空蝉の君とのお話3
ブックマーク・評価ありがとうございます。
さて、あれから数日経った。兄とは会ってないが新しい情報が入ってきた。
「光源氏さまが、故衛門督の忘れ形見の童をお気に召して連れ歩き、衣もあつらえてあげたそうよ。」
と。注目の的だねー。お話は順調に進んでいるようだ。
小君に空蝉の君に文を託し、返事がもらえないことが続いているはずだ。空蝉の君も不倫の手紙を弟に運ばれるなんていたたまれないだろうな。
あの光源氏にそこまでされてもなびかないのはすごいが。しかし、光源氏は、逃げれればしつこく追う。ご愁傷様。
ちなみに小君は、
「私のほうが先に関係をもっていたのだ」
と言われ、納得して協力している。
さて、兄が方違えに再度、紀伊守の屋敷を訪れたという話を聞いた。そろそろ文を書かねばならない。
「姫宮、いかがお過ごしかい?」
「変わりありませんわ。おにいさまこそ、いかがでしたか。」
「聞いてくれるか。この切なさを。」
もちろん!と思いを込めて、兄を御簾の中に招き入れる。
ふふふ。相談相手の座を手に入れた。これでこれからも簡単に話を聞くことができるだろう。
「先日の方違え、また紀伊守の屋敷に行ったんだ。」
「はい。」
この行動力。尊敬するよ。
「彼女の弟の小君にも、彼女にも行くということを昼から知らせていたんだ。」
素っ気なくされているはずなのに、びっくりするほどの自己肯定感の高さだ。
「そうですの。」
「夜は、一緒に行ったものたちを早く寝させて、小君に案内するようにといったんだが、どこにいるのかわからなかったようで、必死に探して渡殿の女房たちがたくさんいるところで見つけたらしいんだ。」
「まあ。」
小君かわいそうに・・・
「小君が泣きながら責めたが、彼女は応じず、気分が悪いのでという伝言をもらったよ。」
うなずいて、次をうながす、
「ここまで強情だとは思わなかった。私は、和歌を送ったよ。」
「返歌はあったのですか?」
「ああ。」
「手強いお相手でしたわね。」
「でも、その強さに惹かれたんだ。小君に無理にでも連れていけと言ったが、人の多いところなので無理だと言われたよ。その夜は小君を代わりにそばにおいて寝たさ。」
「まあ。小君とお眠りに?」
「小君の方がよっぽど可愛いと思ったよ。」
そして、兄はお茶を口にした。
読んでくださってありがとうございます




