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新たな街とクラン設立2

遅くなりました。

後少し短めですが更新です!


※ギルマスの対応等を少し修正しました。


〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇


時に、力は道理を捩じ伏せる。

「さ、先ずは話し合いましょう?」


 20名近くの人間を床に這いつくばらせながらニッコリとそう言い放つギルドマスターのターラマヨ。

とても話し合いが出来る状態とは思えない。


「いや、先ずはこの現状を何とかして下さいよ……」


 カナタが素でツッコミを入れてしまう位、今のギルドホールは混沌とした様相を呈している。

しかしターラマヨは―――


「あら?何か問題がありまして?」


―――等と言って平然としていた。


「寧ろ問題しかねえよ!?こんな状況で話し合いとかどうかんがえても無理だろ!!!?」


 思わず素でツッコミを入れるカナタ。

周りの人達も同意する様に頷いていた。


「まあ、そこまで仰るなれ仕方ありませんわね。御免なさいね?ワタクシ、騒がしくされるのが嫌いなものですから、ついカッとなってしまって……今解きますわ。」


パチンッ!


 と軽く指を鳴らした瞬間、先程までの圧力(プレッシャー)が消え、押さえ付けられていた人々が解放される。

しかし、余りの出来事に頭が付いていけて無いのか、不安げに辺りを見回しては頭を抱える等しており、話し合いが出来そうには無い。

が―――


「さ、それでは話し合いましょう?」


―――ターラマヨはには関係無いようだ。


「だから!どう見ても話し合いが出来る状態じゃ無いだろ!!?」


 流石にキレるカナタ。

まあ、無茶苦茶言ってるのはターラマヨなので仕方無い。


「ええ?皆さんを解放したのにまだ何かあるんですの?ワタクシ、さっさと終わらせて紅茶を飲みながらゆったり過ごしたいんですが……」


「見た目からは想像出来ない程唯我独尊な人ですねぇ~~……」


 呆れたと言わんばかりのハルナの呟き。

その言葉に同意だとばかりに周りの何人かが再び軽く頷く。


「でも、多分あの人、貴族じゃないかな……?砦の責任者だったのと、ミドルネームが同じだったよ……?」


「あ~~ならそんなに不思議でも無いかも。」


 ズィロー砦の責任者、ロイエル・ベル・フィルドははっきり言って真性のクズだった。

自分が助かる為なら平気で他人を生け贄する様な奴である。

例えモンスター化していなかったとしても、同じ事をしていただろうと思われるので、ハルナやキリアーネの想像する人間像に間違いは無い。


「ところで師匠…何でさっきから大人しいんですか?」


「へ?え、いや、何でも、無いよ……?」


「明らかに挙動不審なんですが……」


 ターラマヨが名前を告げてから急に黙ってしまったキーノに心配そうに声を掛けるハルナとキリアーネ。

しかしキーノは問題ないと言うばかりで何も話そうとしない。

だがその顔は青く、普段よりも緊張しているのが判る位ガチガチで、とても大丈夫な様には見えない。

それでも二人は強く食い下がる事が出来ず、話題を逸らす事にしたのだった。


「それにしても、話が一行に進まないですねぇ~~……」


「ホントだね……」


「キュッキュ!!」


「ムクちゃんもいい加減にしろって怒ってますよ。」


 あれから5分程経ったのだが、やっと話し合いが始まったかと思えば、意見が平行線で、最初ギルドで行われていた言い争いと大差無い状態に陥っていた。

誰もが勧誘を譲ろうとせず、キーノ達がクランを創る事も許そうとはしない。

そんな膠着状態に入り、ターラマヨが再びイライラを募らせている事が傍目にも分かる。

後数十秒しない内にまた先程の光景が再現されるのは明らかだった。

と、そこで初めて話し合いに動きが生じた。

その切っ掛けを作ったのはトレジャーマウンド歌劇団の団長であるエステルだ。


「分かった!このまま話し合った処でどうせ平行線だ。ならば、皆が納得出来る勝負方法でもって決着を着けようじゃないか!恨みっこ無しの一発勝負だ!!」


「ほう、面白い!男装するしか取り柄がねえクセになかなか良い事言うじゃねえか!!俺達夜空の涙はその話乗ったぜ!」


「僕ら混沌を統べし根源も乗ろう!どうせこのままじゃ話なんて進まないからな。」


「R.S.Uもその話に乗りましょう!」


「うちら鏡花魔剣師団も賛成や。今よりは生産性があるさかい。」


「オラだぢ日本地元愛好会もそんでいい。」


「あら、やっとまともに話が進みそうで良かったですわ。このまま膠着するようなら、また力付くで黙らせるところでしたもの。」


「「「「「は、はははは……」」」」」


 ターラマヨが笑顔で言った言葉に、言い争いをしていた者達は乾いた笑いを返す。

しかし、此処でその話に待ったを掛ける人物が居た。


「いや、俺らは何処にも入る気無いってさっきから言ってんだろ!!?なんでそんな展開になってんの!!」


 そう、カナタである。

まあ、クランを自分達で立ち上げるつもりで来たのに、それを無視して話を進められれば叫びたくもなるだろう。


「兎に角!俺達は自分達でクランを創るからな!!」


「「「「「だが断る!!」」」」」


「ハモった!?」


「諦めなさいな。こういうのは自分の力で掴み取る以外、方法は無いのですわ。と、言うより、そもそもの話、クラン設立には最低六人必要な決まりなのですが…人数は揃っていますか?居ないのならば、クランの設立を認める訳にはいきませんわ。そして揃っていても、ギルドマスター権限で勝負が着くまで正式な設立は認めない事にいたします。面白そうなので。」


