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アルブス  作者: シバザキアツシ
復活編

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22/33

高貴なる者

漁港での蟹パーティの後、一行は獣車に乗り込み、進路を北へと向けていた。


ちなみに、大量にあって食べ切れないので、住民達とも蟹パーティを楽しんだ。

「歯応えの割に、直ぐホロホロ解ける…すげぇ美味い」

「うおぉお!なんじゃこりゃあ!!」

旨さ爆発、感想爆発。

一般的な蟹より濃厚な味であり、後味はさっぱりしている。

地元の人間も皆、サンドクラブの味を再確認した。

元々食用として狩っていたのだが、苦労の割に卸額が少ないと言う事で、疎遠になっていた。

生、焼き、蒸し、揚げ、何の加工をしても、抜群の美味しさだった。

サンドクラブブームが訪れる予感さえした。

その予感は後に、数年に一度現れる大型のサンドクラブが、砂蟹《極》として、高値で取引されるようになる事によって証明された。


挿絵(By みてみん)

二階建ての大型獣車に揺られながら、一行は縦長のこの国の中心、西側に位置する、第三の都市ラップスへと向かっていた。

二頭のヴィーヴルはかなりの速度で走るが、さすが元々王族の乗り物、振動は少なく乗り心地は悪くない。

「シロとクロはラップスまで休みなく走らせても大丈夫なのか?」

ラインハルトが御者をしているユタに、後ろの小窓から話しかける。

「ええ、この種のタイプなら、充分な体力がありますからね」

振り返らず答えるユタの操縦技術は、自身を売り込む程には高いようだった。

両手の綱を小刻みに調整し続けている。

他の皆は二階で寛いでいるが、ラインハルトは早々に飽きてしまい、一階の御者の後ろの窓から、前方の景色を眺めていた。

「それより、いいんですか?」

「何がだよ?」

「ヴィーヴルの名前ですよ、安易すぎやしませんかね?」

体色が黒い方がクロ、白い方がシロ。

「良いんじゃねぇか?分かりやすくて」

実は、ヴィーヴルの名前を付けたのはアルだった。

長いと覚えられないと言う事で、色々案があったのだが、最終的にアルは一号二号と呼ぶと言われては、皆意見を言う口を閉じざるを得なかった。

「あっしはどっちでも良いんですがね、あの気位の高いヴィーヴルが、すんなり受け入れるのも衝撃でしたけどね」

ヴィーヴルは気位が高い竜で有名だ、気に入らない名前をつけられたヴィーヴルが、主人に噛み付いたなんて話はよく聞く。

「それは野生の勘ってやつだな」

「あのアルさんが…ですか?」

通常、小柄な線の細い少年にしか見えないのがアルだ。

「そうだよ、面と向かって武器を向けてみな、ヴィーヴルの気持ちが分かるだろうよ」

相対した事のあるラインハルトは、思い出しても寒気がする。

「…そんな気持ち、分かりたくもありませんので!」

「そうかい…」

それってきり会話は止まり、また長閑な風景を見るだけの旅になった。


「…さん!」

「…うぁ?」

いつの間にか眠ってしまったらしく、頬に手すりの跡をつけたラインハルトが、ゆっくりと顔を上げる。

「ラインハルトさん!着きましたよ」

ユタがラインハルトに、何度目かの呼びかけをした。

だいぶ疲れていたらしく、半日程眠っていた。

「…お、分かった」

一度伸びをしてから、猫のように窓から外へ飛び降りた。

「何で窓からなのよ」

「良いじゃねぇか、細ぇことはよ」

「しかし、大きな町ですね」

「そうねぇ、さすがはサンゲイル、レイラインに次ぐ第三の都市よね」

門の外から町を眺める一行は、パッと見の印象を語った。

「大港?」

町の入口の看板を見ていたアルが、一言そう呟いた。

それを受けジルが説明する。

「そうです、このラップスの町は『大港』と呼ばれていて、この国の食を守る大事な土地なんです」

「たしか、海のラップス、山のドゥーマと言われてるのよね」

「ドゥーマって島じゃねぇかよ」

リイアの言に反論するラインハルト。

