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毎日胸ポケットに女の子を入れて出勤しています  作者: 渓夏 酔月


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2.妖精の女の子

 突然立ち上がって怒鳴りだした小さな女の子にびっくりして、僕はすぐに女の子を昆虫飼育ケースから出して机の上に置いた。


「見るな~、変態~! こっち見るな~! 着る物持って来い!」


 女の子は胸と下半身を手で隠しながら怒鳴っている。


「ご、ごめんなさい。でも、うちに女の子の着るものなんてないよ」


 僕がそう言うと、女の子はさらに怒鳴った。


「向こうに小さなタオルハンカチあっただろう! あとあっちの小さなダブルクリップ持って来い!」


 女の子は器用に自分の体をハンカチで包むと、ダブルクリップで止めた。女の子の身長は十センチメートル程なので、ハンカチでもすこし大きいくらいだ。


「水持って来い! のどがカラカラだ! 殺す気か~!」


 僕は慌ててコップに水を入れ、女の子の前に置いた。


「こんなでっかいコップで飲めるか~! お前バカか~!」


 確かにコップは、女の子の身長よりも大きかった。


「ごめん、ごめんよ」


 僕はお猪口に水を入れて机の上に置いた。


 女の子はよほど喉が渇いていたのだろう。お猪口の水を半分以上飲んでしまった。


「お前の弁当食わせろ~! お前は昆虫ゼリーでも食ってろ~!」


 女の子は僕が買って来た、机の上のコンビニ弁当を指さして言った。


 僕はコンビニ弁当を電子レンジで温め、ハンバーグを小さく切って蓋の上に載せてあげると、女の子はよほどお腹が空いていたようで、手づかみでバクバク食べ始めた。


 僕も残りの弁当を食べながらふと見ると、女の子は机の上で眠ってしまっていた。


 水も食べ物もなく、よっぽど疲れていたのだろう。昆虫ゼリーが食べられないなんて知らなかった。酷いことをしてしまった。


 僕は飼育ケースの中に入っていた葉っぱや腐葉土を捨て、きれいに洗った。そして、新しいタオルを敷いてふわふわにし、女の子をそっとその上に載せ、ハンカチを布団代わりに乗せた。


 女の子の口の周りには、ハンバーグのソースがついていたのでウエットティッシュで優しく拭いた。


 小さな女の子の寝顔はかわいく、天使のようだ。


 今日初めて見た女の子の瞳は、とても美しい碧色だった。彼女のウエーブのかかった金髪と透き通るような白い肌に、碧い瞳がとても美しかった。


(この女の子は天使かもしれない)


 かわいい寝顔を見ながら、僕はそう思った。


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