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第3章:オカルト研究会の活動

オカルト研究会での活動は、晴明にとって新しい刺激と学びの場となった。翔太はオカルトに対する情熱と知識を持っており、そのエネルギーはメンバーたちに影響を与えていた。晴明はそんな翔太との友情を深めながら、現代のオカルト事情についても理解を深めていった。


ある日、研究会のミーティングで翔太が興奮気味に新しい案件を持ち込んできた。「みんな、次の調査案件だ。近くの古い神社で、夜な夜な奇妙な光が現れるって話があるんだ。地元の人たちは怖がって近づかないらしい。これは絶対に調べる価値があると思うんだ。」


メンバーたちはざわめきながらその話を聞いていた。美咲も興味津々で、「それ、本当に霊的なものかもしれないね。一成さん、どう思う?」と晴明に尋ねた。晴明は冷静に頷き、「確かに興味深い案件ですね。実際に現地を見てみないことには何とも言えませんが、調査する価値はあるでしょう。」と答えた。


その夜、晴明、美咲、翔太の三人は神社へと向かった。古びた神社は木々に囲まれ、日が沈むとともに不気味な雰囲気を醸し出していた。翔太は懐中電灯を手に持ち、先頭を歩いていた。「ここだよ、この辺りで奇妙な光が見えるって話だ。」


晴明は神社の敷地に足を踏み入れると、霊的な気配を感じ取った。「確かに何かがいるようですね。皆、注意を怠らずに進みましょう。」彼は呪符を手に持ち、霊力を集中させながら周囲を警戒した。


しばらく進むと、木々の間から微かな光が見え始めた。その光は青白く、揺らめくように動いていた。翔太が興奮気味に囁いた。「見たか?これが噂の光だ!」美咲は少し不安そうに「本当に霊なのかな…」と呟いた。


晴明はその光に近づきながら、呪文を唱え始めた。「光の中にいる者よ、姿を現し、我々にその意図を示せ。」その瞬間、光が一層明るくなり、やがて人の形をした霊が姿を現した。それは若い女性の霊で、悲しげな表情を浮かべていた。


「何かを訴えたいのだろうか。」晴明は静かにその霊に話しかけた。「あなたの苦しみを聞かせてください。私たちはあなたを助けたいと思っています。」霊は一瞬ためらったが、やがて静かに語り始めた。


彼女はかつてこの神社で祀られていた巫女であり、ある日突然命を落としたという。その無念と悲しみが彼女をこの世に縛り付けていたのだ。晴明はその話を聞きながら、彼女の魂を安らかにするための儀式を行った。美咲と翔太もその様子を見守り、協力した。


儀式が終わると、霊は微笑みを浮かべながら消えていった。神社の敷地に再び静けさが戻り、冷たい風が心地よく感じられた。翔太は感動しながら「本当にすごい、一成さん。君の力には驚かされるよ。」と晴明を称賛した。美咲も同じく、「本当にありがとう、一成さん。あなたのおかげで、また一つ問題が解決したわ。」と感謝の意を示した。


その後、研究会のメンバーたちはさらに結束を深め、様々な霊的な問題に立ち向かうようになった。晴明は現代の仲間たちとともに、次々と訪れる試練を乗り越えていった。


そんなある日、新たな転校生が大学に現れた。彼女の名前は黒川 玲奈。彼女は長い黒髪と冷たい瞳を持ち、どこかミステリアスな雰囲気を漂わせていた。玲奈はすぐにオカルト研究会に興味を持ち、参加を希望した。


「こんにちは、私は黒川 玲奈です。オカルトや霊的な現象に興味があって、ぜひこの研究会に参加したいと思っています。」玲奈の自己紹介に、メンバーたちは興味津々だった。翔太は快く彼女を迎え入れ、「ようこそ、玲奈さん。ここでは色々な霊的な事象について調査しているんだ。君の力も貸してほしい。」と話した。