「職権濫用だろ!!?つーかそんな決まりがあったのかよ!!」


 本日のカナタはツッコミが冴え渡っているようだ。

まあ、周りに振り回されているとも言う。


「何とでも言って下さいな。ワタクシはギルドマスターとして、ギルドに、そして街により貢献出来る方法を選らばなければいけないのです。ですから、これを大々的なイベントにして街に娯楽を提供する事にしますわ。それに、これは貴殿方の為でもあるんですよ?」


「………参考までにどう俺達の為になるのか聞かせてもらえます?」


「そんなの、決まっているでしょう?大々的にイベントとして行われた上での結果なのですよ?そこで自由を勝ち取れば、其処に異議を唱えるなんて恥知らずな事、出来る筈ありませんわ。ね?」


 そこで、ターラマヨは言い争いをしていたメンバーに挑戦的な視線を送る。

それを見た面々は、微妙に視線をずらしながらも頷きを返していた。

それを見て、ターラマヨは楽しそうに笑う。


「わふぅ…見た目に寄らず…いえ、寧ろ見た目通り?なかなか腹黒いみたいですね。」


「キュ~~……」


「でも、上手いやり口だと思うよ……?」


 キリアーネの言う通り、しつこい相手を黙らせる方法として、これはなかなか上手いやり口と言えるだろう。

尤も、問題は色々有る。

その中でも一番の問題は―――


「勝てなきゃ意味無いだろ……」


―――である事は言うまでも無いだろう。


「あら?クランは業績によっては解体、合併が行われるのですから、こういった場で実力を示すのは大切ですのよ?逆に言えば、自力で自由を勝ち取れない者に、クランを創る権利は無いと言う事ですわね。そもそも――規定人数には足りていないようですし、ね?」


「え、えーー…なんだよ、そりゃ……」


チラッ


 とキーノ達に視線を送った後のターラマヨの言葉に力無く項垂れるカナタ。

現実は、何時だって辛く厳しくのし掛かって来るらしい。


「それでは、イベントの方式や開催日はギルド側で決めさせて頂きます。決まり次第ギルドの前に張りだしますので確認をお願いいたします。それでは、今回はこれで解散と言う事で。」


 結局、カナタはそのまま押し切られ、話し合いはターラマヨのその言葉で終わったのだった。


〇〇〇〇


 ギルドマスター室で、専用の豪華な椅子に座りながら、ターラマヨはニマニマと笑みを浮かべながら一枚の企画書を書き進めていた。


「ニャー…姐さんご機嫌だニャ~~何か良い事でもあったニョのか?」


クァ~~……


 と欠伸をしながらソファーに深く座り、ターラマヨを眺めているのは三十代前半の男性だ。

若葉色の短髪、三白眼で、透き通ったスカイブルーの瞳と欠伸の度に姿を見せる鋭い犬歯が特徴的だ。

服はホテルのドアマンに似た水色のかっちりしたスーツで、ボタンは右側で留める様になっている。

ただ靴は黒い革のブーツな所を見るに、動き易さは確保しているようだ。

そんな彼は、サブギルドマスターのサバラル・ミーソナ。

狼獣人である。

ただ母親が猫獣人なので彼の喋り方は猫っぽいのだ。


 因みに獣人同士であった場合、違う種が混じっても必ず両親の内どちらかの種族になる。

と言うか、ぶっちゃけヒューマン以外は全種族がそうだ。

ハーフになるのはエルフ×魔族とか魔族×獣人等の大枠の種族が変わる場合のみである。


「ふふふ。今日は騒がしかった事を除けば実に実り有る良き日でしたわ。何せ退屈をまぎらわせてくれて、その上お金まで稼げるビックイベントを開く口実を手に入れたんですもの!」


そ・れ・に!


「なかなかワタクシ好みの面白い子も居ましたし、この街に滞在している間は退屈せずに済みそうですわ。」


ふふふ!


「ニャーー…姐さんに目を付けられるニャンて、運の悪い奴も居たもんだニャーー……」


(まあ、オイラは楽できっから良いんだけどニャ……そんでも同情は禁じ得んニャーー……)


 愉しそうに微笑むターラマヨとは対称的に、サバラルは憐れな誰かを悼む様に天井を見上げて手を合わせる。


「あら?サバラル、何か言いました?」


「ニャーーんも言ってねぇニャー姐さん。ところで、そのイベントでニャにするつもりニャんだ?姐さんがビックイベントって言うニャら、ド派手なもんにするつもりニャんだろ?」


 目が笑っていない笑顔で問い掛けられたサバラルは、話を逸らす為に、ターラマヨが計画中のイベントに話題を振る。

ターラマヨはそれに対し待ってましたと言わんばかりの笑顔で嬉々として話し出す。


「よくぞ聞いて下さいましたわ!実は以前から今日の様な騒ぎは時々起こっていたのですが、今までは良いアイデアがなかなか思い浮かばなかったのです。しかし!しかしですわ!!今日異邦人の方々と話をして、遂に良い解決策を思い付いたのです!!そう!此処は力無くば生きれぬ世界、バルナム!!その中でも特に力が求められるのが冒険者であり、その集団であるクラン!!そしてそれらを纏めるギルドですわ!ならば!!その力を内外に示す為の場を提供し、個人も、クランも、そしてギルドも!!相応の力が有る事を証明しようではありませんか!この―――」




――――ミステス王国冒険者クラン大武道会で!!!




 ターラマヨが掲げたのは幾つかの要項とトーナメント表が書かれた紙だ。

それは、後のネストにおける名物イベント、その記念すべき第一回目が誕生した瞬間だった。

とても金の匂いがするイベントが発生しました

さて、どうなる事やら


良いなと思えたら評価、感想の方よろしくお願いいたします

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