表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

21/71

俳優の勉強

 しばらくしたら母さんがリビングに戻ってきたため、現在の撮影状況を聞く。

 撮影しているドラマは1月から放送開始予定で現在は12月中旬。

 放送開始まで期間は短いが、降板した俳優のシーンは全て俺に変更するらしい。


「今回ドラマとなった私の小説は知ってる?」

「あぁ。主人公の男性がタイムスリップして大正時代の日本に飛ばされるところから話が始まり、現代に戻るためには大正時代を生きる女性1人と恋に落ちなければならない話だったな」

「えぇ、そうよ」


 俺は母さんの小説が大好きで全ての小説を読んできた。

 ドラマ化した小説は何度も読んだ小説なので原作はバッチリ頭の中に入っている。


「大正時代は帽子を被る習慣があるから、真白くんが演じる人は常に帽子を被ってるわ。だからその似合わない前髪……ではないわね。えーっとダサい前髪……かしら?それは帽子の中に入れてもらうわ」

「普通に前髪だけでいいと思うんだけど!?」


 母さんも桜たちと同様、俺の前髪が気に入らないようで、こんな感じで遠回しに切るよう促してくる。


「ちなみに真白くんが演じる男は主人公の事情を知る数少ない友人で、主人公の良き理解者であるイケメン男性よ」

「なるほど、あのキャラか。って俺には難易度高くね?だってメインキャラとまでは言わないけど、割と頻回に出演するよな?」

「えぇ。だから撮り直すシーンは無限にあるわ。ちなみに下手な演技をしたら前髪パッツンにする予定だから頑張ってね」


 そう言って母さんがリビングを出る。


「…………」


(これは全力で取り組まないと!母さんならマジで前髪パッツンにするぞ!パッツンにされたら外出られなくなるし!)


 母さんの小説が原作のドラマを俺が失敗させるわけにはいかないので全力で取り組む予定だったが、どうやら決死の覚悟で臨む必要があるようだ。

 そんなことを思った。




 俺は早速、様々なドラマを観て勉強を始める。


(観ても演じる時のコツとか分からないな。『俳優ってすげー!』としか思わないし)


 そもそも俳優業を学ぶための学校に通ってないのだから、技術を見て盗むなんてのは無理な話だ。


「おい、撮影は明後日だぞ。このままじゃ母さんに前髪切られてしまうわ」


 そんなことを思っていると、とある名案を思いつく。


「そうだ!ここはプロに聞けばいいんだ!」


 俺は急いでミレーユさんにメッセージを送る。


『お疲れ、ミレーユさん。少し相談したいことがあるんだけどいいかな?』


『お疲れ様です!どのような相談事でしょうか!?ちなみに明日は昼から空いてますので、デートは可能です!』


『違うわ。急遽、俺がドラマの俳優に抜擢されたから、アドバイスとかあれば教えてもらいたいと思ったんだ。女優のミレーユさんから』


 俺の考えついた名案とはミレーユさんからコツなどを教えてもらうこと。

 これを知るだけでも明後日の撮影に活かせるのではないかと思い、連絡を取った。


『ついに俳優のお仕事が来たんですね!おめでとうございます!でしたらウチがシロ様に直接ご指導しますよ!明日のお昼は空いてますか?』

『俺は空いてるから問題ない。ミレーユさんが迷惑でないならすごく助かるよ』

『ウチに迷惑はかかりませんので大丈夫です!』


 メッセージでコツを聞くだけの予定だったが、ありがたいことにミレーユさんが直接指導してくれるとのこと。


(こんな俺に貴重な時間を作ってくれるなんて。マジでミレーユさん、優しすぎるだろ)


 もちろんミレーユさんの提案を断ることはせず、お願いする。

 その後、ミレーユさんとやり取りを行い、明日の13時に待ち合わせることとなった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