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CM撮影 3

 部屋に戻り、台本の確認を行う。


「これ、やっぱりやらないといけないのかぁ」


 俺は台本に目を通してため息をつく。


「私も台本を読ませてもらったけど……いい、お兄ちゃん。絶対、涼宮さんたちに変なことしないでね」

「いつでも警察に通報する準備はできてる。だから捕まりたくないなら怪しい動きはしないこと」

「そんなことしないよ!」


 そう言うが台本には涼宮さんとミレーユさんの頭を撫でるシーンがあるので断言はできない。


「なぁ。2人の頭を撫でただけで訴えられるとかあり得るかな?」

「それはないと思うよ。2人とも台本を見て変更を依頼してないからね。でも涼宮さんの巨乳やミレーユさんの可愛いお尻をガン見したら私たちが訴えるよ」

「ん。任せて」

「だからそんなことしないって!」


 2人から全く信用されてないことに涙を流したくなる。

 そんなことを思いつつセリフの再確認を終えた俺は、皆んなと撮影現場へ向かう。

 そして涼宮さんたちと合流し、監督から最終説明を受ける。


「台本通りに行かなくても問題はない。3人の演技、楽しみにしてるからな」


 そう言って監督が俺たちを送り出す。


「2人とも少しだけ頭を触らせてもらうけど我慢してくれ」

「私は大丈夫だよ!いくらでも触ってね!」

「はいっ!シロ様なら嫌な思いしませんから!」


 2人が笑顔でそう言ってくれる。


(イケメンでもない俺に撫でられるのは嫌だと思うが、撮影のために我慢してくれる。よし、絶対一発で終わらせよう!)


 そう心に決めて撮影に臨む。


「よーいアクションっ!」


 監督の声が響き渡り、撮影が始まった。




〜以下、CM収録〜


 俺は高校生探偵シロ。

 数々の難事件を解決してきた男だが、とある暗号が解けず、頭を悩ませていた。


「くそっ。この暗号が解けねぇ。あと一歩で解けるところまできてるのに」


 そんなことを呟きつつ暗号と格闘していると、制服姿の涼宮さんとミレーユさんが現れた。

 2人とも制服姿がとても似合っており、一瞬だけ2人の姿に見惚れてしまう。


「それはね、シロくん!エネルギー補給をしてないからだよ!」

「そうですよ!シロ先輩!一度休憩しましょう!」

「そうだな。そういえばお腹が空いたな。何か買ってくるか」

「大丈夫だよ、シロくん!私がハムサンドを買ってきたから!だからね、えーっと……は、はい!あーん!」

「ちょっと待ってください!私がシロ先輩にたまごサンドをあげる予定だったんです!だから先輩、そ、その……あ、あーんです!」


 2人は若干顔を赤くしながら、俺の口元にサンドイッチを差し出す。


「っ!」


 その姿に“ドキッ!”と心臓が跳ねる。


(待って。俺、今から2人のサンドイッチを食べるの?)


 上目遣いで差し出す2人の可愛さに加え、皆んなが見ていることもあり、躊躇してしまう。


「シロくん?」

「シロ先輩?」


 そんな俺を見て2人が首を傾げる。


(くそっ、そんな仕草も可愛いなっ!)


 そう思うが、ここで見惚れてしまうわけにもいかないので、意を決して“かぷっ!”とかぶり付く。


(絶対、顔が赤くなってるよ!でも引くに引けないし!)


 演技を中断するわけにはいかないので、顔の赤さを自覚しながら演技を続行する。


「そ、そうか!分かったぞ!これで謎が解けた!」

「ホント!?シロくん!?」

「ホントですか!?シロ先輩!?」

「あぁ、2人がサンドイッチを食べさせてくれたおかげだ。ありがとう」

「よかったぁ」

「はい、ホッとしたら力が抜けちゃいました」


 そう言って2人が地面に座り込む。


 そんな2人に近づき、俺は台本通り頭を撫でようとするが…


(えっ、今から2人の頭を撫でるの!?無理なんだけど!)


 桜や穂乃果の頭なら撫で慣れているが、桜と穂乃果以外の女の子には髪の毛すら触ったことがない。

 しかも上目遣いで俺のことを見つめる仕草も相まって、躊躇ってしまう。

 そんな俺を見て、2人がアドリブを入れてくれる。


「むぅ。何してるの!シロくん!そこは私たちにご褒美をくれるところだよ!」

「そうですよ!シロ先輩!私たちのおかげなら、何かご褒美が欲しいです!」

「えっ!ご、ご褒美!?そ、それって頭を撫でる……とか?」

「うん!それが最高のご褒美だよ!」

「はい!ウチも先輩から頭を撫でられたいです!」


 そう言って涼宮さんは俺の右手首を、ミレーユさんは俺の左手首を掴み、無理やり俺の手を自分の頭に持ってくる。

 頭に手を置いてしまった以上、離すわけにもいかないので、俺は優しく2人の頭を撫でる。


「ふぁ〜。シロくん、上手だよ」

「シロ先輩、とても気持ちいいです」

「あ、あぁ。2人のおかげで解けたからな。これくらいならいつでもするぞ」

「ホ、ホント!?な、なら、もうちょっとだけいいかな?」

「ウチも、もう少しだけ撫でてほしいです」


 2人が顔を赤くしながら、上目遣いでお願いしてくる。


(くっ!かわいい!)


 2人の可愛さに抗えず、俺はしばらく頭を撫で続けた。



〜完結〜




「カットーっ!」


 監督の声で俺たちは我に返った。

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