1,本エッセイにおけるNTRの定義づけとか注意事項とか
時間のない方は読み飛ばしてもらっても構わないです。本格的な議論は次からなので。
本エッセイは、NTRが現実恋愛小説内でどう捉えられるかを考察するものである。念のため記しておくが、NTRは『寝取り/寝取られ』(元は『寝取られ』だったが、後に『寝取り』が含まれるように)と読む。なぜこの略称になったのかは分からない。
ネットの海を探索していると『NTRの読者は性癖が歪んでいる』などの罵詈雑言を目にすることがあるが、それはただの誹謗中傷であり、感情的になって叩けるものを叩いているに過ぎない戯言だ。
NTRに限らず、小説は年齢制限で分割される。R18(ここではエッ……系)かそれ以外(R15含む)かだ。このエッセイが『小説家になろう』本体に投稿されていることからも分かるように、基本的に本文において前者の取り扱いはしない。筆者もBANの危険を冒してまでエッセイを書きたくはない。
そもそも、この手のR18作品は論理構築や鑑賞方法が一般小説とは異なる。重厚なストーリーや整合性のある心理描写はそれほど求められず、エッ……なシーン一本で決まる。男側が一途な高校生だろうと、髪を染めたチャラ男だろうと、それ相応の場面があればそれでいい。少なくとも『しっかりしろこの世界の警察』という批判は見たことがない。
『異世界』についても今回は除外とした。世界観がナーロッパであっても、その世界の論理が構築されていれば現地人が我々と異なる感情を抱く可能性をぬぐえず、そこを考慮に入れると手も足も出なくなってしまうからである。極論、貞操観念逆転世界で主人公側でない異性が本能むき出し設定ならば、その世界にとってNTRは常識となり議論の余地がなくなる。
恋愛ジャンルに含まれるその他のキーワード、例えば『BL』『GL』は除外しない。これらの属性は、本質的にNTRに影響を及ぼさないからである。現実世界かつ一般であれば、前提が崩れることはない。
若干脱線したが、このエッセイでは『一般(R15含む)』現実恋愛小説のNTRについて論じる。ここまでが注意事項である。
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それでは、NTRの定義を改めて付けることにする。NTRは『寝取り・寝取られ』であり、異性間の恋愛としてその形を抽象化して、寝取りは、
1)脇役(主人公と同性)がヒロイン(異性)と付き合っている+の関係にある
2)主人公が登場し、ヒロイン(異性)と付き合う+(肉体関係含む)になる
3)その状況が脇役(主人公と同性)に伝わる
※脇役は(たいてい)絶望、主人公側が誇る
といったフローチャートで表すものとする。寝取られは脇役と主人公の位置を交換すれば成り立つので問題はない(問題が発生するならキャラが記号化している)。(2)でどこまで関係を進展させるかについての考察は後にする。また、※は必須ではない。
手順で分かるように、そもそも寝取られ側がヒロインと恋人関係でなかったパターンは含まない。それも広義のNTRに入るが、その作品における寝取られ側の失望は単なる片思いの増幅が元であり、よくNTRで賛否の別れる要素からズレている。
これでだいたい準備が整った。次回からは、NTRと一般現実恋愛小説の関係について述べていくことにする。




