第1章：新たな始まり
転生してから数か月が経過した。晴明は「晴明 一成」という名で、現代の大学生として新たな生活を始めていた。かつて平安時代の都で活躍した陰陽師としての知識と力はそのままに、彼はこの未知の時代で生き抜く術を学びつつあった。大学は広大なキャンパスを誇り、そこで彼は現代の知識や技術に触れる日々を送っていた。
晴明は特に歴史学の講義に興味を持っていた。現代の学問としての歴史研究は、彼が経験した時代とは異なる視点から物事を捉えていた。その内容は彼にとって新鮮であり、また自分自身の過去と照らし合わせて興味深い発見が多かった。講義の後、晴明は図書館に足を運び、さらに多くの知識を吸収することを楽しんでいた。
ある日、晴明が図書館で古文書のコーナーに立ち寄っていると、一冊の書物に目が留まった。それは陰陽道に関する書物であり、彼が平安時代に書き記したものとよく似ていた。彼はその書物を手に取り、ページをめくりながら、かつて自分が行っていた呪術や儀式についての記述を読み返した。現代においても、彼の知識が役立つ場面があることを確信した。
その時、晴明の隣に一人の若い女性が立っていた。彼女は茶髪でセミロングの髪を持ち、小柄で明るい瞳が特徴的だった。彼女は晴明が手にしている書物に興味を示し、話しかけてきた。「それ、陰陽道の書物ですよね？私もそういうものに興味があって、勉強しているんです。」
晴明はその言葉に驚き、彼女に微笑みかけた。「そうですか。私はこの書物が特に気に入っているんです。あなたの名前は？」
「藤原 美咲です。あなたは？」
「晴明 一成です。こちらこそ、よろしくお願いします、美咲さん。」
美咲は晴明に親しげに話し続けた。「実は私、霊感が強くて、昔から霊的な現象に悩まされているんです。だから、こういう知識を身につけて、自分を守りたいと思って勉強しているんです。」
晴明は美咲の話に耳を傾けながら、彼女の霊感の強さを感じ取っていた。「それは大変ですね。もしよければ、私も何かお手伝いできるかもしれません。陰陽道に詳しいので、あなたが困っていることについて助言できるかもしれません。」
美咲の顔に喜びが広がった。「本当ですか？それは心強いです。実は最近も奇妙な現象に悩まされていて、どうすればいいか分からなかったんです。」
晴明は頷き、「どんな現象か、詳しく聞かせてください。きっと解決の糸口が見つかるはずです。」と応じた。
その後、晴明と美咲はカフェに移動し、美咲の体験談を詳しく聞いた。彼女の話から、確かに強力な霊が彼女に取り憑いていることが分かった。晴明はその霊の正体と対策を考えながら、美咲にアドバイスを与えた。彼女は晴明の知識と冷静な対応に感謝し、心から信頼するようになった。
その日以来、晴明と美咲は頻繁に会うようになり、霊的な問題を解決するために協力することになった。晴明は美咲の霊感を活かしながら、彼女の安全を守るために最善を尽くした。美咲もまた、晴明の知識と力を学びながら、次第に強くなっていった。
ある日、美咲は晴明に大学のオカルト研究会への参加を勧めた。「一成さん、大学にはオカルト研究会っていうサークルがあるんです。そこには霊的な問題に興味を持っている人たちが集まっていて、きっと一成さんにも興味深いと思います。」
晴明はその提案に興味を持った。「それは面白そうですね。ぜひ参加してみたいです。」
こうして、晴明はオカルト研究会に参加することになり、新たな仲間とともに現代の霊的な問題に立ち向かうことになった。彼の新たな冒険は、現代の仲間たちとともに続いていくのだった。
