お前は薬草を少ししか取ってこないからエリート冒険者と代われと追放された薬草探しの少女冒険者が普通に薬草の場所を引き継ぎした話
「ロザリー、当ギルドを追放とする!」
「ヒィ、何故ですか?」
「シャアアアアーーーー!」
「ク、クロちゃん。シャーはやめてなのです」
私はロザリー14歳、薬草探しのロザリーなのです。
今日、ギルド長より直々に追放を宣言されたのです。
ギルマスに『やるんか!』ポーズを取っているのはお友達の黒猫のクロちゃんなのです。
グスン。
「何故ですか?」
「あまりにも効率が悪い。わずかな『月の露』だけを採取して仕事をしている気になっている」
月の露、最高級のポーションの材料なのです。
「シャアアアーーーーーー!」
「グスン、それは、森のお母様がそれしかダメだと言うのです」
「ああ?森のお母様?」
そうです。私は森で拾われた孤児だったのです。
森のお母様に育てられ12歳の頃にお友達を作りなさいと言われてこのギルドに来たのです。
友達はクロちゃんだけなのです。
「ロザリー、本当の薬草の群生地を教えろ」
「それは、前に書いたのです」
「あれはデタラメだろう。あんな森の奥に入れるわけがない。森の前縁部に群生地があるはずだ」
「本当なのです」
「フン、なら、彼ら『群狼』を連れて行ってくれ。彼らなら森の深淵部も探索可能だろう」
「はい・・・なのです」
☆☆☆
といういきさつで、私は冒険者学校首席チームを森の深淵部に案内することになったのです。
もし、森のお母様がいるとしたら彼らと戦わせるとの事です。
「あの、皆様、薬草は森のお母様と模擬戦闘をして認められれば分けてもらえるのです。ぬっ殺されるかもしれないから注意なのです」
「リーダーのザックだ。俺たちは一位だぜ。大丈夫、大丈夫、ところでロザリー先輩、何歳?」
「14歳なのです」
「うわ。私の妹よりも年下だわ」
「ギャーハハ、受ける」
「・・・・・さっさと案内しろ。自分の身は自分で守れよな。ロザリー先輩」
「はいなのです」
私は荷物を背負って彼らを案内しました。
「気をつけるのです。森には化け物が沢山いるのです・・・・あ、お話を聞くのです!!」
「俺たちは主席パーティーだぜ」
「そうよ。ドラゴンスレイヤーを最速で目指すのだから。薬草探しは実習だから仕方なくよ」
「キャハハハハハ、ロザリー先輩ぃ、おそーい」
「先に行く」
い、いってしまったのです。森の最深部に入る手前に、『オイババア』がいるのです。
老婆にそっくりな怪異なのです。
☆☆☆
まず具合を悪くしてしゃがみ込んでいる振りをしているのです。人を見ると助けを求めるのです。
『オーイ』と呼びかけるのでオイババアなのです。
「オーイ!た、助けてくれ~」
「おい、ケベック、老婦人だ。こんな所に」
「助ける!正義の冒険者の仕事だ」
「私達は水を・・」
「ロザリー先輩ぃが持っているわ。本当に使えないわぁ」
・・・オイババアは背負ってくれと頼むのです。
「ウウ、あっちに家があるのじゃ。背負ってくれないだろか・・・お礼をするのじゃ」
金貨を見せるのです。
「き、金貨だぜ。ケベック」
「おう、タンクの俺の仕事だ」
背負うと・・・
「すまないね・・」
「いいえ・・失礼だが、重たい・・・」
「ごほん、気のせいじゃろ」
体重が重くなり圧死するのです。何故するのかは謎です。怪異に分類されるのです。
あ、オイババアがいるのです!後輩が背負っているのです。
【みなさ~ん。ダメなのです。それはオイババアなのです。即攻撃なのです!】
【ヒィ、ロザリー?化け物が来た!】
「おい、老婦人殿・・走れるのか?」
走って逃げて行ったのです。
「何だ。森に住む者は老人でも頑強だな・・・」
「お婆さん。元気で良かった。お礼をもらいそこなったけど」
「さあ、行こうぜ」
フウ、心配なのです。夕方になったのです。
「ちょっと、ロザリー先輩!ここで野営をするよ!」
「そうよ。準備して。ロザリー先輩ぃの役目でしょう」
グスン、先輩なのにいつの間にか小間使いなのです。
「夜は見張りだ。交代でな」
「ロザリー先輩は使えないから、私達4人でね」
「じゃあ、くじ引き・・・一番先はザックね」
