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新たな街とクラン設立7

少し遅くなりましたが更新です。


※内容をだいぶ修正しました。

 最早別物レベルです。


〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇


目に見える事ばかりに囚われてはならない。

「僕達が最後ですかね?」


「あ、後二組程後ろから来てますね。それても、全部で六組程ですが……不思議ですね?あれだけ居た人達は何処に行ったのでしょう?」


 僕達が草原に戻ると、其処には既に三組の人達が居て、僕らは四組目だった。

この場に居るのはキーノさん達を除けば後から来た人達を合わせて10人。

新しく開放された小人らしき二人組に、忍者っぽいヒューマンらしき少女、格闘家の様な女性の魔人、それに僕とキョムさんと魔法使いらしき翼人の男女の二人組に近接職らしき男のドワーフと男の猫獣人の二人組だ。


 多分、あの二人組と格闘家さんに忍者少女は別グループだよね?

しかし、そうなると残りの100名以上の人達の姿が見えないのは何故だろう?

一体、何処に行ったんだ?

まさか―――


「何かにやられたんでしょうか?」


「可能性は有りますね。とは言え、異邦人(私達)は死んだら光になって消えます。正に「光になれーー!!」な訳です。そうなると戦闘跡から推測しないといけない訳ですが、正直それで相手が何かを推測するのは私達には難しいですね。死んだ人達はデスペナで暫く戻って来ませんし。」


「ま、キョムさんの言う通りですね。そうなると考えても仕方無いですか……ただ警戒はしておきましょう。後、流れる様にボケを入れないで下さい……何処でそんなネタ仕入れて来たんですか?」


「ヒ・ミ・ツです♪」


「はあ……」


 僕は半ば諦めてキーノさんへ討伐証明となるアイテムを渡す。

キーノさんはアイテムを暫く眺めた後、「合格です。」と言って赤い塗装を施された金属の板を渡してくれた。

板には1と書かれていた。


「さて、これ以上待っても他の人は来そうにありませんね。ではこれで合格者が出揃ったと判断します。なので早速ですが最終試験を行います。」


 キーノさんの言葉に、その場の全員が先程よりも真剣な表情に変わる。


「最後は一組ずつ模擬戦を行い、勝ち残った三組を合格とします。制限時間は10分です。模擬戦はトーナメント方式で行います。番号を呼びますのでその番号が書かれた札を持ってる人達は前に出て下さい。その人達が対戦相手となります。」


「ちょっと良いか?」


「………何でしょう?」


「それは、あんたらが審判をするって事か?」


 キーノさんが告げた最終試験の内容に、小人らしき男性が顔をしかめてそう問い掛ける。

茶髪で軽薄そうな、ぶっちゃけチャラい感じのお兄さんといった風体で、小学生中学年位の背丈のその人は、明らかにキーノさんを訝しんでいた。


 何で此処に来たんだろう?


 そう思わずにはいられない発言だ。

パーティーの募集をした人達が審判をするのは至って普通の事だし、おかしな事では無い。

なのにあんな態度でこんな事を言えば、その場で失格になっても文句は言えないだろう。


「………あの人失格になりたいんですね。」


「断定した!?」


「だって、この場に来てパーティー募集した人に、あんな態度で食って掛かるって、失格にしてくれって言ってる様なものでしょう?」


「気持ちは分かる!」


「まあ、あの人達が失格になればライバルが減るんで万々歳ですけどね。」


「そうですね。でも、あの人達ホントにどう言うつもりで此処に来たんですかね?」


「さあ?単なる賑やかしか、簡単に入れると思ったか、でしょうね。」


「だとしたら迷惑な話ですね。」


 等とキョムさんと話している内に、あちらも話が進展していた。


「…………何か不満がおありですか?それなら審判無しで、互いに全力で戦う「死合」にします?」


「はっ!いいねえ!そうじゃなきゃつまらねーー!やるなら全力でやるのが一ば


ガンッ!!!


