「柵の楔」ダンジョン2
まただいぶ遅くなりましたが更新です。
今回は少し短くなります。
まだまだ暑い日が続きそうですね……
正直キツいです……
皆さんも体調には気を付けて下さい。
※以前よりだいぶ短くなっています
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
何を成すか決めても、動かなければ意味は無い。
―――「柵の楔」ダンジョン地下五階―――
「柵の楔」ダンジョン地下五階その地下六階へと続く階段前の大ホール、キーノ達は其処に居た。
そこへ、何か覚悟を決めた表情のファネルが加わる。
「待たせたか?」
「大丈夫ですよ。僕らもさっき来た所です。」
「そうか……」
「随分、目が据わってますね?何か心境の変化でもありました?」
「……………」
最初と変わらず微笑みをたたえるキーノに物憂げな視線を投げ掛けただけで、ファネルは他の新人三人の元に行ってしまう。
「ありゃりゃ、嫌われちゃったかな?」
ま、仕方無いか……
そう呟いて、キーノは地下への階段前に移動する。
パンッ!
と手を叩き、皆の注目を集めた後、キーノは次の階層に関しての説明を始めた。
「さて、此処までの階層は個人戦だけだった訳ですが、次の階層からはチーム戦になります。と言っても、パーティーを組んでる人達限定ですけどね。で、僕らは次の階層に降りた瞬間、ランダムで二人ずつに別れて戦う事になります。その更に下は三人一組で、更に下はまた二人一組に。このダンジョンの最下層である十階になるとパーティー全員での戦闘です。此処からは、今までの階層の様に言葉で責められるだけでなく、自分達が無意識に避けていた戦い方で攻められる事になります。まあ、ダメージが一定値になれば自動でダンジョンから放り出されるんで、死ぬ心配は無いですよ。じゃ、頑張って行きましょう!」
にこやかにそう告げるキーノを訝しみながら、四人はぞろぞろと下の階層へと降りて行く。
その顔は、どれも暗いものだった。
「んーー…思ったより精神が疲弊してるなぁ……ちょっと性急過ぎたかな?でも、レベル上げの効率が良いのも事実なんだよねぇ。だけどコンプレックスの克服が大変なのは当たり前なんだから、ちょっと休むべきだったかも……」
突然ではあるが、コンプレックスについての話をしよう。
コンプレックスとは、心理学・精神医学用語で、衝動・欲求・観念・記憶等の様々な心理的構成要素が無意識に複雑に絡み合って形成された観念の複合体をいう。
ふだんは意識下に抑圧されているものの、現実の行動に影響力をもつ。
「感情複合」、「フィーリング・トーンド・コンプレックス(Feeling Toned complex)」とも呼ばれる。
この語を最初に持ち込んだのはヨーゼフ・ブロイアーとされるが、この語を有名にしたのはユングである。
ユングの定義によれば、コンプレックスとは、何らかの感情によって統合されている心的内容の集まりであり、ある事柄と、本来無関係な感情とが結合された状態とされる。
これを「心的複合体」とも訳す。
尤も、日本ではこの考えはあまり浸透せず、後に出て来た「劣等複合」が一般になった。
「劣等複合」とは「劣等コンプレックス」のことであるが、「コンプレックス」を「劣等感」の同義語とするのは誤用である事を述べておこう。
これ以外にも、分析心理学上フェティシズムがコンプレックスとほぼ同義であるため、フェティシズムの分野にもコンプレックスという用語が使われることもある。
そしてこの迷宮では、そう言った事柄全てを纏めてコンプレックスとして認識している。
その中には当然、コンプレックスの原因となったトラウマ等も含まれる。
此処は、それらを荒療治で克服させる事を目的とした一種の心的医療施設でもあるのだ。
まあ、荒療治過ぎて完治出来たのは迷宮が創られてから1万年程経った現在でもたった十一人しか居ないのだけど……
だいたいクローズドβぎ終わった約2000年前に地面の下に落ちて最近まで誰にも発見されて居ないので尚更だろう。
因みに完治したのは全員オルンである。
異邦人は逆にトラウマになって存在すら忘れ去ってしまったので、誰も覚えていない。
で、キーノはそんな所に新人を放り込み、あまつさえ中間までクリアさせてしまったのだった。
そりゃ精神も疲弊すると言うものだ。
「けど、僕もこっからは厳しいだろうなぁ……はぁ、ちょっと早まったかも……」
「キーノさんは、酷いトラウマが、有りますからね……」
「ええ…まあ、他人からしたら、笑っちゃう様なものだって自覚は有るんですけどね……キリアーネさんは、何か有ります?トラウマ。」
「私は特には…ただ、私達の戦闘力が、そのまま自分に返って来るのは、かなり大変ですね……」
「そこが一番の問題ですよね。」
このダンジョン、五階までは戦わなくてもクリア出来るが、六階からはキーノが言った様にガチ戦闘が待っている。
その上トラウマを掘り起こしに掛かるので、正直難易度は倍以上に跳ね上がる。
そして、キリアーネが懸念した通り、それは挑戦者に高い戦闘力があればあるほど難しくなるのだ。
つまり、キーノとキリアーネにとってもとてつもなく厄介だと言う事だ。
寧ろ二人のせいで開始1秒で即死まである。
「だからって、僕らがやらない訳にもいかないですからね。覚悟を決めるか……」
「頑張りましょうーー……!」
そう言って、キーノとキリアーネも階段を降りて行くのだった。
しかし、二人は知らない。
新人達の抱える闇が、想像以上に深く強大で、普通に引くレベルである事を……
二人は、まだ知らない。
次回から戦闘パートに入ります
上手く書けるよう頑張りますね!
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