テズヴァイス公国の地図を、頭の中に再現してラインハルトが言う。

確か北東の島だ。

「第三崩壊前は、本島の一部だったんですよ」

ジルの説明に「へぇ~」と、さして興味もなさ気なラインハルト。

「聞いといてそれはないでしょ?」

どこ吹く風で、話しを聞かぬラインハルトは、一人で町へと入って行った。

「僕たちも行こう」

アルの一言を切っ掛けに、一行は町の中へと向かった。

「…そうね」



町の北東部から中へ入った。

北部、南部とアル達が入った北東部、計3か所に入口がある。

北側に傭兵ギルドがあり、南側に冒険者ギルドがある。

この町には傭兵団がない。


町の南側に住む貴族。

その貴族街は冒険者ギルドの近くであり、冒険者は護衛も兼ねているらしい。

「冒険者って、正式な依頼がないと、動けねぇんじゃなかったのか?」

「常に護衛依頼が出続けているらしいわよ」

「…馬鹿なんか?」

「そうよねぇ」

一体どれ程の金額が動いているのか、想像もつかなかった。


「なんだ?」

走ってこちらに向かって来る人々。

アル達の脇を通り抜け、入口へと向かっていた。

「反対側だから、出口なんか?」

「どうでもいい事考えてないの、それより…」

ラインハルトの台詞にツッコみを入れたリイアは、人々が逃げてきた方向を見る。

中央の公園の先、西側から逃げてきているようだ。

「行ってみよう」とアル。

「え?逃げてるって事は、危ないんじゃないの?」

「怪我人がいるかも、司祭なのに行かないの?」

「ぐっ!」

リイアは痛い所をついて来るアルに、反論が出来ない。

「わかったわよ!」

「まぁまぁ、皆で行けば危険はさほどないでしょう」

ジルがまとめる。

「はいはい」

「ユタさんは、そこのホテルで部屋をとって下さい」

手際良くユタに指示を出すジル。

「あっしですか?分かりました、任せてください」

小走りで去っていくユタ。

「これで、全員戦える人員だから問題ねぇな!」

ラインハルトの太鼓判に、大きくため息を吐くリイアだった。


正直、何かしらの問題があれば、それを解決してお金を稼ぎたい所だった。

ヘカトンケイル討伐やカムトを救った事の報奨金がまだ出ていない、桁が大きいので時間が掛かってしまうそうだ。

現在、この一行の持ち金は、思ったより少ない。

正直、全員で一泊二日泊まるのが限度と言ったところだ。

人集りのある場所を見つけ、現場に直行するより、情報を集めるのが先だと判断し、そちらへと向かった。


北側入口正面にある傭兵ギルド前に、傭兵達が集められていた。

「海の上なんて無理だろう」

何かを説明し終えたであろう人物に、意見が集められている。

「岸まで来てからじゃないと」

「矢で当てるのは困難だぞ?」

そんな声が聞こえてきた。


「岸まで来る事はないかも知れん」

沈痛な表情で説明役が目を伏せる。

待っていては、漁が出来ない。

漁が出来なければ、生活もままならない。

このラップスの大港は、テズヴァイス公国の命であり、誇りでもあった。

何が何でも、守らなくてはならない、しかも迅速に。


「あれは…」

アルはふと、船着場の方へと目をやった。

港の海面を見ると何やら浮いているようだった。

「クラゲか?」

「きもっ!デカすぎない?」

「アレ食べれるかな?」

「「「やめておきなさい!!」」」

アルの食べてみる発言に、三人の意見が一致した。


先程の輪になって話し合っていた人々に理由を聞く。

「あぁ、たまに湧くんだがよ、こんな数は始めてだわ」

「どうやって排除すっか考えてたんだ」

「だが…どうにもいい案が浮かばん」

するとアルが前へ出る。

「僕がやりますよ」

「出来んのかい?あんちゃん?」

「あれくらいならね」

「言うじゃないか、俺らでは埒が明かん、頼んでいいか?」

「まかせて」

無表情でサムズアップをするアルだった。


緊急依頼。

魔獣、クラウンゼリーの大量発生。

これを殲滅せよ。


クラウンゼリーとは、クラゲの魔獣だった。

大きさはおよそ、直径1m程。

危ない魔獣ではないのだが、触手に触れるとかぶれたり、傷んだりする。