晴明は玲奈の瞳に一瞬、何か違和感を覚えたが、それを表には出さずに彼女を受け入れた。「よろしくお願いします、玲奈さん。お互いに協力して活動していきましょう。」


玲奈は静かに微笑み、「こちらこそ、よろしくお願いします。一成さん。」と返した。その後、彼女は研究会の活動に積極的に参加し始めたが、どこかしら秘密を隠しているように見えた。


晴明は玲奈の真意を探りながらも、彼女が持つ霊的な力を感じ取っていた。彼女の力は並外れており、それが何故なのかを解明することが、今後の課題となっていった。


玲奈の加入により、オカルト研究会の活動は一層充実し、晴明たちはさらに多くの霊的な事件に立ち向かうこととなった。しかし、玲奈の謎を解き明かす過程で、彼らは予想もしなかった大きな真実に直面することになる。


玲奈がオカルト研究会に加入してからというもの、彼女のミステリアスな魅力と高い霊能力がメンバーたちを引きつけていた。彼女の参加によって、研究会の活動はますます活発になり、新しい霊的な案件も次々と持ち込まれるようになった。玲奈の知識は豊富であり、その落ち着いた態度はメンバーたちに安心感を与えていた。


しかし、晴明は玲奈の背後に何か大きな謎が隠されていることを感じ取っていた。彼女の言動には時折、一貫性のない部分があり、その目には深い悲しみと決意が宿っているように見えた。晴明は慎重に彼女を観察しながら、彼女の真意を探ろうと決意した。


ある日、研究会のメンバーたちは新しい案件に取り組むことになった。それは大学の近くにある廃墟と化した洋館での怪奇現象の調査だった。地元ではその洋館に住んでいた一家が謎の失踪を遂げたとされ、その後も奇妙な音や光が目撃されていた。


翔太は興奮気味にその話を切り出した。「みんな、この洋館の調査はかなり面白いと思うんだ。これまでにも何度か心霊現象が報告されているし、僕たちで解明できたら大ニュースになるぞ!」


メンバーたちはその提案に賛成し、調査の準備を進めた。晴明、美咲、翔太、玲奈の四人は洋館へと向かい、夕方に現地に到着した。洋館は鬱蒼とした木々に囲まれ、荒れ果てた外観が一層不気味さを醸し出していた。


晴明は呪符を準備しながら、慎重に洋館の中へと足を踏み入れた。美咲と翔太もその後に続き、玲奈は最後に入った。中に入ると、古びた家具や埃を被った書物が無造作に散らばっており、長い間誰も手入れをしていないことが分かった。


「ここ、本当に何かがいる感じがする…」美咲は不安そうに呟いた。晴明は彼女を安心させるために微笑み、「大丈夫、何が起こっても私が守りますから。」と優しく言った。


四人は手分けして洋館の各部屋を調査することにした。晴明と美咲は1階を、翔太と玲奈は2階を調べることにした。晴明と美咲は廊下を進みながら、各部屋を一つ一つ確認していった。突然、美咲が一つの部屋の前で立ち止まった。


「一成さん、この部屋から何か感じる…」美咲は戸口の前で目を閉じ、霊感を研ぎ澄ませた。晴明も同じように霊力を集中させ、その部屋に何かが潜んでいることを感じ取った。


「慎重に行きましょう。」晴明はそう言って扉を開けた。中に入ると、そこには古いピアノが置かれており、その周りには子供の遊び道具が散乱していた。突然、ピアノの鍵盤が一人でに動き、不気味な旋律を奏で始めた。


美咲は驚きの声を上げたが、晴明は冷静に呪符を取り出し、呪文を唱え始めた。「ここにいる霊よ、その姿を現し、我々にその意図を示せ。」呪符から放たれた光が部屋を照らし、その光の中から小さな子供の霊が現れた。


「助けて…」その子供の霊は悲しげに呟いた。晴明はその霊に静かに語りかけた。「安心してください。私たちはあなたを助けるためにここに来ました。何があったのか話してくれますか?」


子供の霊は怯えた様子で語り始めた。彼はこの洋館に住んでいた家族の一員で、ある日突然現れた闇の力によって家族全員が消えてしまったという。彼はその時の恐怖と悲しみから、この世に留まり続けていたのだ。


