クリスマスデート side香織 1
クリスマス当日となる。
俺は早朝、桜と穂乃果から簡単に1日の流れを説明される。
「当初の予定では私と桜の3人でクリスマスを過ごす予定だった。でも今年はできなくなった。だから今日、私と桜もシロと二人きりでデートするから」
「でね!今日、お兄ちゃんは私たち5人と3時間ずつデートしてもらうことになったの!コレがお兄ちゃんのスケジュール表ね!」
俺は桜から渡された紙を見る。
そこには…
①9時〜 涼宮さんと遊園地デート
②12時〜 桜と昼食&ショッピングデート
③15時〜 穂乃果さんと映画デート
④18時〜 星野さんと夕食&街ぶらデート
⑤21時〜 ミレーユさんとお家デート
と、書かれていた。
「ちなみにこのスケジュールを作るために何時間も揉めたんだよ!」
「ん、シロのお母さんが監修しなきゃいけないレベルだった」
どうやら、かなり苦労したらしい。
「そ、そうか。お疲れ様」
(これは掘り下げない方がよさそうだな)
そんなことを思いながら紙に目を通していると桜が口を開く。
「それでね。これが一番伝えたいことなんだけど――私や穂乃果さん以外に変なことしたら許さないからね!」
「欲求不満があれば私たちの時間で解消すること。えっちぃことも私たちは問題ない」
「やらんわ!」
2人の言葉を即座に否定する。
「あと、涼宮さんたちとデートできるからって舞い上がらないようにね!」
「私たちの時間は舞い上がっていい。むしろ裸躍りする勢いで舞い上がってほしい」
「そこまでしねぇよ!皆んなとは遊んでくるだけだから!」
そんな忠告のような言葉を聞き、俺は前髪を全て下ろした状態で涼宮さんとの集合場所へと向かった。
涼宮さんとの集合場所にたどり着く。
そこにはマスクとサングラスをした涼宮さんがいた。
「おはよう、涼宮さん」
「あ、おはよー!シロくん!」
俺が声をかけると、涼宮さんが俺のもとに駆け寄ってくる。
「ごめん、少し遅れたかな?」
「そんなことないよ!私がはやく集合場所に着いてしまっただけだから!」
俺はその言葉を聞いて安堵する。
「シロくん。私は今日、この格好で過ごすことになるけどいいかな?」
「ん?それくらい構わないぞ?」
「ありがと。さすがに男の子と二人きりで遊園地っていうのはスキャンダルに繋がるからね」
(確かに。なら俺は出来るだけ涼宮さんから距離をとった方がいいな)
そう思って少し離れようとすると…
「ちょっと!何で私から離れるの!?」
「えっ!いや、だって男と一緒に歩いてるだけでスキャンダルに――」
「もう!そんなことシロくんは気にしなくていいの!」
そう言って何故か俺の腕に抱きついてくる涼宮さん。
「なっ、何してんの!?」
「そ、それはシロくんが私から離れようとしたから体で止めただけだよ!」
そして先ほど以上に密着してくる。
(うぉっ、柔らかっ!それに良い匂いもするし!)
穂乃果や桜よりも大きい胸の感触にドキドキしてしまう。
「わ、わかった。俺は涼宮さんから離れないから、抱きつくのをやめてくれ」
「ホント!なら、このままスキャンダルなんか気にせずに遊園地へレッツゴー!」
「いや、腕に抱きつくのをやめてほしいんだが――」
とは言うものの、俺の言葉を無視して笑顔で涼宮さんが歩き出す。
「おーい。聞いてますかー?」
「んー?何か言ったー?」
「絶対聞こえてるだろ」
「ふふっ。まぁ、そんなこと言わずに楽しみましょ!」
そんな感じで全く聞く耳を持ってくれない涼宮さんに抱きつかれたまま、遊園地を目指した。
遊園地に到着する。
今日がクリスマスということもあり、大勢の人がいた。
ちなみに涼宮さんに抱きつかれたまま移動していたが、お互い恥ずかしくなったため、途中で抱きつくのをやめてくれた。
「まずはどこに行こうか?」
「それはね!これだよ!」
そう言って涼宮さんは一枚のチラシを見せる。
「ふむふむ、お化け屋敷か」
「どうかな?」
「いいぞ。お化け屋敷は久しぶりだから行ってみたくなった」
「うん!じゃあ、まずはお化け屋敷だね!」
とのことでお化け屋敷を目指した。
お化け屋敷の順番待ちをしている間、俺は疑問に思ったことを聞いてみる。
「なぁ、涼宮さんは怖いのが好きなのか?」
「ううん。全然好きじゃないよ?」
「そうなのか?お化け屋敷を選んだから、てっきり好きなのかと」
「え、えーっと。そ、そんなことはどうでもいいんだよ!行ってみたかっただけだから!」
目を泳がせながら涼宮さんが答える。
「そ、そうか」
(どうでも良くはないと思うが、詮索するのはやめよう)
そんなことを思いながら、順番が来るのを待った。




