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新たな街とクラン設立5

※キーノ達の行動内容を修正しました。

 此処から段々内容が変わります。


〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇


多少丸くなっても、本質は変わらない。

キィイン!!

キンッ!

キィーーーー……ン!


 賢武猿の森と呼ばれるネスト周辺の森、その最奥で、激しい剣戟が繰り広げられていた。


「くっそ!調子に乗って奥まで来すぎた!!キョムさん!大丈夫ですか!?」


「私自身は大丈夫です。ただ、この状況は不味いですね……」


 マートとキョムの二人は現在、森の奥深くで賢武猿の群れに囲まれていた。

その数実に6体。

まだLv20前後の二人にはきつい処か無理な相手である。


 さて、何故二人がそんな事になっているのかだが……

マートとキョムは草原でレベル上げをしていたのだが、EXP倍大祭によりレベルがどんどん上がりあっと言う間にLv10を越えたので、二人は転職の為に教会に行った。

とは言え実際に転職したのはキョムだけだったが……

マートは取り敢えず冒険者を極めるつもりらしい。

で、教会に行った際、神官にLv10からEXP倍大祭限定のステータスアップの祝福を受けられると聞き、その祝福を受けたのだ。

結果から言うと、その祝福でステータスが1.5倍に上がった。

それで戦闘がかなり楽になり、殲滅速度が上昇。

二人は中級者向けの林に入って狩りを続行したのだが、楽しくついつい調子に乗ってしまい、林からどんどん森に向かって進んでしまったのである。


「だからってこんな奥まで来るのは失敗でしたね……」


「言ってても仕方有りません。兎に角包囲を抜けないとジリ貧ですよ?私、初日にデスペナは嫌ですからね?」


「僕だって嫌ですよ!」


「なら頑張って抉じ開けて下さい。「尖鋭刃(シャープエッジ)」、「腕力増加(パワーライズ)」、「速度増加(スピードアップ)」、「防御力増加(ディフェンスアップ)」!」


 キョムは付与魔法を使いマートを支援する。

レベル等を考えればこの程度は微々たるものだが無いよりは良い。

それに二人共いくつものゲームを渡り歩いた強者である。

これならこの場を切り抜ける位は出来るかもしれない。

このまま(・・・・)なら……


ウホアアアアアアアアアア!!

ウホホホホッ!!

ウッウホッホッ!!


「なっ!?追加で3体とか勘弁して下さいよ!!」


「これは、流石に無理ですね。まさか初日にデスペナるとは思いませんでした。」


「諦めが潔すぎる!!もう少し踏ん張りましょうよ!!」


「無理でしょう。私、付与術師(エンチャンター)ですよ?しかも見習いで、スキルは援護しか出来ないくそ雑魚ナメクジです。マー君が対処出来なければ死ぬしかありません。」


「いや、そんな情けない事胸張って言わないで下さい!悲しくなるんでっ!っとぉ!?あぶなっ!!ちょっ!!?まっ!!」


キンキン!!

キキン!!

キッキキキン!!


「何ともリズミカルな剣戟ですね。」


「言ってる場合ですか!?」


「どんな状況でもツッコミを入れる…そんなマー君が、私は好きです。あ、右袈裟斬りが迫ってます。」


「す、好きって…そんな事言ってまたからかわないでくだっぶない!?」


 絶体絶命としか言えない状況でそんな掛け合いが出来る辺り、意外と余裕があるのかもしれない……

まあ、二人の能力的に抜け出すのは不可能な状態だが。

ただ、キョムが賢武猿達の攻撃を苦もなく避けているのが気になる所だ……


「って言うかそんなヒョイヒョイ攻撃を躱せるなら逃げて下さいよ!」


「逃げ道を塞ぐ様に攻撃して来るので無理です。それに、マー君を置いてなど行けません。だって―――」


「キョムさん、そんなに僕の事を……っ!!」


「だって、待ち伏せされて襲われたら困るじゃないてすか!マー君と言う肉楯が居ないのに!」


「どうせそんな事だと思いましたよ!「スラッシュ」!!!」


ズバアアアーーーーン!!!


ウホホホウッ!!?


 ツッコミと共に繰り出された渾身のスラッシュが、対峙していた賢武猿の盾を半ばまで斬り裂く。

流石の賢武猿もそれには驚き一歩後退った。


          ピコンッ!


『ネタクエスト「哀しみのツッコミ職人」をクリアしました。報酬として称号が贈られます。』


 突然送られて来たメッセージ。

何か助けになるかと思って目を通すも、その内容は期待出来そうには無い。


「ネタクエストとか不安しか無いんだけど!?」


 因みに入手した称号は以下のものとなる。


―――哀・ツッコミ戦士―――

哀しみの叫びと共にツッコミと攻撃を繰り出した者に贈られる称号。哀しみのツッコミを入れながらの攻撃なら威力に1.3倍の補正が入る。


「使いにくいわっ!!「ダブルスラッシュ」!!」


ズババアアーーーーッン!!!


ウッボス!!?


 叫びながら繰り出されたアーツが、賢武猿へと炸裂した。

その威力は凄まじく、アーツを受けた賢武猿は後方に4m程突き飛ばされる。


「いや強いなコレ!?何ですか今の威力!!」


「きゃーマー君かっこいいですよ~~?(凄い棒読み)」


「せめて心を込めて下さい!!「ピアッシングレイン」!!!」


ズドドドドドドドドドドドッ!!!