弱毒の魔獣。

害はあまりないのだが、今回は特別。

大量に発生してしまったのだ。

その数、およそ10000。

これのせいで、漁ができないのだ。

網を投げても、魚ではなくクラゲが掛かる。

漁が出来なければ、漁師の生活はままならない。

当然、魚類の供給は停止する事になる。

それだけは避けたい事だった。

気が付いたのが今朝、と言う事は昨日は居なかったのであれば、夜間一気に増殖した事になる。

物凄い分裂力といっていい。

そのさして脅威ではない魔獣なのに、何故人々は逃げていたのか。

それは「アレを餌にする魔獣がヤバい奴なんだよ、それが現れるかも知れないと思った奴らは逃げ出したのさ」と漁師は語った。


漁師の話によると、クラウンゼリーは珍味であるらしかった。

「食べれるんだアレ…」

「ちょい、加工が大変だが美味いぞ」

「へぇ、ちっと楽しみだな」

「私は遠慮するわよ」

「なんでだよ」

そんな事を話していると、傭兵ギルドで依頼を受けてきたジルが戻って来た。

「これで正式な依頼なので、依頼料が貰えます」

「よし、やりますか」と、アルはやる気満々だ。


「どうやって倒すんだ?」

アルは超特大の網を漁師から借りてきた。

底引き網という、船に着けて使うもの、間違っても人一人で扱うものではない。

それを高く掲げ、ラインハルトに見せる。

「ん?」

「ちょっと、ひとっ走り行ってくる」

「は?」

「よいしょ」

瞬時にリイアの目の前から消えるアル。

その姿は海上にあった。

「え?海の上を…」

「走ってる…」

網を広げ海面へ投げる、次々とクラウンゼリーを捕獲していくアル。

「へ?」

見ていた漁師達がざわつき出した、当然だろう、最早人間業ではない。

「…なんなのあの子」


クラウンゼリーで満杯になった網を、岸に投げ捨て、海上で跳躍するアル。

しっかりと、全部狩り切ったみたいだった。

「今度は海面蹴って跳んだよ…」

「規格外じゃ済まない動きですね…」

最早、物理法則への冒涜である。


「まだ、デカいのが一匹いる」

頭から海へ突っ込んで、海底ごと殴りつけるアル。

吹っ飛ぶクラウンゼリーの親玉は、海底に叩き付ける衝撃波で吹き飛び、陸にびしゃりと落ちた。

町には海水の雨が降り注いだ、呆然とする漁師やその他の人々。

その雨と一緒に陸へと帰還したアル。


「何で濡れてないのよあんたは…」

「水が染み込むより速く動けばいんだよ?」

「この、とんでも野郎め!」

ラインハルトの叫びが漁港に響き渡った。


クラウンゼリーを無事退治して、振り返ると漁師達に絡んでいる集団がいた。

「ねぇ、アレって」

「アレだな…」

「アレですね」


高そうな服を着た集団、貴族の一団だった。

「おいおい!もう終わったって、どういう了見なんだよ!」

「そんな事言われても…」

「どう落とし前つけてくれんだよ!ああ!?」

完全に輩、輩の鑑である。

「そもそも、あんたらに頼んだ訳じゃないんだしよ」

「せっかく私兵まで連れて来てやったのに、何なんだよ!」

後ろに控える私兵は表情が死んでいた。

いつもの事なのだろうと推察できる、ご苦労な事だ。

「せっかくって、呼んでないのに、何言ってんの?馬鹿なの?」

いつの間にか言い争いの輪の中にアルがいた。

アルが行く、ぐんぐん行く。

「ぉ、お前!お前!」

「お前じゃなくて、アルですが」

再びのルク家、理不尽大魔王降臨。

「このデジャヴ感…」

怒れるルク家は、アル達のことを覚えているらしかった。

「もう良い!お前らやってしまえ!」

「やってしまえて…」

何かを言いかけた漁師達だったが、ジルに手で制された。

後ろに控えていた数十人が、その命令を聞き、一斉にアル達に殺到した。

飽き飽きしていても、貴族の命令には逆らえない。

これはしょうがない事なんだと、自分に言い聞かせて抜剣する。

誰も戦いたくなんかなかった。

「アルはそこで見ていて下さい、自分達だけで問題ないんで」

「わかった」

「気をつけてね」

ジルとラインハルトが前に出る。


加速(アクセル)

