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クリスマスデート side桜 1

 涼宮さんと遊園地で遊んだ俺は、桜との待ち合わせ場所に到着する。

 すると、桜が見知らぬ男2人に絡まれているところを発見した。


「ねぇねぇ!君一人のようだけど、これから俺たちと一緒に遊ばない?」

「結構です。人を待ってますので」

「そんな固いこと言わずにさ!」


 桜は興味なさそうに断っているが、男たちが立ち去る様子はない。


 そのため桜に駆け寄ろうとすると…


「どこでも好きなところに連れて行ってあげるから俺たちと一緒に遊び行こうよ」


 そんなことを言いながら男の一人が桜の手を握ろうとしていた。


(おい!俺の義妹になにしてんだよ!)


 それを見た俺はダッシュで桜のもとへ。

 そして桜の手を掴もうとした男の手首を握る。


「おい。何してんだよ」

「あ?テメェには関係ねぇだろ!どっか行けよ!」

「関係ないだと?俺は見知らぬ男が義妹に触ろうとしたから邪魔しただけだが?」


 男2人に睨まれるが桜を男たちに渡すわけにはいかないので、引かずに睨みつける。


「妹?笑わせるな!お前みたいなパッとしない陰キャがこの娘と兄妹とかあり得るわけないだろ!冗談は顔だけにしろよな!」


(その通りだけどっ!)


 桜のような美少女が俺と兄妹という点に対しては釣り合ってないと思ってる。

 それに今の俺は目元を髪で隠しているため、パッとしない陰キャと言われても否定はできない。


(だが俺と桜が義理だけど兄妹なのは事実なんだ。だから、ここはしっかり桜を守らないと!)


 そう思い男たちに反論しようとすると、いきなり桜が俺の腕に抱きついてきた。


「!?」


 突然の出来事に固まる俺。

 そんな俺を他所に桜が爆弾発言を繰り出す。


「よ、よくわかったね!私たちは兄妹じゃなくて、こ、恋人だから似てないんだよ!」


 顔を真っ赤にして男たちに言う。

 それを聞いた男たちは“ぽかーん”としてた。


(そりゃそうだ。見るからに陰キャな奴が美少女の桜と恋人とか信じられないからな)


 俺が男たちの立場だったら全く同じ反応をしていただろう。

 

(って、そんな分析をしている場合じゃないぞ。桜がこんな陰キャと付き合ってるという噂が流れるのはよくない)


 なので一刻も早く誤解を解こうとすると、桜が耳元で囁く。


「ここは私に任せて、お兄ちゃん」


 そして可愛くウインクをしてきた。


(な、なぜ恋人ということにするのかは知らんが、ここは桜に任せるか)


 そう思い、黙って桜の言動を見守る。


「だから私たちのことはほっといてください!」


 そのように桜が言うと、男たちが渋々諦めてくれた。


(おー、桜に任せて正解だったな)


 男たちが見えなくなると、俺は桜に声をかける。


「ごめんな。来るのが遅くなって。酷いことはされてないか?」

「うんっ!大丈夫だよ!」


 未だに抱きついたままの状態で、桜が笑顔を向ける。

 その表情と言葉に安堵した俺は、再び桜に話しかける。


「桜、男たちもいなくなったし、俺から離れてもいいと思うぞ?」


 男たちを誤魔化すために抱きついてきた桜が一向に離れないため、声をかける。


「ううん、今から私とデートだからね!抱きついたままでも問題ないよ!それに、また変な男に絡まれるかもしれないからね!これがいいんだよ!」

「いやでも――」

「そんなことよりお兄ちゃん!さっきは助けてくれてありがと!とてもカッコよかったよ!」


 満面の笑みで桜が褒めてくれる。


「っ!」


(ま、まぁ今くらいはいいか。そのうち離れてくれるだろうし)


 桜の可愛い笑顔を見てこれ以上言えなくなった俺は、振り払うことなく抱きつかれたまま歩き出した。




 その後、桜と共にショッピングモールへ移動し、フードコートで昼食を満喫する。

 そして桜が服を買いたいとのことで、洋服店を目指して移動を開始した。

 桜が右腕に抱きついた状態で。


(え、まだ俺に抱きつくの?もう離れていいと思うけど?)


 昼食を食べたら離れるだろうと思っていたが、何故か昼食後も桜が俺の腕に抱きついている。

 そして俺の腕から離れる様子がない。


「なぁ、桜。とりあえず抱きつくのはやめてもらっていいか?」

「ん?なんでー?」

「いや、歩きにくいし」

「歩きにくいくらい我慢してよ!世の恋人たちは皆んな腕を組んで歩いてるんだから!」

「皆んなじゃないだろ。普通は手を繋ぐだけだよ」


 と伝えるが離れる様子はない。


「それと周りからものすごく注目されてるぞ?恥ずかしくないのか?」

「それも我慢してよ!私も恥ずかしいから!」

「じゃあ離れろよ」

「そ、そんなことをすると私がまたナンパされるかもしれないんだよ!」

「それは大丈夫だ。もし桜がナンパされそうになっても、俺が絶対守ってやるから」


 二度と桜に怖い思いをさせたくないので、俺は力強く伝える。

 すると“ぼっ!”と桜が一瞬で顔を赤くする。


「そ、そうなんだ。あ、ありがと。お兄ちゃん」

「お、おう。俺は桜のお兄ちゃんだからな」


(くっそ恥ずかしいことを言ってしまったぁぁ!!)


 その後、俺と桜は顔を赤くしながら無言で洋服店へと向かった。

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