クラン大武道会11
更新すると言ってから役半年……
すみません……
だいぶ遅くなりました。
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
舐められるだけならまだマシなのかも知れない……
『はい!それでは、討伐戦、開始っっ!!!』
開始の合図と共に、ハツネと杖を持った大学生位の革ジャン姿のヒューマンの男、「ビルド・アースクラッシュ」に、白髪セーラー服を着た水棲人の中の「白水族」の少女、「ツミリ・アクアゴッド」がアイアンゴーレムを取り囲み、呪文を詠唱する。
――――我は木々に乞い願う、我が敵を縛る縄となり我が敵を拘束せよ!!
――――我は大地に乞い願う、我が敵を挟む壁となり我が敵を拘束せよ!!
――――我は水氷に乞い願う、我が敵を包む氷となり我が敵を拘束せよ!!
“““三法混合・木土水・氷壁縄!!!”””
素早く、それでいて正確な詠唱は、全く同時と言えるタイミングで終えられ、合成魔法として発動する。
―――厳密には陰陽術なので、魔法とは少し違うのだが、使うのは魔力であり、別系統の魔法と言える為、特に問題は無い。
発動した魔法は、最初に木の根が現れ、それがアイアンゴーレムを縛り上げると、瞬時に凍り付き、地面に向かって凍った土の壁を生成して、アイアンゴーレムの体を完全に拘束してしまう。
無論、アイアンゴーレムも全く抵抗しなかった訳では無いが、そんなものは些細な事でしか無く、何も出来なかったに等しい。
それに合わせ、黒いスーツを着た悪人面のイケメン魔人、「幻=ナチックード」にザマナと、ヴァイオレットのライダースーツの様なツナギを着たハーフドワーフの女性、「ドレル=ド・ダイヤモンド」がアイアンゴーレムの正面に立ち、それぞれの触媒を構え、呪文を唱える。
――――我は鉄金に乞い願う、我が敵を貫き穿つ鎗となり我が敵を討て!!
――――我は火炎に乞い願う、我が敵を焼き付くす灼熱となり我が敵を討て!!
――――我は言霊にて命じる、我が敵を砕き壊す音波となり我が敵を討て!!
“““三法混合・金火言・音灼鎗!!!”””
これまた見事に重なって唱えられた呪文は、全く同じタイミングで完了し、彼らの前にその現象を象作っていく。
始めに、何も無い空中に塵が集まる様に鉄粉が集まって固まり、直径1mの鉄球が生まれ、次の瞬間には長さ4m、太い所で太さ20㎝の大きな鎗となった。
それは、第一回戦で使われたのと同じ鎗だった。
恐らく、魔法そのものも同じだろう。
実際、それを証明する様に、鎗は赤熱し、超高速で振動している。
鎗はそこから更に打ち出された弾丸の様に回転し始め、観ただけで凄まじい威力を秘めている事を感じさせる。
そして、回転が最高潮に達した瞬間、狙いたがわず、アイアンゴーレムのコアを穿っていた。
発射された鎗を目視出来た者は殆ど居なかった。
それ程までに、その鎗の速度は常軌を逸していたのである。
恐らく、高温と音による超振動、それに回転が加わった事で、空気抵抗が大きく減衰したのだろうが……
その程度では説明が付かない速度での攻撃は、観客に感動と強めの恐怖を抱かせていた。
『――――――――――――……はっ!?えっ!?ええええっ!!!?いいいい、一体なにがっ!!?あ、いえ、まずは―――すーはー…えぇーー其処まで!勝者、文句無しに五行一言の勝ちでええええええええぇぇぇぇぇぇす!!!!!』
――――――――ゥゥゥワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!