うほっ……


 哀しみと共に繰り出された連続突き、それはマートに襲い掛かって来た別の賢武猿の急所を的確に捉え、戦闘不能に追い込む。


う、うほっ……!


ビクンビクンッ!


 戦闘不能に追い込む!!


「包囲を崩しました!逃げますよ!!」


「じーーーー……」


「逃げますよ!!?」


「マー君は変態ですね。」


「不可抗力です!!」


 そんな叫びを響かせながら、二人は何とかその場から離脱出来たのだった。


〇〇〇〇


「何か、今日はやたらと深い所まで来てる人が多いですね~~」


「キュッキュ!」


「そういや今日から此処等は経験値倍加イベントだっけな。」


「通りでやたらと経験値が高いモンスターばかりだと思ったよ。」


 マート達が立ち去った後、転移で森の深部に来ていたキーノ達は川を目指して森の中を進んでいた。

と言うのも―――


「良く考えたら、ネストからファステムへの街道って、一本だけなんだよね……」


「このまま第一門か第二門から入ったら怪しまれるしなーー」


「でも街道に直接出たらバレそうですもんね~~」


「取り敢えず、早く、行きましょう……?」


「キュッ!」


―――と言う訳で、森から川を越え、街を繋ぐ街道へ行く為に川を目指していたのである。


 それから数分後、四人と一匹は目的の場所に到着していた。

そこは木々が大きな力で薙ぎ倒され、地面が硬く踏み固められているのか、草花が殆ど生えていない大きな獣道だった。

しかし、何も知らない人が見たら、それが獣道だと判る人はあまり居ないだろう。

そこはそれ程迄に道幅が大きく、普通に大人でも擦れ違えてしまうのだから。

それに、その獣道の終点に見えるのは川だ。

それも幅5mの大きな川。

事情を知っていても、実際に見たら寧ろ真偽を疑ってしまう光景だ。


「まさかフルードがあの巨体でこの川を飛び越えてたなんてなぁ……」


「寧ろあの巨体だからじゃないかな?多分僕らが感じてるよりも川幅が狭く感じた筈だよ。」


 そう、此処はエリアボスのフルードが川を越える為に使用していた場所で、今は使う者の居ない謎の道となっていた。

また川が近い開けた場所なので、ごくごく稀にキャンプをしているパーティー等もいる。


「確かに、あれだけ大きいと、そう感じてそうですね……」


「で、私達はどうやって越えるんですか?」


「キュ?」


「どうって、そんなの普通にジャンプしてだよ?まあ、流石に心配だから、魔法でバフは掛けるけどね。」


「まあ、今の俺らなら多分大丈夫だろ。」


「じゃ、いくよ?「高速化」×4、「ハイジャンプ」×4!」


ハイジャンプ:対象のジャンプ力を2倍にする 消費MP35 対象一人


「よっしゃ!じゃ、行くか!」


「「「おーー!」」」

「キューー!」


 こうして、キーノ達は人が居ない事を確認してから軽々川を飛び越え、無事に街へと入って行くのだった。


〇〇〇〇


―――ギルド・ファステム支部前―――


「おい聞いたか?あの外道魔導師のパーティーが人員募集してるってよ。」


「マジで!?あの地獄の獄卒コンビと鮮血聖女が組んだパーティーが!!?」


「今草原で入団試験してるんだと。しかも入団出来たら直々にパワーレベリングをしてくれるらしいぜ?」


「うっわマジか!そりゃ行かないとだろ!!」


「だなっ!!」


 と、そう言いながら走って行く二人の少年。

その後ろ姿を、少し前に戻って来ていたマートが見送る。


「人員の募集かーー……」


「どうかしたんですか?」


「あ、キョムさん、どうでした?」


「バッチリ売れましたよ。それで、どうかしたんですか?」


 新しい装備に替えて、要らなくなった古い装備を売りに行っていたキョムが戻り、マートに話し掛ける。

そこでマートは先程聞いた話をキョムに話して聞かせた。


「――――――って事で、今何人も草原に向かってるんですよ。」


「成る程。なら、私達も行きましょう。」


「入団試験を受けるんですか?」


「勿論です。それに、キーノさんには昔、お世話になりましたしね。マー君も、そのつもりだったんでしょう?」


 フワリと、笑みを浮かべながら振り替えるキョム。

いつも無機質な作り物じみた笑顔しか浮かべない彼女が浮かべる、数少ない本物の笑顔。

それは何時もとのギャップと合わさり凄まじい破壊力を持ってマートを襲う。

が、マートも初めてでは無いので、何とか耐え、表面上は何でも無いかの様に取り繕って会話を続ける。


「………まあ、僕はカナタさんとキリアーネさんに助けられた事がありますからね。それに、入団したらキーノさん達がレベル上げに付き合ってくれるらしいですし、行かない理由は無いですね。」


「ふふ、マー君の素直な所、私は凄く素敵だと思います。」


「ま、数少ない僕の取り柄ですから。」


「……………私の言葉も、もっと素直に受け取ってくれれば良いのに(ぼそっ)……」


「?何か言いました?」


「いいえ?言ってませんよ。」


 そんな会話を交わしながら、二人はキーノ達が待つ草原へと向かう。

その間交わされる笑顔は、希望と幸せに満ちた明るいものだった。

そして待ち受けるのは絶望と理不尽(嘘)

キーノ達が知らないだけで、実は人気者です

主に助けられた事が有る人達限定ですけどね!


良いなと思えたら評価、感想の方よろしくお願いいたします

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