芸能事務所視点
〜竹内社長視点〜
私は昨日、日向くんと星野さんのイチャイチャカップル写真集を撮影し、その時撮った動画をSNSにアップした。
アップした時間が0時過ぎだったことに加え、その後も残っていた仕事に取りかかっていたため、今日も職場に泊まっていた。
「やべぇ。少し仮眠する予定だったが、もう6時じゃねぇか」
私は慌ててソファーから起き上がる。
そして眠気を覚ますため、コーヒーを飲みながら昨日アップした動画を確認すると…
「けほっ!けほっ!な、なにこれ!?再生回数45万!?まだアップして6時間しか経ってないけど!?」
再生回数の多さに驚き、コーヒーで咳込む。
私はすぐさま原因を解明するためにSNSを開く。
「なっ!昨日アップした動画がトレンド1位になってる!しかも日向くんと星野さんもトレンド上位にいるし!」
朝から叫び続けており、驚きの連続で眠気が覚める。
私は一度深呼吸を挟んでから落ち着きを取り戻し、詳しく原因を調べ直す。
すると、どうやら日向くんと星野さんの普段見られない表情にイチコロした人が多く、恋愛ドラマよりもキュンキュンさせてくれると拡散者が続出したらしい。
(いや、キュンキュンしてもらうために動画を編集したわけじゃないんだが)
あくまで写真集の宣伝のためにアップした動画なのに、宣伝のところを触れるコメントがほとんど見られない。
(あまり宣伝効果にはならなかったかぁ)
「はぁ」とため息をつき、私は仕事の準備に取り掛かる。
しかし仕事開始時刻になると…
「社長ー!写真集の発売日を聞いてくる電話が鳴り止みません!」
「それに加え、『シロ様と星野さんって付き合ってますか?』という電話も鳴り止みません!」
等々の理由で朝から電話が鳴り止まなかった。
「社長。例の動画の件で、12時現在の状況を報告させていただきます」
私の下に神野が報告に来る。
「写真集の発売日を聞いてくる電話が10,000件以上来たため、10,000件を超えた辺りで数えるのを辞めました。そして『日向さんと星野さんが付き合ってるのでは?』という電話が13,641件来ております。なお――お、たった今、付き合ってる疑惑の電話が来たようなので1件追加ですね」
「おい。なんで写真集に関する大事な電話の件数を数えてなくて、そんなどーでもいい質問をしてくる件数は正確に把握してるんだよ」
「さすが社長、とても良い質問ですね」
「なんで褒められるんだよ。普通に気になったわ」
私とは感性の違う社員が多くいるようだ。
「純粋に好奇心ですね。付き合ってる件を聞いてくる人が何人いるのか気になったため数え続けてます。おかげで少しだけ電話が滞ってます」
「今すぐやめろ!」
「えー、これくらい――はい、ダメですよね。今すぐやめます」
少し睨みつけると神野が大人しくなる。
「はやく持ち場に戻れ。神野が抜けた穴を埋めるために皆んな頑張ってるからな」
「分かりましたっ!」
私への報告を終えた神野が持ち場へ戻る。
(どうやら、あの動画が写真集の宣伝になったようだ。コレは写真集の販売を急がせたほうがいいな。人々の記憶に残ってるうちに販売しないと意味がないし)
そんなことを思い、販売を急ピッチで行うよう指示を出した。




