゴンに襲われて…ギャウーー。ツーツーツー」

 「すいませーん電話切れちゃいました」

 「かけ直してみて」

 「繋がりませーん」

 「復活出来る世界の英雄さんだといいわね」

 「ですかー」

 コールセンターの良い所は電話口の英雄さんがどんな極限状態にあっても、こっちまでは魔の手が及ばないことです。


 私達が英雄さん達のサポートをする時に気をつけているのは、ネタバレしないこと!

 それぞれの異世界毎の神様や創造主、はたまたゲームマスターの許可している範囲でしかサポートできないのです。即ち英雄によってサポートできる範囲が厳密に決まっています。

 「異世界に持っていくものは何がいいですか?」

 「パソコンは複数台持って行った方がいいです。インターネットに繋げなくてもやはり役に立ちますから」

 ここで、インターネットに繋げないということは言ってもいいのですが、Wikipediaをローカルに保存するといいですよとは言えない。Wikipediaが異世界で必ず役に立つとは言えませんが、ググることが出来ない状況ではローカルに何をダウンロードするかは意外と重要なのです。


 私達の業務は異世界の英雄さんたちを電話でサポートすることですが、それと同じくらい大切なのが電話が終わった後に行う応対履歴の入力です。そう、皆さんお気づきでしょうか。異世界に飛ばされた英雄さん達の活躍が沢山読める小説投稿サイトがありますよね〜。あれって私達がサポートした英雄さんから聞いた話なんです。

 「安藤さん、誤字が多いわよ」「す、すいません」

 「履歴はクライアントに提出するんだから気をつけてね」「はーい」

 そんな履歴の中には書籍化やアニメ化したものもあるんです。英雄さん達には沢山電話をかけてきてもらいたいですね。

 「お電話ありがとうございました」

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