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セシルの決心

「ここまでざっくりとした話を聞いてセシル

 君は、自分がこれからどうしていくか

 決心がついたかい? 」


「師匠…… はい 決心いたしました

 ただ……まだ未熟な所もありますし不安定なのです

 どうかご教示いただけませんでしょうか 」


「もちろんだよ、私は君達の師匠だからね」


「そのことなんだけどセシル……

 君が魔力を封印している事、幼い頃からシャロンに指導してもらっていた事みんな知っていたんだ」


「お兄様…… ずっと知っていたんですか」


「双子なんだから当たり前だろう

 お前の中の力は、ずっと感じていたさ」


「お前が双子であることを理由にまわりからの中傷を気にしてずっと自分の存在を消そうとしていた事

 魔力を持っていた事を私達にさえ気づかせない様にしていた事全部知っていた」

 ゴールドウィン伯爵が申し訳なさそうにセシルの手を握りしめながらセシルに話しかけた


「では、もしかして初めて師匠に森で会った時に声をかけてくださったのは偶然ではなくて……」


「そう、君達の父上に頼まれていたんだ

 セシル、君だけじゃないルーカスもだから安心して」


「え?師匠そうだったんだ!

 俺は、ずっと師匠との出会いを神様が与えてくれた出会いだと思っていたのに……」


「神様は君達の父上だったという事だ 」

 シャロンが笑いながら言うとルーカスは、拗ねた顔してむくれていた


「でも、それならどうして邸で住まずに森の奥深くに住まわれていたのですか? 」


「うーん、それは私が大魔法使いだからだよ

 私の力を欲しがってまわりがうるさいからね

 兄上の領地の森の奥深くで静かにくらしていたのさ 」


「兄上って……じゃあ師匠は、お父様の弟で私達のおじ様ということですか? 」


「そういう事 兄上は私をずっと隠し守ってくれていたのさ 」

 思いがけない話の連打でセシルもルーカスも目眩がしそうになった


「では、シャロンおじ様 私がユリウス様を守るためにご協力お願いいたします 」


「ああ、勿論そのつもりでいたさ

 まかせろ 」

 シャロンは、そう言いながらウインクをした


「そうだな、とりあえずザンダー領の様子をルーカスと見に行って守りを強化してくる

 ああ、その前にセシル 君の魔力を解放しないとな」


「私の魔力くらいでユリウス様をお守りできるのでしょうか」


「不安に思うことは無い

 十分さ それに君はやればできる子なんだから

 私の教えた事をちゃんと覚えていたらの話だけどね」


「だ……大丈夫です」


「ふふふ、了解」

 そういうとシャロンはセシルの足元に大きな魔法陣を浮かび上がらせた

 シャロンが術式を唱えると魔法陣から光が放たれセシルを包み込んだ


 リックは、今まで見たこともない光景に口を空けたまま立ちすくんでいた


「私は、こんな大切な秘密を知ってしまってよかったのでしょうか」

 リックがそうつぶやくと


「リック 君だから…… ユリウスが信頼している君だからこの場に呼んだのだ」とゴールドウィン伯爵がリックの肩を叩きながらリックに声をかけた


「さあ、セシル 少し魔力酔いをするかもしれないが

 君なら大丈夫だろ

 ルーカス 私達はすぐにザンダー領に向かおう 」


「はい、師匠」


「セシル すぐに戻るからそれまで頑張ってみろ」


「分かりました ユリウス様のお側で頑張ってみます」


「どうしても困った時はすぐにもどるから私の名前を呼びなさい」

 そう言ってシャロンは、ルーカスと共に姿を消した


 セシルは、ユリウスと一緒の部屋で自分の中に戻ってきた魔力の調整を しながら懸命にユリウスの看病をしていた

 シャロンに通信で指導を受けながらシャロンがユリウスに施した魔法陣に少しずつ魔力を流しながら彼の体を回復につとめた


 シャロンとルーカスは、ルーカスがかけた魔法陣をより強化にしながら イワン達にも連絡をし水面下で動いていたのである


 ユリウスはといえば体の傷は、回復しつつあるのだが一向に眠りから覚める気配が全くなくセシルにも焦りが見えてきたころ……そうあの日から29日目に変化が表れた



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