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第二章 Schwester(シュヴェスター)「姉妹」

今回もショートストーリー…汗


もう少し練れないと駄目だなぁ…。

とりあえずお楽しみください。

m(__)m

小説 Liebesgeschichteリーベス・ゲシヒテ~恋物語~

第二章 Schwesterシュヴェスター「姉妹」




「お姉ちゃん!」


 あたしは、そう叫んでいた。でも、其の声はお姉ちゃんには届いていなかった。お姉ちゃんは、見知らぬ男の人と一緒に何処かに行こうとしている。


「待って!お姉ちゃん、あたしを見捨てないで!」


 そう訴えるが、まるで何かに遮られているかの様に、声は向こうに伝わらない。完全にお姉ちゃんを見失い、あたしは絶望と共に座り込んでしまう。

 そして、涙が溢れる。其れは頬を静かに流れ始め、口元を通り、顎の下から、座り込んでいる足の上に落ちていく。

 其の侭、あたしは気を失い……。


「はっ!……。な、何だ、夢か……。」


 布団から起きて、あたしはそう言った。そう、あたしは夢を見ていたのだ。大好きな菖蒲あやめお姉ちゃんが居なくなる夢を。あたしは布団から出て、窓に掛かっていたカーテンを開ける。朝日が肌に射す。其の実感により漸くあたしは現実を認識できるのだった。


「はぁ、嫌な夢だったわ。何であんな夢なんか……。」


 そう言って、夢の内容を思い起こそうとしていた。然し……。


「あれ?確か……。」


 思い起こそうとしたのだが、お姉ちゃんを失いたくない。と言う事以外、殆ど覚えていなかった。しかし、「嫌な」夢である事は覚えていた。


「ま、嫌な夢だし無理に覚えて無くてもいいか。」


 難しく考える事に飽きたあたしは、そう結論付けて、朝の身支度を始めた。






 通学途中。あたしは足を速めて、目的地に向かう。そう、其処には………。


「あ、いたいた。お姉ちゃ~ん!」


 あたしはそう言う。そう言われた女性は苦笑しつつもあたしに手を振る。そうして、あたしは、その人の胸に飛び込む。


「あらあら、相変わらずねぇ、蓮華れんげは。」


 その人はあたしをそう呼んでくれた。そう、彼女こそ、あたしの大事な菖蒲お姉ちゃん。あたしの自慢のお姉ちゃんなのだ。あ、でも、血は繋がっていないよ。歳も同じ年だし。でも、あたしにとってはお姉ちゃんなんだ。そしてあたしは、お姉ちゃんと一緒に学校に登校した。






 二人で教室に入る。中にはクラスの皆が居た。


「お早う!」

「お早う御座います~。」


 あたしとお姉ちゃんはそう挨拶をする。それに答えて、既に来ている何人かのクラスメートが挨拶を返してくれた。普段通りの毎日の反応だ。そしてあたし達は指定されている座席に着いた。あたしの隣にお姉ちゃん。


「うふふふふ。」


 つい今日も嬉しくて、声に出して喜んでしまう。其れを見て、


「相変わらずだな蓮華は。」


 そう言う奴が居た。あたしの席の前に居る奴で、佐藤学という男の子だ。何故かあたしに良くちょっかいをしてくる。


「えへへ。だって嬉しいんだもん。」


 あたしはそう答える。それに答えて、学の奴は、


「やれやれ、ゾッコンなのはいいが、取られない様に頑張れよ?」


 何故か、そう言ってきた。あたしは疑問に思い、


「如何言う事、其れって?」


 そう聞いた。学は其れに答えて、


「何だ、知らないのか?菖蒲の奴、誰かと付き合ってるって噂だぞ?」


 そう言った。あたしは其の言葉に耳を疑った。ふと、今朝見た夢を思い出す。何か、あった様な…。然しはっきりとは思い起こせない。其のうち、あたしの目から、何かこぼれているのが分かった。


「お、おい……。」


 学がそう言う。然しあたしはそんな事など無視をして呆然としていた。隣に居た、菖蒲お姉ちゃんがあたしに気付いて、


「あら?蓮華如何したの?ちょっと御出でなさい。」


 そう言ってあたしを立たせて、引っ張っていく。あたしは為すがまま、其れに付いて行った。

 あたしは菖蒲お姉ちゃんに連れられて、人気の無い、実習棟の廊下の隅に来ていた。そこは丁度影に為っており、人目にも付かない。また、屋内で無かったので声も殆ど響いたりはしなかった。

 其処で、菖蒲お姉ちゃんがあたしの顔を拭いてくれる。そして、


「如何したの蓮華?私に話して御覧なさい。」


 そう親切に言ってくれた。あたしは、


「お姉ちゃんが、誰か他の人に取られるかもって……思っちゃって哀しくなってたの。」


 素直にそう、自分の気持ちを吐露した。お姉ちゃんは苦笑して、


「ん~……。あぁ…、従兄弟の三郎お兄さんと一緒に居たからね。誰か其れを見たのかも知れないわね。」


 そう言っていた。あたしは、


「誰なの?其の人。」


 そう聞いていた。お姉ちゃんは、微笑みながら、


「私より三つ程年上で、大学で頑張っているお兄さんよ。伯母さんの調子が悪かったので、私の家に来て話してくれてたの。其の帰りに送っている時に誰かが見たんでしょうね。」


 そう言ってくれた。あたしは、


「じゃ、じゃあ。誰か付き合ってるとか、そんな事は無いよね?!あたしだけだよね?!」


 焦って性急にそう聞いていた。お姉ちゃんは微笑んで、


「お馬鹿さん。私は、貴女しか見ていないわよ。可愛い蓮華。貴女は私のものよ?」


 そう言いながら、あたしの顔に優しく手を掛けてくる。あたしは其の手に寄りかかるようにして、


「うん…あたしはおねえちゃんのものです……。」


 そう言った。お姉ちゃんは更にあたしを抱き寄せて、優しくキスをしてくれる。其れも、唇に優しく。


「ん…………。」


 あたしはじっくりと其れを味わっていた。暫く其の状態が続く。そうして、漸く離れる。其の後でお姉ちゃんはあたしに、


「さて、もっとしてあげたいけれど授業が始まるわね。そうね、今週の週末、二人でどこか行きましょうか。」


 そう言ってくれた。あたしは元気に、


「うん!楽しみにしておくね!」


 そう答えて、教室に向かって歩き出した。

 大好きなお姉ちゃん。あたしは絶対に手放さないから。そう、絶対に。そして今度こそ………。

 そう、あたしは決意して、教室へ向かう足を速めていた。

綺麗な描写が難しくなっていく…。

煩悩まっしぐらだからかも…汗


次回も頑張ります……。

では~( ̄ー ̄)/~~

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