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父からの連絡

 リンに手紙を何度出しても返事がない

 思い切ってジュリアス王子本人にも手紙を書いてみたがやはり返事がない

「二人ともアカデミー時代からの友人なのに・・・・ 

 せめてユリウス様の様子だけでもわかれば・・・」


「この件についての当事者だからこそセシルお前に返事が出せないのかもしれないぞ 」


「お兄様それはどういう意味ですか・・・・」

 ふたりが執務室でそんな話をしている所に執務室の通信機のベルが鳴った

 通信機をつなげるとその相手はセシルとルーカスの父親シリアス・ゴールドウィン伯爵からの連絡だった

「お父様、ご無沙汰しており申し訳ございません 」

「いいんだよセシルもいそがしかっただろう

 ところで そこにルーカスもいるんだろう」


「ええお兄様もここにいらっしゃいますがなにか? 」


「いますぐふたりでここに来てくれ 」


「今すぐとおっしゃられても4日は・・・」

 とセシルが話している間にルーカスの転移魔法でルーカスとセシルはゴールドウィン伯爵家の執務室へと一瞬で移動した


「お兄様転移魔法も使えるようになったのですね 」


「まあね 健康な大人二人ぐらいなら転移することができるよ 」


「久しぶりだね 会いたかったよ二人とも 」

 そういってゴールドウィン伯爵は二人を抱きしめた


「お父様 お元気でしたか? 」

 そう言いながらセシルがゴールドウィン伯爵を抱きしめ返すとその背中の向こう側で男性が4人立っていた


「セシル様 」

 ユリウスとともlにアレキサンドライト帝国へといったユリウスの側近であるリックとトム・リューシア・ザラムの3人の騎士だった


「あなたちそうしてここに? ユリウス様は? ユリウス様はご一緒ではないのですか? 」


 セシルは思わずリックの腕をつかみその場にいないユリウスの所在を確認したのだがゴールドウィン伯爵がリックの腕をつかむセシルの手を優しく外しこう答えた


「セシル 彼は今この邸にいるよ 安心しなさい 今から彼の所に案内するから 

 ルーカス リック君たちは一緒に来てくれ 

 他の3人はまた後程食事の時にでも一緒に話そう 

 それまでは客室で休むといいよ 君たちもまだ傷が癒えてないのだから・・・・ 」

「みんな けがをしているの? ごめんなさい私ったら気がつかなくて 」

 セシルが申し訳なさそうな顔をしていると


「いえセシル様私達は大したことはありません 

 それより早くユリウス様の所に行ってください 」


「ありがとう そういいながら 逸る気持ちを抑えながらセシルは父の後ろについていった

「セシル・・・ 手が震えている・・・ 」

 そういってルーカスがセシルの手を歩きながら握りしめた


「ありがとう・・・・ 」

 自分が生まれ育った住み慣れた家なのになぜか他所の家に招かれたような感覚を感じながらセシルは廊下を歩いていた


「この部屋は・・・ 私の部屋 」


「ああ、ここが一番この邸で日当たりもよく居心地の良い部屋だからね 」

 微笑みながらゴールドウィン伯爵が扉を開けるとそこには

 セシルの使っていたベッドに眠るユリウスとそのそばには ゴールドウィン領の森にすむ魔法使いシャロンが立っていた


「やあ、セシル ルーカス久しぶりだな 」


「師匠! 」セシルとルーカスは口をそろえて声をだして驚いた

 森の奥深くに住み滅多に森を出ることのない彼の姿がそこにあったからだ


 セシルはつい自分が声にだしてしまったことにすぐに後悔した

 なぜかというと彼女がずっと森に行きシャロンにいろんなことを教示してもらっていたことを誰にも言わず秘密にしていたからである


 え?ルーカスも師匠って言ってたわよね・・・どういうこと・・


「セシル 君が今混乱していることについては後からゆっくり話してあげるよ 」

 シャロンが優しくセシルの心の内がわかるようにささやいた


「はい、それよりユリウス様は今眠っていらっしゃるんですか? 」


「ああ、眠っている 結構高いところから落ちたらしくてね

 結構な重症だ 今は私の魔法陣で彼の組織細胞を安定させるよう抑えている状態だから眠っているがしばらくは雨後せられない状態かな 」

 とすごく軽くシャロンが話するが内容的に極めて良くない状態であることのように感じられた


「ユリウス様は一体どうしてこんなことになってしまわれたんですか? 」


「それは私からご説明させていただきます 」

 リックが少し息をのみゆっくりと話し出した









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