『何と言う事でしょうか!タイムジャスト1分!!破損率はたったの0.5%だああああああああ!!これは五行一言、最初は実力を隠していたようです。正直、最後の瞬間は何が起きたのか全く分かりませんでした!!』
『まあ、単に全力を出す必要が無かったと言う事でしょう。でなければ、こんな結果は導き出せなかったでしょうし……いやはや、成長した陰陽師の強さは大したものですね。正直、あの鎗は、私にも見えませんでしたよ。』
『ニャー、あれを見切れたら、そいつは人類辞めてんニャ。』
暫く、衝撃的な出来事に固まっていたアリエスタ、カサルナ、サバラルの実況・解説陣と観客は正気を取り戻し、ざわざわと騒ぎ出す。
そんな中、五行一言のメンバーは当然の結果だと言う様に、涼しい顔で舞台を後にするのだった。
〇〇〇〇
五行一言の試合後、大会は特にこれと言った波乱も無く、順調に進んで行き、遂にベスト8迄が出揃った。
Aブロック
1 クロウ・コミュニティ
2 R.S.U
3 トレジャーマウンド歌劇団
4 竜の黄昏
Bブロック
1 混沌を統べし根源
2 五行一言
3 八咫烏
4 希望の歌
そこから更に試合は進み、クロウ・コミュニティ VS R.S.Uは、チーム戦でR.S.Uが勝利した。
内容としては、クロウ・コミュニティの策略を読んだリンガが、クロウを速攻で潰した事で連携が瓦解。
そのままなす術無く敗北と言った感じだった。
これはクロウのユニークスキルの弱点を疲れた感じで、障壁突破の恩恵をリンガに利用されたのが原因だ。
まあ、障壁自体にかなりの強度が有るので、そう簡単に突破されないだろうと言う油断があったと言う事だろう。
その後行われたBブロックの対戦は、キーノの予想通り、五行一言の勝利で終わった。
ハッキリ言って、混沌を統べし根源は今回、良い所が何も無かったと言って良い。
こちらもチーム戦だったのだが、開始と同時に五行一言へと魔法剣で斬り掛る混沌を統べし根源のメンバー。
詠唱をさせない為に近接戦を仕掛ける判断は的確なものだったが、如何せん相手が悪過ぎた。
五行一言は向かって来る相手に、ツミリとハツネが触媒をかざし、呪文を呟くだけで、その侵攻を完全に止めてしまった。
障壁系とバインド系の術だったようだが、たった一度の行使でそれなりのレベルのユニーク持ちを含んだ六人を容易く止めてしまう等、並大抵の事では無い。
結局、そのまま他の四人が準備していた詠唱呪文で簡単に全滅してしまったのだった。
どちらの試合も、随分とアッサリした内容で、観ている観客の大半は、何が起きたのかも良く分かっておらず、良く分からない位凄い事が行っていたと言う認識だ。
―――が、それはそれで楽しめる辺り、オルン達の娯楽不足が窺える。
そして、大会は第二試合へと突入する。
『さあさあさあさあっ!!やって参りましたAブロック第二試合!!本日2度目の竜の黄昏だああああああああああああああっ!!!!!』
イエエエアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!
『先のチーム戦でも「賢者の標」をカナタ選手一人が圧倒する形での勝利でした!そんな竜の黄昏へと挑むのは!我等が歌劇スター!!エステル様率いるトレジャーマウンド歌劇団!!!』
キヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッ!!!!!!!
エステル様ーーーーーーー!!!
マオ様気を付けてーーーー!!!!!
『私、個人的にはトレジャーマウンド歌劇団を応援したいのですが、多分勝てないだろうなぁ、と思っております。ただ、今回は討伐戦なので!たとえ負けてもスプラッタは多分回避されるので!!それだけはホントに良かったと思います!!!前の試合でも血みどろスプラッタだったんでもうお腹一杯なんですよ!!!!』
アリエスタ心の叫びだった。
因みに「賢者の標」戦では、カナタが一人で全員斬り伏せているのだが、ユニークスキル悪鬼羅刹の効果なのか、無駄に血飛沫が舞って、舞台を真っ赤に染めてしまったのである。
あれはカナタとしても相当不本意だった。
カナタとしては、血が出ない程の鋭い斬撃を身に付けたいのだ。
―――が、そんなカナタの気持ち等(キーノやハルナ以外は)知るよし無く、試合の進行は進んで行く。
『はい!と言う訳で先行はトレジャーマウンド歌劇団からになります!それでは位置に着いて下さい!――――はい、よろしいですね?それでは、Aブロック第三回戦第二試合―――始めっ!!!』
試合が、始まった。
次回で準決勝まで、その次が決勝で最後がエピローグの予定です
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