ヒロインたちの襲来 4
その後も王様ゲームは続いたが、なぜか俺ばかり命令され、王様以外の4人からゴミを見るような目で見られ続ける。
そんな感じで王様ゲームを行うが…
「おかしいです!なぜウチが王様になれないのですか!」
なぜかミレーユさんが王様になれない。
「これは仕方ない。同情はするけど」
「そうだな。可哀想な気持ちはあるが、どうすることもできないし」
2人の言う通り運が悪いだけなので、仕方のないことではある。
「この王様ゲームはなにかがおかしいと思います!シロ様もそう思いませんか!?」
「うん、俺もおかしいと思う。俺しか命令されないところとか」
「うっ!そ、それはおかしくないと思います」
「いや、これもおかしいだろ!」
むしろ俺だけ命令される方がおかしいと思っている。
しかし棒に細工をしている様子はなかった。
(涼宮さんたちが団結してるって説が1番あり得るが、証拠もなしに疑うわけにもいかないからなぁ)
俺は考えるのを諦め、未だに頬を膨らませているミレーユさんに話しかける。
「ミレーユさんは王様になって何を命令したいんだ?」
「そ、それは――で、できればシロ様に慰めてもらおうかと思いまして」
「俺に?」
「はい。でも全然王様なれなくて」
ミレーユさんが今にも泣きそうな顔となる。
そんなミレーユさんを見て俺は決意する。
「仕方ない。俺にミレーユさんを慰めることができるかはわからないが、今回は特別だ。少しだけミレーユさんのお願いを聞いてやろう」
「ホントですか!?」
俺の言葉を聞いてミレーユさんが笑顔を見せる。
「シロ、それは――」
「これくらいいいじゃないか。俺が少し慰めるだけだから」
「むぅ、シロがそう言うなら。確かに王様を引けずに可哀想とは思ってたし」
「ありがとな、穂乃果」
穂乃果たちから了承を得て、ミレーユさんの方を向く。
「大したことはできないが、俺にできることなら何でもしよう。何をすればいいんだ?」
「そうですね。何でもという言葉に惹かれますがウチはルール違反をしてるので――あっ!それならシロ様に言ってほしい言葉があります!」
「そんなことで元気になれるのか?」
「はい!」
「わかった。なんでも言ってやろう」
「で、ではですね。ウチのこと、ミレーユと呼び捨てで呼んでください」
少し恥ずかしいのか、顔を赤らめてモジモジしながら言う。
「そ、それくらいなら。その――ミレーユ」
「っ!はい!とても嬉しいです!」
どうやら満足できたようで満面の笑みで返事をしてくれる。
(元気になってくれて良かった。呼び捨てで呼ぶだけでここまで喜ばれるとは思わなかったが)
「あ、これからもウチのことは今みたいに呼び捨てでお願いしますね!」
「分かったよ、ミレーユ」
「〜〜〜っ!ありがとうございます!」
再び呼び捨てで呼ぶと、嬉しそうな顔を見せる。
その笑顔に見惚れていたため…
「いいにゃ〜、私も名前で呼ばれたいにゃ」
涼宮さんの呟きを聞き逃していた。
ミレーユが復活したところで、王様ゲームを続ける。
その後も何故か王様から命令されるのは俺ばかりだったので…
「おかしい!おかしすぎる!」
ついに俺は立ち上がる。
「なんで俺だけ命令を受けてるんだよ!?」
そして皆んなに問い詰める。
しかし俺の質問に焦る様子を見せない5人。
「おかしくないにゃ。シロくんの運が悪いだけにゃ。たまたまにゃ」
「いやいや!たまたまで片付けられないレベルだろ!」
「そんなことないにゃ。たまたまにゃ」
「だって――」
「たまたまにゃ」
「…………」
(「たまたまにゃ」って言葉、無敵かよ!語尾に『にゃ』がついてるからか!?)
何を言っても無駄な気がしたので俺は問い詰めるを辞めた。
その後も王様ゲームが続く。
相変わらず王様から指名されるのは俺ばかりだが、何とか命令通りにこなしていると、母さんが俺の部屋に入ってきた。
「みんな、今日はウチでご飯を食べていきなさい」
「えっ!いいんですか!?」
「えぇ、遠慮することなんかないわ。というより、もう作ってしまったから遠慮されたら困るわ」
そう言われて時間を見ると、晩ご飯の時間となっていた。
「な、なら遠慮なくいただきます」
「えぇ。ゲームが落ち着いたらリビングに来なさい」
そう言って母さんが部屋を出る。
「シロのお母さんを待たせるわけにはいかないので、この辺で終わりにする」
「よ、ようやく終わったぁ」
穂乃果が王様ゲームの終了を告げ、俺たちはリビングに向かう。
そして全員で母さんの手料理を食べる。
しばらく他愛のない話で盛り上がっていると…
「皆んな、先程はお楽しみだったようね」
母さんが爆弾発言をしてきた。
「っ!お母さん!もしかして見てたの!?」
「少しだけよ。お菓子を持って行くために部屋を覗いたら、みんなが真白くんとイチャイチャしてたもの。興味があって覗かせてもらったわ」
(えっ!てことは俺が色んな命令を聞いてたところを母さんに見られたのか!?やべぇ、死にたいっ!)
全員が俺と同じようなことを思い、その後は顔を赤くしながら晩御飯を食べることとなった。
そんな感じで俺の元日が終わった。