晴明はその話を聞きながら、彼の魂を安らかにするための儀式を行った。「あなたの家族はもう安全です。どうか安らかに眠りについてください。」子供の霊は晴明の言葉に応じ、やがて微笑みながら消えていった。


その瞬間、2階から翔太の叫び声が聞こえた。「助けて!玲奈さんが!」晴明と美咲は急いで2階へ駆け上がり、翔太と玲奈の元へ向かった。彼らが到着すると、玲奈が一人の大人の霊と対峙しているのを目撃した。


玲奈は冷静にその霊と向き合い、何かを話しかけていた。霊は次第に穏やかな表情を見せ、玲奈の言葉に耳を傾けていた。晴明はその様子を見守りながら、玲奈の持つ力に感心していた。


玲奈は最後に呪文を唱え、その霊を成仏させた。「これで大丈夫です。もうあなたたちを苦しめることはありません。」霊は微笑みながら消えていった。


翔太は安堵の表情を浮かべながら、「玲奈さん、すごい力だね。君がいてくれて本当に良かった。」と感謝の言葉を述べた。玲奈は静かに微笑み、「ありがとうございます。でも、これはまだ始まりに過ぎません。」と答えた。


晴明は玲奈の言葉に不思議な予感を感じつつも、その場は彼女を信頼することにした。彼らは洋館の調査を終え、再びキャンパスへと戻った。玲奈の謎は深まる一方だったが、彼らは彼女と共にこれからも数々の試練に立ち向かうことになる。


これからも続くオカルト研究会の活動は、彼らにとって新たな発見と試練の連続となるだろう。玲奈の真の目的が明らかになる日は近いかもしれないが、晴明たちはその日まで力を合わせて進んでいくことを決意していた。


翌日、オカルト研究会のメンバーは前夜の調査結果を整理するために集まった。翔太は昨夜の出来事に興奮しており、詳細な報告書を作成するためにメンバーたちから話を聞き取っていた。


「玲奈さん、本当に君のおかげで助かったよ。あの大人の霊を成仏させるなんて、本当にすごい力だね。」翔太は感謝の意を込めて玲奈に話しかけた。玲奈は静かに微笑み、「お役に立てて良かったです。でも、まだ解決しなければならない問題はたくさんあります。」と答えた。


晴明も玲奈の能力に感心していたが、彼女の背後に潜む何かを感じ取っていた。玲奈がオカルト研究会に参加して以来、彼女の持つ霊的な力は確かに強力であり、時折見せるその冷静さと知識は彼の興味を引いていた。


美咲は玲奈に対しても友好的で、彼女と一緒に過ごす時間を楽しんでいた。「玲奈さん、一成さんと一緒にもっといろいろな霊的な問題を解決していきましょうね。」玲奈は頷き、「もちろんです、美咲さん。私も皆さんと協力していきたいと思っています。」と答えた。


その日の夕方、玲奈は晴明に声をかけた。「一成さん、少しお話ししたいことがあります。少し時間をいただけますか?」晴明は頷き、彼女と共に静かな場所へ移動した。


玲奈は真剣な表情で話し始めた。「一成さん、私のことについて少しお話ししておかなければならないことがあります。実は、私はただの大学生ではありません。私には特別な使命があり、それを果たすためにここに来ました。」


晴明はその言葉に興味を引かれ、「使命とは何ですか?どうしてそれを私に話そうと思ったのですか?」と尋ねた。


玲奈は静かにため息をつき、「私は、妖怪の血を引いています。私の家系は代々、強力な霊的な力を持つ妖怪と人間の間に生まれた者たちです。そのため、私には特別な力が備わっています。しかし、それは同時に多くの敵を引き寄せる原因にもなっています。」


晴明は驚きを隠しながらも、冷静に彼女の話を聞いていた。「それでは、あなたがここに来たのは何か特別な目的があったからですか?」


玲奈は頷き、「そうです。私は、あなたのような陰陽師を探していました。私たちの力を合わせることで、現代に蔓延する邪悪な力を鎮めることができると考えています。あなたの力が必要なのです、一成さん。」