んんんんんんんんっっっ!!?!?」


 キーノさんに突っ掛かっていた男性が、一回り体格の良い厳つい仲間の男性に頭を殴られ悶絶している。


「いてーよ、キンモ!!」


「この馬鹿が!!大人しくしてやがれ!!すまなかった試験官さん。こっちも他の者達と同じ扱いでやってくれ。」


「………分かりました。では予定通りに始めるとしましょう。ただ、トーナメント表は十組を想定して作ってあるので、なん組かは戦わない所が有りますので、ご了承下さい。」


「分かった。」


「それでは、第一回戦第一試合は1番と2番です。呼ばれた方達は彼方の赤い装備の男性の前に行って下さい。第二試合は3番と4番で、向こうの白い装備の女性の前にお願いします。」


「早速ですね。」


「不戦勝だと嬉しいんですけどね。まあ、そう上手い話も無いでしょう。」


「―――と思うだろ?」


「うわあっ!?」

「………っ!!?」


 僕らがカナタさんの所へ向かいながら会話をしていると、いつの間にか近くに来ていたカナタさんに急に声を掛けられ驚いてしまった。

カナタさんはそれを見て苦笑しながら謝罪してくる。


「悪い悪い。驚かせちまったな。ただ、君らは不戦勝で勝ち上がりだからさ、元の場所に戻っていーよ。」


「え?まさかホントに?」


「現実は甘くないと思っていたら予想外のご都合主義展開にビックリです。」


 正直キョムさんの言う通りだった。

まさか本当に不戦勝になるとは思いもしなかったな。

願いはしたけど……


「運が良かったな。って事で、君達は第二回戦――いや、この表だと準決勝?あ、採用確定だわこれ。え?マジで?ちょっと他の人達が可哀想な気が……でも運も実力の内か?此処、リアルラックしか無いしな……うーん…ちょっと話し合う必要が有るかな?取り敢えず、おめでとう!場合によってはこのまま採用もあるから。じゃ、また後でね。」


「は、はぁ……って、え?」


 キーノさんの元に向かうカナタさんを見送りながら、僕はそんな気の抜けた声を出す事しか出来なかった。

正直、カナタさんの言った事をなかなか飲み込め無くて、頭が付いて行かなかったのだ。


「どうやら、私達は戦わずに勝利したようですね。まあ、まだ確定ではありませんけど。」


「えーーーーーと…取り敢えず、ラッキー?何ですかね?」


「ラッキーですよ?」


「ラッキーですか……」


「はい、ラッキー、です。」


「………実感が湧かない!!」


 そんな贅沢な悩みを抱えながら、僕らは元の場所に戻って行った。

すんなり受け入れてるキョムさんが羨ましい……!


〇〇〇〇


―――ピスタチオ視点―――


 ウチの名前はピスタチオ。

本名は日立乙留(ひたちおとめ)

今回は憧れのカナタ様と同じパーティーに成れると思ってパーティー募集の試験に参加したんだけど……


「この人達!やたら強くない!!!?!」


 何だかオルンっぽい小人のお兄さん達と模擬戦をする事に!

しかもめっちゃ速くて強いんだけど!?

いや、絶対高レベルでしょ!!

何でこんな所に居るの!?


「悪く思わないでくれよ?お嬢ちゃん。こっちも事情が有ってな!」


「なに、模擬戦だからな。ちょっと怪我はさせちまうが、痕はのこらねえ様にしてやる!だから、さっさと負けてくれや!!」


ギンッ!!

キキキンッ!!!


「く、うううぅぅ!!!」


 ウチは二人から繰り出される連撃をこれ迄の経験による予測や技術で何とか捌いて防御するんだけど、ステータスが違い過ぎてじわりじわりとHPが削られていった。

しかも間断無く繰り出される攻撃のせいで、ウチは攻勢に出る事が出来ない。

このままじゃじり貧だよぉ!!


「なかなか粘るが、これで終いだ!!」


「ちょっと痛いが、我慢しろよ!!」


 と、そこで二人がウチから離れて溜めの動作に入る。


(チャンスだ!!)


 正直、一瞬でも攻撃が止んでくれるのは助かる。

しかも、相手はウチを舐めて、隙の大きい大技を出そうとしてる……


「なら、其処に付け入る……」


 ()はスイッチを切り替えた。

そして、相手が必勝を確信した攻撃を繰り出そうと攻撃モーションに移る。

私はその様子を黙って観ていた。


(やっぱりだ(・・・・・)……)


 この世界の住人は、あまり武術が発達していない。

悪い言い方をすればステータスに振り回されている(・・・・・・・・)


 高いステータスに任せて動き、アーツに任せて攻撃する。

これが一般的なオルンの戦い方だ。

何度も色んな動画で確認したから間違い無い。

そして、Sランクに行くような一部の人達は、ある程度の武術を身に付けているのだ。

それが絶対的な差となって現れる。

だからこそ、私は気付いた。

この世界において、ステータスは絶対では無い(・・・・・・)


(そう、ステータスはただの目安。だからこそ圧倒的強者に対しても付け入る隙が有る。)