ラインハルトが地を蹴り走り出す。

ジルも超大剣を抜き、腰を落としドンと構える。

「どうぞ、いつでも」

ジルの切れ長の緑眼が、貴族達を射抜く。

「う、この野郎!」

一瞬気圧されかけたが、何とか耐えた。

貴族軍団が一斉に走り出した。

静と動、駆け抜けるラインハルト、構えるジル。

ラインハルトが駆け回り無差別に攻撃を続け、討ち漏らした者をジルが処理した。

完璧な連携だった。

ものの数分で貴族軍団は蹴散らされた。

「てめぇら、ちったぁ気張れや!!こら!」

残ったのは一人だけ、残りは全員地に伏している。

死んではいない、ちゃんと手加減はしてある。

更に怒るルク家の最後の一人。


この騒ぎの中に涼しい顔で入ってくる男がいた。

「嘘だろ?」

漁師やギャラリーが騒ぎ出した。

「三大貴族のトップの公爵様…」

「マルクナス様?」

「おいおい、シン=マルクナスが何でここに?」

そのシンと呼ばれた公爵が歩く先、人々は無意識に道を開ける。


アルは一目見て分かった、この男が本物の貴族なのだと。

短髪黒髪で太眉、目はやや垂れ目、ずんぐりむっくりの体型だが、漆黒の質の良い、重たげなマントを羽織っている姿は様になっている。

背中には使い道の分からない、筒のような物を背負っている。

見た目はただの冴えないおじさんだが、纏う器質、オーラとでも言うのだろうか、覇気がある。

「お前らに貴族の矜持はないのか?」

ルク家の最後の一人の前に来た早々、問い掛けるシン。

「………」

「彼らはこの町を救った、この事実は変わらん、ただ、お前らが出遅れただけに過ぎん、八つ当たりも甚だしいわ!」

実質公国のトップのシンには、逆らえないルク家は反論が出来ない。

倒れ伏していた者達が、目を覚まし立ち上がりだした。

マルクナス家は公爵、ルク家は男爵。

その差は隔絶している。


そもそも反論出来ないような行為をしていたのだ、ルク家は奥歯を噛み、耐えるしか手はなかった。

「この場は去れ、これは温情だ、わかるな?」

鋭い視線を飛ばすシン、去らなければ潰すと言う強い意志を感じる。

「はい…」

取り囲んでいた貴族達は、おずおずと帰途へ着いた。

「覚えてろよって言わないんだ…」

ちょっとがっかりしているアル。

アル達の目の前まで来たシン=マルクナスは、不意に頭を下げる。

「ちょ…!」

「頭を上げてください!」

叫ぶリイア、周りの漁師達も慌てだす。

「そうだぜ、こんな何処の馬の骨だか分かんねぇ奴に、貴族なんだろ?堂々としてて欲しいとこだな」

ラインハルトの言葉を聞き終えた後、ゆっくり頭を上げるシン。

「いや、当然の礼だろう」

「まさか貴族に頭を下げられる日が来るなんてな…」

「改めて礼を言う、この町を救ってくれてありがとう」

「あ…ありがとうございます」

リイアは絞り出したのは、ありがとう返しだ。

「ここじゃなんだ、場所を変えようか」

気にもとめないシン。


シンに連れてこられたのは、商業施設の最上階のフードコート。

「へ?」

「ここのバーガーが美味いんだ」

シンはそう言うと子供のように、はにかんだ。


「僕、窓際がいい」

いつも主張しないアルが、手を挙げて言う。