「おう、怪しい魔物が来たらこの剣で一撃だ!」
「頼りにしているよ。上級剣士様」
ワーイ!寝られるのです。
「ところでよ。ロザリー先輩、1人で深淵部に来ていると言っていたけど、野営はどーしたのよ」
「えっ、六日七夜、歩くのです」
「ロザリー先輩、冗談を言うと拳骨を喰らわすぞ」
「ヒィ」
タンクのケベック君にゴツンとやられたのです。
グスン、寝るのです。
「ロザリー先輩ぃ、それは・・」
「蛇よけの香なのです」
「フ~ン、学校で習ったわ。この時期はあまりでないって、まあ、いいわ」
「臆病ね。クス」
思い出したのです。初めて冒険者になったとき。
森の中で令嬢に出会ったのです・・・
☆☆☆
「あの~剣士様?」
「君は・・・」
「近くの領主の娘です。道に迷いまして・・・」
その令嬢は偽者で蛇の獣人なのです。
ドレスは首まで踝まであるスカートなのです。
多分、鱗を隠しているのです。
蛇は熱で感知するのです。これは怪異ではなく獣の捕食行動なのです。
近づいて安心させて大口をあけてガブ!なのです。
「このテントに4人いるのね」
「ええ、何故分かったのですか?女性もいるので安心してお入り下さい」
「あの、嫌な匂いがしますね・・・片付けて下さいますか?」
「ああ、ロザリー先輩が香を焚きやがった。今、消させます・・」
「ロザリー!?そいつは黒髪のボサボサでチンチクリンな体型・・」
「ええ・・・そうですか・・」
【ヒィ、化け物ロザリー!!!】
「あ、ちょっと夜の森は危ないです。あっ!」
地面を這って蛇のように逃げている・・・・
「おい、皆、化け物だ。戦闘準備!」
「何?何が来たの?」
「うむ。どこにも見えないが・・・」
「大蛇だ!」
「いないじゃない?あ、ロザリー先輩ぃ?邪魔だから引っ込んでいて」
こんな時にロザリー先輩がうつ伏せで地に伏して見ている。
「エヘン、先輩からの教えなのです。夜は地面からの方が見やすいのです。蛇、あっちの方向なのです・・」
「ミャアア!」
「クロちゃんもそう言っているのです」
そして、立ち上がり石を持ち。投げた・・・
ブン!と風切り音がする・・・直線だ。
石は闇に消えた・・・
そして、数秒後に、ゴツン!と音がして、更にしばらくして。
「ギャア」と声が聞こえた・・・
かなりの距離があるのか?
「これで、脱皮をするのです。数日間は襲ってこないのです」
「ニャア!」
「そう・・・・か?」
この頃からロザリー先輩はもしかして強いのか?との疑惑が浮かんで来た。
魔物が出るが・・・
【化け物ロザリー?!】
「狩られる!逃げろ!」
メアリー先輩の名を叫んでオークの群れが逃げて行く。
そして・・・極めつけは・・・
魔物達の群れに囲まれた時だ。野営中に囲まれた。
「だから、休まずに歩くのです」
「「「「はい!」」」」
「ロ、ロザリー、先輩、どうするのですか?」
「話し合うのです」
ロザリー先輩が前に出ると・・・
魔物の大将が出てきた。
ドラゴンニュート達の軍勢だ。数百いる。しかし、図鑑とは違う・・・
「ሰላም። ኣዕሩኽ ንኹን።」(こんにちは。仲良くしましょう)
「ሮዛሊ ድያ? ኣብ ልዕሌኻ ዝኾነ ሕማቕ ድሌት የዕቁብ እየ። ስኒት እየ ዝምነ።」
(ロザリーか?我に敵意無し。調和を望む)
何か、未知の言語で話している・・・
「皆さん。この方々は古ドラゴンニュートのソグド族の方々です。通してくれるそうです。お礼を言って下さい」
「「「「有難うございます!」」」」
「勉強になります!ロザリー先輩!」
一番、横柄だったケベックがまるでお姫様のようにロザリー先輩に付き従うようになった。
「ロザリー先輩、荷物をお持ちします!」
「百キロあるのです。歩きながら食べるので携行食とお水とクロちゃんのおやつがはいっているのです」
「百キロ・・・すみません。お役に立てずに」
「いいのです」
おかしい。並の膂力ではない・・・
「皆さん。ここでご飯にするのです。後、もう少しなのです」
「ニャア」
「「「「はい!」」」」
「あら、ロザリー先輩・・・どこに?」
「お花を摘みに行くのです。ご飯は私の背負籠から携行食を出して食べるのです」