 狙うのは刹那、繰り出すのは必中の一撃。

それを連続二回。

なんて無理ゲーだろう。

だけど―――


「―――決める!!」


「食らえ!「パワーブレイク」!!」

「行くぞ!「ヘビィスラッシュ」!!」


 初めに繰り出されたのはチャラい感じの男の両手剣による正面大上段からの振り下ろし、その直ぐ後を追う様に、私の右斜め前方から、厳つい男が戦斧を袈裟斬りに繰り出した。

そのタイミングは絶妙で、恐らくチャラ男が後ろに引いてから戦斧が振り切られる。

武術は拙いけれど、この手の連携はなかなか洗練されているようだ。


(―――にしても、これはちょっと痛いでは済まないでしょう……)


 私は盛大に呆れながらも、男達の予測よりも速く、深く潜り混む。

狙うは一点!


「しっ!!」


「なっ!!?」


 アーツには、動きをキャンセル出来ない瞬間が有る。

私はその瞬間を狙い、チャラ男の首に左手に持ったクナイを当てた。

勿論これは模擬戦だから、ただ当てただけで怪我はさせてない。

ただ実戦を想定してクナイはその場に捨てる。

そして私は勢いを殺さずに隣の男に迫り―――


「―――――――参った……」


「ふーーー……」


―――右手に持ったクナイを男の首に当てた。

流石に言い逃れ出来ないと思ったらしく、厳つい男はその場で負けを認めてくれた。

チャラ男は少し何かを言いたそうにしていたけれど、結局何も言えずに引き下がる。


「あーー良かった…背丈が近くなきゃ無理だったなぁ。」


 私は背が低いから、背丈が高い人相手にはどうしても一手遅れてしまう。

その点、彼らは背丈が近かったから助かった。

そう胸を撫で下ろしていた時だった。


          ピコンッ!


『オリジナルクエスト「アーツ外の技で敵を倒そう」を一定数クリアしました。報酬としてスキルと称号が贈られます。』


オリジナル流派スキル

「ピスタチオ流忍術」

バルナムには存在しなかったスキル。ピスタチオが創り上げた初めての流派であり、武術。弟子への継承が可能。


―――ピスタチオ流忍術開祖―――

ピスタチオ流忍術開祖に贈られる称号。ピスタチオ流忍術での攻撃なら威力に2倍の補正が入る。


「…………いや、何これ?」


 正直着いていけ無かった。

確かにウチ(・・)の家は古武術の道場をやってて、その技をアーツで覚えた動きと合わせて使う練習は沢山したけど!

オリジナル流派スキルとかあったの!?

それともこれも世界の進化なの!!?


 ウチは突然の事に頭がぐるぐるになりながらもステータスを確認する。


「項目増えてる…あ、忍術が無い。統合されたのかな?まあ、うん……もういいや!気にするのやめよ!!」


 きっとこういうものなんだよね!!


 ウチは考えるのを止めて、次の試合に備える事にしたのでした。


〇〇〇〇


―――ピスタチオの試合中―――


 草原近くの林の中、3つの人影がピスタチオと小人の二人組の模擬戦を観戦していた。


「このままなら問題無さそうだな。」


「けどあれだけ攻撃して攻めきれてねえのは不安じゃねえか?」


「しかし相手側は一人デス。その上でステータスに開きがあるのは明白。ならば攻め切るのも時間の問題でしょう。」


「うむ、サンの言う通りだ。念の為最後まで見るが、問題はおきな―――誰だ!!!?」


 雑談じみた会話を切り上げようとした時、大柄の男―――アインは人の気配を感じ振り返る。

其処には、一人の少女―――いや、少女の様な少年が、立っていた。


「き、貴様は―――」

「いつの間に―――」

「どうして―――」


 アイン、アール、サンの三人が驚愕に飲み込まれる中、少年―――キーノは優しく微笑み、1つの魔法を行使する。


―――エリアグラビティ!!


「「「………ッ!!!?!!」」」


 その魔法は、三人を一瞬で地面に縫い付け、動け無くした。

それを見たキーノは更に笑顔を深めながら、一歩一歩、三人へと近付いて行き、魔法の効果範囲手前で止まる。


「さあ、貴方達の事、聞かせて貰いますね?」


 後に三人は語る。


「本物の悪魔をそこに見た。」


―――と。

尤も、三人が見たのは悪魔より質の悪い邪神だったと、更に後で知る事になるのだが……

次の話で試験が終了する予定です

その次からダンジョン攻略に入ります


良いなと思えたら評価、感想の方よろしくお願いいたします

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