クリスマスデート争奪戦 3
何故か俺の家に涼宮さんたちがいる。
(みんなが集まった原因は俺にあるらしいが心当たりがないんだよなぁ。まぁ俺に原因があるのなら、原因となった男は消えた方がいいだろう)
という謎理論を掲げ、立ち去ることを決意。
「なぁ、母さん。今日の夜は空けとけって言われたけど、集まる原因になった俺は要らないと思うんだ。だから部屋に戻ってもいいか?晩御飯も食べ終わったし」
「そうね。真白くんが部屋に戻りたいなら部屋に戻っていいわよ」
「ホントか!なら俺は部屋に戻る――」
「ええ。その代わり、これがどうなっても知らないわよ」
持っていた紙袋の中から、とある雑誌をチラッと俺だけに見せる。
(そ、それは俺の部屋にあったエロ本!な、なぜ母さんが持ってる!?昨日バレたから隠し場所を変えたのに!)
母さんが見せてきた物に驚きを隠せない。
(ど、どうやって俺のエロ本を見つけたんだ!?じゃなくて!とりあえず、ここに残らなければっ!部屋に戻ったら皆んなに見られてしまう!)
何故母さんがここにエロ本を持って来ているかは置いておく。
「あら?戻らないの?部屋に戻ってもいいのよ?」
「な、何を言ってるんだい、母さん。皆んながわざわざ来てくれたのに部屋に戻るなんてこと、するわけないだろ?」
「なら仕方ないわね。真白くんがそこまで言うなら、ここに残ることを許可するわ」
「………ありがとう、母さん」
(おかしい。なんで俺がお願いする形になってんだ?)
疑問に思いつつも背に腹はかえられないため、ここに残ることにする。
「ねぇ。シロくんってお母さんに逆らえないの?」
「ん、いつもあんな感じ」
「お母さんに逆らって、いつも痛い目みてるからね。お兄ちゃん、全然学習しないんだよ」
「な、なるほどね」
涼宮さんたちが俺のことを見て、引いてるように感じた。
俺が母さんから脅された後、本題に入る。
「今日は急遽だけど、集まってくれて嬉しいわ」
「いえ!私もシロくんの家にお邪魔したかったので、誘っていただき嬉しいです!」
涼宮さんの言葉にミレーユさんとミクさんが頷く。
「そう、それは良かったわ。ただ、私が真白くんのお嫁さん候補に会いたかっただけなんだけどね」
「「「おっ、お嫁さん候補!?」」」
母さんの発言に、涼宮さんたちの顔が赤くなる。
「ちょ、母さん!みんな俺のお嫁さん候補じゃないから!」
「あら、違うの?みんな可愛い女の子なのに。もしかして真白くんのお嫁さん候補には相応しくないのかしら?」
「そういうことじゃねぇよ!涼宮さんたちはお嫁さん候補じゃなくて仕事仲間だから!」
俺は母さんへ必死に伝える。
「そう思ってるのは真白くんだけよ」
「えっ!」
すると衝撃の事実を告げられた。
「ホ、ホントに?」
そのため恐る恐る3人に聞いてみる。
「そ、そうだね。私はシロくんのこと、仕事仲間として見てはいないかな?」
「ウ、ウチもシロ様のことを仕事仲間としては見てないです」
「ア、アタシは分からないが、仕事仲間かと言われると違う気がする」
「マ、マジかよ。俺、3人から仕事仲間ですらないって思われてたのかよ」
どうやら仕事仲間と思っていたの俺だけだったようだ。
(そりゃそうか。まだ芸能界デビューしたばかりの俺を仕事仲間とは思ってくれないよな。俺は皆んなのこと、仕事仲間だと思ってたのに。はぁ)
そう思い、俺はガッカリする。
そのため…
「あ、あれ?私、結構勇気を出して伝えたはずなのに、思ってた反応と違うんだけど」
「ウチもガッカリされるとは思ってなかったのですが」
「あぁ、アタシも」
「みんな甘いです!甘すぎですよ!そんなアプローチでお兄ちゃんが気づいてくれるわけないです!」
「ん、その通り。しかもシロはまだ本気を出してない」
「いや、なんでアンタらは自慢気なんだ?」
そんな会話を聞き逃していた。
俺が1人で現実逃避をしていると、無理やり母さんに現実へと引き戻される。
「さて、そろそろ本題に入るわ」
「やっとか。俺、ここにみんなが集まってる理由を聞いてないからな」
「そういえば真白くんには話してなかったわね。今から真白くんがクリスマスに誰とデートするかを決めるのよ」
「やっぱり俺はクリスマスに家でゴロゴロすることはできないんだな」
「えぇ。真白くんのクリスマスは女の子とデートするか、家でクリスマスツリーになるかの2択しかないわ」
「家でクリスマスツリーになるってなに!?」
「そのままの意味よ」
(詳しく説明しないあたりが怖いんだが)
クリスマスツリーになるのは論外なので、必然的に女の子とのデートを選択することになる。
(俺なんかとクリスマスを一緒に過ごしても良いことなんかないと思うんだけど)
そんなことを思うがクリスマスツリーになる未来だけは避けないといけないため、黙っておく。
「じゃあ、今から真白くんとクリスマスにデートする人を決める勝負をするわ」
母さんが穂乃果たち5人に向けて、そう告げた。