20階建てのビルなんて、ターマスにはなかったから、興味津々らしい。

「俺はどこでも構わんよ」

微笑むシンは、“私”を“俺”に変えることで、公私を分けているようだった。


「貴族って、もっと高いもんばっか食べる生き物だと思ってたわ」

素直過ぎる意見のラインハルトに、怒らせないかと、ひやひやなリイアとジル。

「まぁ、そういう輩も多数いるがね」

バーガーを噛りながら答えるシン。

そのラインハルトの不敬にも、変わらず対応するシンは、やはり貴族とは思えない程、穏やかであった。


「自分の事を、高貴なる者と思っている奴らは、正直気に入らねぇ、けどあんたは違う」

吼えるラインハルト。

「虚勢張ってないと生きられない奴らなんだよ、生きる術ってやつだな」とシン。


「シンおじさん、その背負ってるのって何?」

「お…おじ?」

「おい!アル、謝れ!今直ぐ謝れ!!」

「そうよ!とんでもない!」

「まあまぁ、構わん構わん、子供の発言にいちいちカッとなるようでは、当主は務まらん」

「温情に感謝します」

ジルは素早く頭を下げた。

手でもう良いというリアクションをするシン。

「これのことだろ?」

シンは背負っていた筒を、前に回しテーブルに置いた。

「触ってもいい?」

「どうぞ」

触ってみると、金属で出来ている事しか分からなかった。

「それは武器なんだよ、魔新銃(マシンガン)って言ってな、内蔵された弾を打ち出して、敵を撃つもんだ」

興味津々にいじくり回しているアル。

「大丈夫なんですか?暴発とか?」

「問題ない、それは俺にしか、使えんからな」

「珍しい武器もあるんだな」

「それはそうと、ここに呼んだのは、お礼ともう一つしなきゃいけないことがあっての事だ」

「何でしょう?」

「依頼達成、おめでとう、これが報奨金だ」

ドカッと机の上に、重たそうな、金属製の鞄が置かれた。

「まさか…これごと?」

「あぁ、そうだ」

「すげぇ量だな…」

「スピード報酬も追加してあるからな、一万Rei入っている」

「そんなスピード手当みたいのがあったなんて、知らなかった…」

ラインハルトは驚き開いた口が塞がらない。

「それともう一つ」

「まだなんかあるんですか?」 

「こっちのが本命だな」

シンは懐から一枚の紙を取り出し、テーブルに滑らせた。

四人はそれを見て固まる。

「へ?」

「傭兵ランク、C級昇格おめでとう!」

展開が早すぎる。


C級に格上げのアル達。

「あっという間に追いつかれちまったな…」

ラインハルトが持つ、傭兵ランクCに全員が追い付いた形だ。

「これで、白の君主に一歩近づきましたね」

そうだった、アルの目的は白の君主に会う事。

傭兵ランクSになれば、授与式が行われ、白の君主直々に勲章の授与がなされる。

アルは頷いて親指を上げた。



「感謝して当たり前なのだが、それが出来ないやつが大勢いる、そんな世は間違ってると思わないか?」

唐突にシンは、アル達に意見を求めてきた。

シンの黒瞳に何かが隠されているのだが、この時は誰一人分からなかった。


その時、町の中央にある公園方面から爆発音が響いた。

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