晴明はしばらく考えた後、静かに答えた。「分かりました。あなたの使命に協力しましょう。私もこの時代に転生した以上、現代の人々を守るために最善を尽くす覚悟があります。」


玲奈は感謝の表情を浮かべ、「ありがとうございます。一成さん。これからもよろしくお願いします。」と頭を下げた。


その後、晴明と玲奈は協力して様々な霊的な問題に立ち向かうことになった。オカルト研究会の活動もますます活発になり、彼らの絆は強まっていった。しかし、玲奈の背後に潜む謎と、彼女の使命の全貌はまだ明らかにされていなかった。


ある日、研究会のメンバーたちが次の調査案件について話し合っていると、突然玲奈が緊張した表情で部屋に入ってきた。「一成さん、美咲さん、翔太さん、大変なことが起きました。私たちの大学の近くで、非常に強力な霊的な力が感知されました。このまま放っておくと、危険なことになるかもしれません。」


メンバーたちは緊張感を持ってその話を聞いていた。晴明は冷静に玲奈に質問した。「どのような霊的な力ですか?具体的な場所は分かっていますか?」


玲奈は頷き、「はい。大学の裏手にある古い公園です。そこで非常に強力な霊が活動を始めています。すぐに対処しなければ、多くの人々が危険にさらされるでしょう。」


晴明は決意を固め、「分かりました。すぐに調査に向かいましょう。皆、準備をしてください。」と指示した。


その夜、晴明、美咲、翔太、玲奈の四人は古い公園へと向かった。公園は夜の闇に包まれ、不気味な静けさが漂っていた。彼らは懐中電灯を手に持ち、慎重に公園の奥へと進んでいった。


やがて、強力な霊の気配が彼らに迫ってきた。晴明は呪符を取り出し、霊力を集中させた。「ここにいる霊よ、姿を現し、その意図を示せ。」


その瞬間、闇の中から巨大な霊が姿を現した。それはかつてこの地で非業の死を遂げた者の霊であり、その怨念が強力な力を持っていた。霊は凄まじい咆哮を上げ、彼らに襲いかかってきた。


晴明は冷静に呪文を唱え、霊の攻撃を防いだ。「皆、注意を怠らずに。この霊は非常に強力です。」美咲と翔太もその場で自分たちのできる限りの支援を行った。玲奈もまた、霊力を集中させて戦いに参加した。


激しい戦いが繰り広げられた。霊の攻撃は凄まじく、彼らは何度も危機に瀕した。しかし、晴明の冷静な判断と強力な呪術、そして玲奈の協力によって次第に霊の力は弱まっていった。


最終的に、晴明は呪符を掲げ、決定的な呪文を唱えた。「ここに眠る者よ、安らかに眠りにつき、怨念を解き放て。」その言葉と共に、呪符から放たれた光が霊を包み込み、やがて霊は静かに消えていった。


公園には再び静寂が戻り、冷たい風が心地よく感じられた。メンバーたちは安堵の表情を浮かべ、戦いの終わりを迎えたことを喜んだ。晴明は疲れた表情で微笑み、「皆さん、お疲れさまでした。これで一つの脅威は去りました。」と言った。


玲奈は晴明に感謝の意を込めて微笑み、「ありがとうございます、一成さん。あなたのおかげで多くの人々が救われました。」と感謝の言葉を述べた。


晴明は静かに頷き、「私たちはこれからも協力して、このような脅威に立ち向かっていきましょう。現代の平和を守るために。」と答えた。


こうして、オカルト研究会のメンバーたちは新たな試練を乗り越え、さらに強い絆で結ばれていった。玲奈の持つ秘密と使命はまだ完全には明らかにされていないが、彼らは共に力を合わせてこれからも数々の困難に立ち向かうことを決意していた。未来に待ち受ける試練に備え、彼らは一歩ずつ前進していった。

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