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CM撮影 2

 スタッフへの挨拶まわりが終了し、共演者である涼宮さんとミレーユさんの元へ4人で向かう。


「あ、おはよー!シロくん!」

「おはようございます!シロ様っ!」


 どうやら一緒に話をしていたようで、タイミングよく2人と出会う。


「今日はよろしくね!」

「ウチ、今日の収録を楽しみにしてました!今日はよろしくお願いします!」

「こちらこそよろしく。迷惑かけるかもしれないがサポートしてくれると助かるよ」

「任せてー!」

「はいっ!」


 俺の言葉に2人が元気よく答える。


「それでその……シロくんの後ろにいる2人は誰なの?」

「さっきから凄く睨まれてるような気がするのですが」


 ミレーユさんの言葉通り、何故か2人の視線が鋭い。


「あぁ、紹介するよ。2人は……」

「待って、シロ。私たちが自分で自己紹介するから」


 そう言って穂乃果と桜が俺と涼宮さんたちの間に入る。


「私は穂乃果。シロの幼馴染。小さい頃から毎日一緒に遊んで、最近はお風呂にも一緒に入った」

「入ってねぇよ!幼稚園までだ!」

「えっ、一緒にお風呂入ったの!?」

「シロ様、本当ですか!?」

「俺が今、否定しただろ!」


 俺の話を全く聞かない2人に質問され、すぐさま否定する。


「そ、そうだよね。いくら幼馴染でも高校生にもなって一緒には入らないよね」

「そ、そうですよね。良かったです」


 俺の言葉を聞き、2人が安堵の表情をする。


「穂乃果よ」

「何?今日の夜、一緒にお風呂入りたいの?仕方ない。幼馴染である私がシロのお願いを叶えてあげる」

「違うわ!いいから黙っとけ!」


 これ以上口を開かせると2人に変な誤解を招きそうなので、穂乃果の紹介をやめて桜を紹介する。


「こほんっ。それでこっちが……」

「お兄ちゃんの妹の桜です。妹と言っても血は繋がってないので結婚できます。なので昨日も一緒のお布団でお兄ちゃんと寝ました」

「してねぇよ!いつも別々の部屋で寝てるだろ!」

「えっ!シロくん、義妹に手を出したの!?」

「シロ様、本当ですか!?」

「だから今、否定しただろ!」


 俺の言葉に聞く耳を持たない2人。


「そ、そうだよね。高校生で一緒のお布団で寝たら何かの間違いが起こるかもしれないし」

「妹とはいえ血は繋がってないなら危険ですからね」


 2人が俺の言葉を聞き、安堵の表情をする。


「桜よ」

「え、今日の夜、一緒に寝たいの?仕方ないなー。義妹の私が抱き枕になってあげるよ」

「いいから黙っとけ!」


 穂乃果同様、桜も口を開かせると誤解を招きそうなので黙らせる。


「2人の言うことは嘘だから」

「じゃ、じゃあ2人と恋人同士でもないの?」

「あぁ。『おしゃべり7』でも言ったが誰とも付き合ったことないぞ」

「私たちがシロの周りを固めてるから」

「お兄ちゃんには私たちが居れば十分だからね!」

「というわけで2人とも、シロとは必要以上に仲良くしなくていいから」

「「むっ」」


 穂乃果の言葉に、涼宮さんとミレーユさんの表情が険しくなる。


「お、おい皆んな落ち着いて……」

「私たちはこれからシロくんと打ち合わせがあるんだ。だからごめんね、2人とも。シロくんを独占させてもらうよ」

「シロ様っ、はやく行きましょ!」


 ミレーユさんが俺の右手を取り、引っ張る。


「待って。それは許可できない」

「うぐっ!」


 しかし穂乃果が俺の左手を取り、俺がミレーユさんに連れて行かないよう妨害する。


「シロはこれから私たちとイチャイチャする予定。残念だけど諦めて」

「お兄ちゃん!今日は何してイチャイチャしようか?」

「そんなこと普段からしてないだろ!」


 そうツッコむが2人が俺の手を離す様子はなく、涼宮さんと桜も睨み合うだけ。


「か、神野さーん」

「あはは……さすがモテ男は違いますね」

「感心してる場合じゃないですよ!」


 俺の声が響き渡るが、神野さんは助け舟を出さない。


 しばらく4人が何かを言い合っていると…


「おぉ、モテモテだねぇ。シロさんは」


 1人の男性が声をかけてきた。


「か、監督!おはようございます!」


 神野さんの言葉を聞き、ようやく穂乃果とミレーユさんが手をはなす。


「あぁ、おはよう。それより、面白いことになってたね。俺もそんな学生生活を送りたかったよ」

「あはは……」


 監督の言葉に苦笑いをするしかない。


「あ、そうだ。皆んな台本は見てくれたか?」

「はい!素晴らしい台本でした!」

「ウチもそう思いました!」

「ははっ。ありがとう。俺が1から作った台本だから褒められると嬉しいよ」


 事前に台本は渡されていたため目を通しているが、初めてのCM撮影なので台本の良し悪しは分からない。

 だが2人が褒めているということは素晴らしい台本なのだろう。


(ってことは俺、2人の頭を撫でないといけないのか。訴えられないといいなぁ)


 渡された台本には俺が2人の頭を撫でるシーンがあるため内容の変更を望んでいたが、2人からクレームが出ないので変更は厳しいようだ。


「もう少しで撮影の準備が整うから。今日はよろしくな」


 そう言って監督が立ち去る。


「とりあえず部屋に戻って準備するか」

「だね」


 俺の言葉に皆んなが頷き、部屋を目指して歩く。

 部屋の方向が一緒だったので涼宮さんとミレーユさんも一緒だ。


「なぁ、桜。穂乃果。なんで2人に突っかかったんだ?」

「もちろん、邪魔されないため」

「そのために今日は付いてきたんだから!」

「……?」

「あ、うん。分かってないならそれでいいよ」

「さすが鈍感」


 桜と穂乃果がジト目で言う。


「まさかシロくんが気づいてないなんて」

「シロ様に恋人がいない理由、少し分かった気がします」


 そんなことを涼宮さんたちが呟いてた。

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