義妹と幼馴染 1
その後、ミクさんたちと別れ、神野さんの車で家に帰る。
「あ、私も少しだけ日向さんの家に寄らせていただきますね」
とのことで俺は神野さんと一緒に玄関の扉を開ける。
すると…
「シロ、待ってた」
「お兄ちゃん、待ってたよ!」
穂乃果と桜が玄関で待ち構えていた。
「な、なんだ?」
「はい!穂乃果さんたちからお願いされたことはコチラのメモに書いてます!参考にしてください!」
「ありがとうございます!神野さん!」
桜が神野さんにお礼を言うと、神野さんが家を出る。
「え、用事ってこれだけ?」
どうやら桜たちにメモを渡すだけだったようで、車のエンジンをかける音が聞こえてきた。
「ふむふむ、なるほど」
「ふーん。こんなことしたんだ」
そんな中、桜たちは神野さんから渡されたメモを凝視している。
そして俺の方を向く。
「シロ、正座して」
「なんで!?」
「もちろん私たちを怒らせることをしたからだよ!」
「はぁ!?身に覚えがない――いや、待てよ?ひょっとして――」
(巨乳の子が表紙のエロ本のことか?破り捨てろって言われたけど、実は隠し持ってたことがバレたとか)
「あ、エッチな本なら私が燃やしたから。全て」
「ぎゃぁぁっ!!」
桜から残酷なお知らせをもらう。
そんな俺に抵抗する力はなく、意気消沈した俺は大人しく正座する。
玄関で。
「ごめんなさい。思い入れのある本だったんです。捨てきれなかったんです」
「今はそんなことどうでもいい」
「そうだよ!私たちが今怒ってるのはそれじゃないよ!」
「………なんだって?」
(じゃあ俺はなんで正座してるんだ?)
俺が疑問に思っていると、神野さんから渡されたメモを見せられる。
「ここにはお兄ちゃんがミクさんとイチャイチャした内容が書かれてます!」
「ふむふむ、確かにそうだな。それがどうしたんだ?」
「シロには今から私たちにも、ここに書かれていることをしてもらう」
「…………なんで?」
「それは私たちが不公平だから」
「いや、言ってる意味が――」
「つべこべ言わない」
「そうだよ!私たちの怒りは収まってないんだから!」
(な、なんかよくわからんが、言う通りにした方が良さそうだな。多分、逆らうと俺に不利益なことが起こる気がする)
エロ本の件もあるので俺は抵抗するのを辞めて、桜たちの言いなりになることを決めた。
俺たちは桜の部屋に移動する。
「ここなら、お母さんからの邪魔も入らないよね?」
「ん、前回はリビングでしてしまったのが間違いだった」
(前回って俺が涼宮さんとミレーユさんの2人とCM撮影をした後の話だな。あの時は2人の怒りを鎮めるため、リビングで2人の頭をナデナデしてたからな)
その時、母さんに見つかって全員で恥ずかしい思いをした。
「じゃあ早速、これをしてもらおう」
「私はこれをしてもらおーっと!」
2人は神野さんからもらったメモを見ながら決める。
(あのメモには俺がミクさんとイチャイチャした内容が書かれてたからな。難易度の低いものをお願いします)
「じゃあ先ずは私から。シロ、私をお姫様抱っこして」
「よりにもよってそれを選ぶのかよ!」
1番難易度の高いものを躊躇なく選んでくる。
(俺にお姫様抱っこなんかされても穂乃果は嬉しくないだろう。だから多分、穂乃果は俺を揶揄うつもりだ)
おそらく抱っこしてる時に笑ったり、抱っこするまでに恥ずかしがる俺を揶揄ったりするつもりだ。
(よし。照れたりすると穂乃果の思うツボなので、ここは冷静に対応しよう。穂乃果にお姫様抱っこをするのは初めてだが先程ミクさんで経験したので、恥ずかしくなることもないだろう)
そう思い、恥ずかしがる素振りを見せずに動き出す。
しかし…
「シロ。なんで固まってるの?はやくお姫様抱っこして」
(無理です。恥ずかしがらずとか無理です)
慣れないことなので俺は顔が赤くなるのを感じる。
そんなことを思い動けないでいると、穂乃果がお姫様抱っこしやすいよう俺に密着する。
「わ、私も恥ずかしい。だからはやくして」
穂乃果が頬を染めながら催促してくる。
(くっ!なんだその顔は!)
至近距離で見る穂乃果の照れ顔にノックアウト寸前となる。
(ええいっ!やってやろう!)
穂乃果の可愛い顔を見て、俺は意を決してお姫様抱っこをする。
(うぉっ、軽っ)
ミクさんよりも幾分か軽いので、楽々とお姫様抱っこをする。
「ん、シロ。とても良い」
「そ、そうか」
(くそぅ!相変わらず女の子は良い匂いがするな!)
ミクさんの時と同様、女の子特有の柔らかい感触と匂いにクラクラしそうになる。
「シロとこんな至近距離で話すの初めてかも」
「そ、そうだな。お姫様抱っこはお互いの顔が近くなるからな」
「ん。その……シ、シロはとてもカッコいい。ずっと見続けたくなる」
「あ、ありがとう。俺も穂乃果が可愛いからずっと見続けたくなるぞ」
「〜〜〜っ!」
俺の言葉を聞き、穂乃果の顔が真っ赤になる。
(な、なんかめっちゃ恥ずかしいことを言った気がするが、いつも思ってることだ。穂乃果から気持ち悪いと思われるだろうが仕方ない。罵声や軽蔑など、何でも甘んじて受けよう)
そんなことを思いながら俺は穂乃果をお姫様抱っこし続けた。