「「「「有難うございます」」」」
「では、有難く頂くか・・・」
「干し魚ね・・・」
「ウニャ!」
「しかし、ロザリー先輩は何者であろうか?」
「ケベック、そりゃ、森のお母様に会えば分かる」
「この魚、美味しいわね」
「森で一番恐れられているのが人族のロザリー先輩ぃだなんて・・」
「ニャア!ニャア!」
「しかし、ロザリー先輩怒らないよな」
「無礼な態度を取ったこと謝罪しない?」
「そうだな・・・俺は拳骨を喰らわした・・・」
「ケベック大丈夫だ。心から謝罪しようぜ。俺がついている」
「ニャア!ニャニャーン!」
「クロ殿、どうした?」
「あら、携行食ちゃんとした物あるわよ・・・」
「まさか、この干し魚は・・・」
俺たちはクロ殿を見た。抗議の目で見ている。
まさか、俺たちが食べた物がクロ殿のおやつだったとは・・
その時、ロザリー先輩の声がした。大声だ。
【ヒィ、それ、クロちゃんのおやつなのです!】
「ニャ!」
よく見ると、おでこに筋が出来ている。
「す、すみません。ロザリー先輩、間違えました・・・」
「帰ったら大きなお魚を買います・・・」
「許して下さいぃ、許して下さいぃ、わざとじゃないんですぅ!」
「グスン、クロちゃん。お腹がすくのです・・・」
ロザリー先輩が震えている。怒りをこらえているのだ。
そして、ロザリー先輩は・・・
【メッ!】
足を開き。腰に両の手を当ててまるで子供を叱るように怒った。
「「「「「ヒィ」」」」
「許して下さい!」
「ロ、ロザリー様」
俺たちが腰を抜かしたら。
また、大声が響いた。
【ロザリーーーー!良く来たぁあああああ】
「あ、森のお母様!」
声の発信源は俺たちの背だ。
ドスン、ドスンと足音が聞こえる。相当な体重だ。
「ヒィ」
俺たちは荷物を置いて、そのまま逃げだした。振り返りもせずに逃げだしたのだ。
「はあ、はあ、ロザリー先輩、ごめんなさい」
「ごめんなささーーーーーーい」
・・・・・・・・・・・・・・・・
「お母様、ここまで迎えに来てくれたのですか?」
「うむ。成長したな」
「ニャア」
「クロも元気そうで何よりだ」
「逃げた者達は?」
「ロザリーの後輩なのです・・・グスン、クロちゃんのおやつを食べたので、『メッ』したら、怖がって逃げたのです。怒りすぎたのです」
「うむ・・・クロのおやつなら干し魚がある。持って行きなさい」
「はいなのです」
「ニャ!」
そこには三メートルを超える女オーガがいた。赤毛で顔に一文字の傷がある。
森の中、魔物に襲われた馬車で荷物に紛れて一人生き残った赤子がロザリーだったのだ。
「ロザリー、八時間の身体強化魔法を放出をした後、模擬戦闘をやるぞえ」
「ヒィ、はいなのです」
「しかし、残念だな。折角のロザリーの後輩を・・」
「グスン、引き継ぎなのです・・・」
「何?戦い志望者か?勇者パーティーぐらいの強さだったらいいな。懐かしいぞ」
「グスン、殺されなくて良かったのです」
その後、冒険者グループ『群狼』は這々の体で冒険者ギルドに帰り着いた。
☆☆☆冒険者ギルド
「みんな。どうした。まるで戦に敗れたみたいではないか?『月の露』は?」
4人は黙った。しばらく沈黙が支配したが・・・・
「おい、まずは心配だろうが!『月の露は?』じゃなくてよぉ!」
「そうよ。ロザリー先輩ぃがいないのも心配しなさいよ!」
「ギルマスよ。現場を知れ!人の話を聞け!」
「ロザリー先輩の話を信じられないなら自分で調べなさいよ!」
「えっ」
4人に地面に引き倒され。
ボコボコに蹴られたと云う。
「「「「「おりゃ!おりゃ!クズギルマス!」」」」
「うわ。説明しろ!ワシはギルマスだぞ!うわ、やめろ!ウグ、歯が折れた!」
その後
☆☆☆某冒険者ギルド
「ヒィ、『月の露』?山向こうのギルドでしか入荷できなかったのに!」
「エへへへへ、買い取って下さい」
「金貨三十枚でどうだ?」
「ヒィ、今までの十倍なのです」
「え、これが通常だよ」
「さあ、ロザリー冒険者、応接室に・・」
「はいなのです。クロちゃんもいいですか?」
「もちろん」
時々、近隣ギルドに黒猫を連れた少女が目撃されたと云う。
最後までお読み頂き有難うございました。




