表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

42/74

けしからんおっぱいの力

 俺は耳元で何かを囁かれる。

 そして頬に柔らかい感触を感じ、目を開ける。

 すると目の前に頬を染めた涼宮さんがいた。


「「うわっ!」」


 2人同時に声を出す。

 そして俺はビックリした拍子に起き上がり、涼宮さんの隣に座る。


「も、もしかして俺、眠ってた!?」

「う、うん。しっかり眠ってたね。だから私が膝枕してたんだけど、どうだったかな?」

「えーっと。正直、感触は分からないけど、グッスリ眠ってたので最高だったのかと思います」

「そ、そうなんだ。それなら良かったよ」


 未だに顔の赤みが治らない涼宮さんが照れながら言う。


「ごめん。眠ってしまって。それと膝枕してくれてありがと。涼宮さんにお礼をするつもりだったのに、またお礼しなきゃいけないことをしてもらったな」

「いいよ!気にしないで!むしろ疲れてるのに私の踊りを見てくれてありがとうだよ!」

「そ、そうか。涼宮さんがそう言うなら」


 とのことで、これ以上謝るのはやめる。


「ところで、さっき俺の顔を見てたけど俺の顔に何かついてるのか?」

「ふえっ!そ、そんなことないよ!?シロくんのほっぺには何もしてないよ!?」


 両手を使って一所懸命に否定する涼宮さん。


「そ、それより。さ、さっき私が耳元で言ったこと、聞こえてた?」

「いや。何か言ってるのは分かったが、何を言われたかは分からなかったぞ。なんて言ったんだ?」


 涼宮さんの問いかけに正直に答える。


「ど、どうしよ。もう一回言った方がいいのかな?っていやいや!無理だよ!もう一回は無理だよ!」


 そんなことを言いながら一人で騒ぎ出す。


「し、しかもだよ!私、シロくんのほっぺに――」


 そこまで言って、再び一瞬で顔を真っ赤にする。


「ん?そういえば俺のほっぺに何かしたのか?なんか柔らかい感触を感じたけど」

「そ、それはね!えーっと。そ、そう!私の初めてをあげたんだよ!」

「なんの!?」

「そ、そこは聞いちゃダメだよ!シロくんのエッチ!」

「なんで!?」


 涼宮さんがテンパりすぎて、何を言ってるか理解できない。

 しかも目を回しており、冷静さを保てていないようだ。

 そのため、どのように落ち着かせようか考えていると、部屋のドアが少し開いていることに気がつく。

 そして、そこから一枚のプラカードが出てきた。


(ん?なんか書いてあるな)


 そう思い目を凝らす。


 するとそこには…


『今しかない!押し倒せ!押し倒すんだ!』


「できるかぁぁぁぁ!!!!」


 変なことが書かれており、盛大にツッコんでしまう。


「うわっ!ど、どうしたの!?」


 俺が隣で叫んだことで涼宮さんが復活する。


「あ、いや、ドアの隙間から変なプラカードが出てきて」


 涼宮さんがドアの方を見ると、いつの間にか文章が変わっていた。


『けしからんおっぱいの出番だ!その力、存分に見せ付けろ!』


 “ブチっ”


(あ、あれ?なんか隣から血管が切れる音が聞こえたような)


「ごめんね、シロくん。ちょっと用事ができたから少しだけ待っててね」

「あ、あぁ。気をつけて」


 俺は素直に涼宮さんを見送る。


「あ、あれ!?なんでウチの方に来てるの!?けしからんおっぱいの力をウチに見せつけても殺意湧くだけだよ!?」

「ねぇ、梨奈?」

「え、えーっと。香織さん?もしかして怒ってる?」

「キレてないですよ」

「なんで唐突に長州○力さん!?」


 どうやら涼宮さんの中で長州○力さんブームが来てるらしい。


「もしかして梨奈。見てた?」

「ウ、ウチは何も見てないよ!香織がシロ様のほっぺに――もごもごっ!」

「なに言おうとしてるの!」


 咄嗟に夏目さんの口を塞いだようで、夏目さんの「もごもごっ!」しか聞こえない。


「しっかり見てるし!」

「い、いや!まさか香織がシロ様のほっぺに――もごもごっ!」

「だからなに言おうとしてるのよ!」


(あの二人は廊下でコントを始めたのか?)


 俺は二人の会話を聞きながら、そんなことを思った。




 あれから夏目さんは涼宮さんに怒られ、今は正座して反省している。


「ごめんね、シロくん。せっかくのデートだったのに」

「あ、いや。デートじゃなくて――」

「だから今度埋め合わせしようね!」

「いや、デートじゃないから埋め合わせしなくても――」

「今度は2人で遊びに行こうね!」

「………はい」


 何故か断れないオーラが放たれており、勢いで頷いてしまう。


(まぁ連絡なんか来ないだろう。それより今は夏目さんがいる理由だ)


「夏目さんはレッスンがあっただろ?なんでここにいるんだ?」

「いやー。レッスンが思った以上に早く終わって。だから白石さんと一緒に2人の迎えに来たんだ。2人とも、歌の練習が早く終わったんだよね?」

「あぁ。もしかして涼宮さんが連絡してくれたのか?」

「うん。シロくんが眠ってたから早めに家に送ろうと思って」

「なるほど」


 夏目さんがここにいる理由を理解する。


「じゃあ帰ろっか。白石さんを待たせてると思うし」

「だな。さっさと帰るか」


 そう答えた俺は、荷物を持って涼宮さんと共に部屋を出る。


「あれ!?ウチを置いてくの!?ねぇってばー!」


 そんな声が後ろから聞こえてきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