クリスマスデート side桜 2
桜に抱きつかれたまま洋服店へと到着する。
(へぇー、サンタのコスプレ衣装が置いてあるな。今日がクリスマスだからかな?)
そんなことを思いながらサンタのコスプレ衣装を見ていると、桜が話しかけてくる。
「も、もしかしてお兄ちゃんはサンタ衣装が好きなの?」
「そ、そんなことないぞ。ただ目に入ったから見てただけだ」
俺にサンタ萌えとかないので事実を伝える。
そのタイミングで試着室の方からカップルの会話が聞こえてきた。
「どうかな?私のサンタさん。似合ってるかな?」
「…………」
「ちょ、ちょっと!聞いてるの!?」
「っ!あ。あぁ!とても似合ってるよ!似合いすぎてて言葉を失ってた!」
「もう、顔真っ赤にして照れちゃって!私は彼女なんだからいつでも着てあげるよ!」
そんな感じでイチャイチャしていた。
その様子を見ていた俺はというと…
「くそっ!リア充め!見せつけるようにイチャイチャしやがって!爆発しろ!」
「いや。私が抱きついている状況でその言葉はおかしいからね」
「………」
(ごもっともです)
返す言葉が見当たらない。
そんな会話をした後、桜が変なことを呟く。
「もし私がサンタさんの衣装を着ると、お兄ちゃんも彼のような反応をしてくれるのかな?」
「変なことを聞くな。あの2人を見て何か思ったのか?」
「うん。お、お兄ちゃんはサンタさんの服をどう思っているのかなーって」
「ん?なぜそんな話になるかは知らんが、普通に良い衣装だと思うぞ?」
サンタ服が嫌いではないので素直に褒める。
「そ、そうなんだ。なら私も着てみようかな?」
「えっ、サンタの服を着てみたくなったのか?」
「わ、私にコスプレの趣味があるわけじゃないよ!でもここは着るべきと判断したの!今日はクリスマスだし!」
「そ、そうか。なら俺は向こうのベンチで休んでるから」
「なに言ってるの!お兄ちゃんも私の試着に付き合ってもらうよ!」
「えぇ……」
(まぁ、桜がそこまで言うから付き合うか。どうせ抱きつかれてるから無理に離れるなんて出来ないし)
そんなことを思いながら桜に同行し、サンタの服を持った桜に連れられて試着室の前へ。
「着替えてくるからここで待っててね!」
そう言って桜が試着室へ。
俺は桜の言葉通り試着室の前で待機していると、数分後にカーテンが開く。
「ど、どうかな?スカートの丈が思ってたより短くて恥ずかしいけど――に、似合ってるかな?」
耳まで真っ赤にした桜がスカートの丈を両手で伸ばしながら聞いてくる。
「っ!」
その可愛らしい格好と仕草に心臓が跳ねる。
美少女である桜とサンタ衣装がマッチしすぎて、桜から目を離せない。
(可愛いなぁ!これがコスプレの力か!普段の桜よりも可愛く見える!)
そんなことを考えていたため…
「あ、あぁ。サンタの桜も可愛いぞ。いつもと雰囲気が違って、いつまでも見ていられる」
普段なら絶対言わないことを口に出してしまう。
「〜〜〜っ!そ、そうなんだ。あ、ありがと。お兄ちゃん。とても嬉しいよ」
すると桜が真っ赤な顔をして、嬉しそうに言う。
(気持ち悪いことを言ってしまったが、いつも可愛いって思ってるからな。今日以降、変態お兄ちゃんって軽蔑されるだろうが甘んじて受け入れよう)
桜の嬉しそうな顔を見て、先ほど言った言葉は訂正しなかった。
洋服店から出た後も桜は抱きついてくるが、言っても無駄だということに気づき、振り払うのを諦める。
「次はどこに行こうか。15時までもう少し残ってるぞ?」
「そうだね。あ!それなら今度はお兄ちゃんの服を買いに行こうよ!」
「それは助かる。俺もそろそろ次の時代のファッションに切り替えないとって思ってたからな」
「お!ついに室町時代のファッションに切り替えるんだね!お兄ちゃん!」
「俺は今、鎌倉時代のファッションをしてんのかよ!」
「あははっ!冗談だよ!」
そんな会話をしながら、男物の洋服店を探した。
俺の服を桜に選んでもらうと、桜とのデート終了時間である15時前となる。
「もう15時になるね」
「ホントだ。あっという間だったな」
桜とのショッピングは楽しかったので、あっという間に時間が経過した。
「次は穂乃果さんと映画デートだね!お兄ちゃんの服は私が家に持って帰るから、楽しんできてね!」
「ありがと、桜」
俺は桜と別れて穂乃果との待ち合わせ場所に向かった。




