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元素の種と“箱庭”と空間魔法

更新です!


〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇


発想の転換は生きる上で大切なものだ。

進化する宝玉エボリューションジュエル 元素の種(エレメントシード)

 状態 “完全”

 等級 “ノーマル級” レア度 “F”

 属性 “無し”

 性格 “マイペース”

 全ての武具、アイテム、生物に使用不可能(・・・)。』


 これが、キーノが取り出した鉱物の性能だった。

それが、大地の種を食べた事で次の様に変化した。


進化する宝玉エボリューションジュエル 元素の種(エレメントシード)+1

 状態 “完全”

 等級 “ノーマル級” レア度 “E”

 属性 “地”

 性格 “マイペース”

 全ての武具、アイテム、生物に使用不可能(・・・)。』


 名前に+が付き、レア度も一段階上昇している。

何よりもそれまで無かった属性が、取り込んだ大地の種の“地”属性が付加されていた。


「いやーー…マジでビビったよ~~まさか格下の進化する宝玉が格上――それも圧倒的な――を取り込むなんて、前代未聞だぜ?」


「その説明だと、進化する宝玉が進化する宝玉を食べる事自体は普通って事か?」


「まあね。君らも進化する宝玉は基本一人1つ迄しか入手出来ないって、聞いた事あるんじゃなーい?」


 クエイストンの言葉で発表会の事を思い出す四人。


『―――ただし、“進化する宝玉”は基本一人1つしか所持出来ないので気を付けて下さい。理由は入手すれば分かるでしょう―――』


『理由は入手すれば分かるでしょう―――』


 確かに分かった。

もうこれ以上無い位に良く分かった。

だが、その代償は余りにもデカ過ぎる。


「知ってたらこんな役に立ちそうに無いのは売っ払ったのに……!!」


 ガッッックリと項垂れるキーノ。

その背中には哀愁が漂っている。


「実際問題、どうやって使えばいいか、わかりませんよね……」


「家とか土地に使うんですかね~~?」


「後はアンデットとかゴーレムか?」


 元素の種(エレメントシード)は兎に角扱いに困る進化する宝玉エボリューションジュエルだった。

何しろ武具やアイテム、モンスター処か自分自身にすら使えないのだ。

つまり使う為には、武具やアイテム、生物ですら無い何かを手にいれなくてはならないのである。

それこそハルナやカナタが言った様なモノが候補として挙げられるだろう。

因みに大地の種が食われた時点で、売り払うと言う選択肢は消えている。


「どれも駄目だろうねーー…君らは知らないかもだけど、家や土地の扱いはアイテムだし、アンデットやゴーレムは魔法生物(・・)って括りになってるから、使用不可になる。使えるとしたら現象に対してってとこかな?」


「現象って、触れなきゃ使えないのにそりゃ無理ってもんだろ!?」


 燃える火の中に手を突っ込めと言っている様なものなのだから、カナタの反論は尤もなものだ。


「消えちゃったら終わりですしね~~」


 寧ろ一番の問題はそこだろう。

現象等一過性の物で、終われば痕跡、もしくは痕跡すら残らず消滅するのだから。

使えたとして使い損である。


「売っても、余り高くは売れないですね……」


 恐らく二束三文で買い叩かれて終わるだろう。


「はぁ~~…取り敢えず、ストレージの肥やしにするしか無いですね……」


 そう言って、キーノは元素の種をストレージに仕舞う。

瞬時に掌から消え去る元素の種。

それを見て、ハルナが―――


「あっ!!」


―――と声を上げる。


「武具でもアイテムでも生物でも無いモノですよ~~!!」


「「「「は……?」」」」


 一瞬、ハルナの言っている事が解らずそんな声を漏らすキーノ、カナタ、キリアーネ、クエイストンの四人。

そして直ぐ後に―――


「「「「あ~~~~っ!!!?」」」」


―――と、彼女が言った事を理解するのだった。


〇〇〇〇


          ピコンッ!


 何時もの聞き慣れた電子音が辺りに響く。

キーノの目の前には見慣れたメッセージウインドウが展開されていた。


『元素の種+1をストレージに使用しようとしています。使用しますか?Yes/No』


ゴクリッ……


 と、キーノは喉を鳴らし、Yesを選択する。

そして―――


          ピコンッ!


『元素の種+1がストレージと同化しました。』


          ピコンッ!


『進化条件1:“神の加護を授かる”をクリアしました。これによりストレージは“箱庭”に進化しました。』


          ピコンッ!


『進化条件2:“1つでも(シード)シリーズを取り込む”をクリアしました。これにより取り込んだ属性が“箱庭”に反映されます。』


          ピコンッ!


『“地”属性を取り込んだ事により、“箱庭”に大地が産まれました。』


          ピコンッ!


『エクストラスキルクエスト「空間の創造」をクリアしました。報酬として空間魔法が贈られます。』


          ピコンッ!


『クエスト「空間魔法の取得」をクリアしました。報酬として称号が贈られます。』


          ピコンッ!


『空間魔法を取得した事により、幾つかのオリジナルアーツに空間属性が付与され、緩急自在から空間魔法へと移動しました。』


 連続で発生し告げられるメッセージ。

その情報量の多さと内容の重大さに目を白黒させるキーノ。


「ど、どうなったんだ?」


「わふぅ、ちゃんと使えました~~?」


「キーノさん……?」


「少年?大丈夫かい?」


 心配そうにキーノの顔を覗き込む四人。

ウインドウはキーノにしか見えないので、何がどうなっているかは、神であるクエイストンにすら分からない。


「えっと、取り敢えず、使う事は出来たんだけど―――」


「「「「けど?」」」」


「なんか、ストレージが“箱庭”とか言うのになって、そん中に大地が出来た……後、それに連動する形で空間魔法が手に入ったんですが……」


 どうなるのこれ?


 と酷く困惑した表情を浮かべて他の四人に視線を送るキーノ。

四人は何とも言えない顔をしていた。


「わりぃ、ちょっと何が何だか良く分かんないだけが、それはストレージが進化したって事か?」


「うん……」


「地面が出来たのは、大地の種を食べたから、でしょうか……?」


「恐らくはそうかと……」


「成る程なぁ…多分それが「ディメンジョンホーム」や「ゲート」の代わりになったってとこだね。」


「空間魔法を取得するのに必要な魔法ですか?」


「そうそう。誰かに習って使える様になると空間魔法を覚えられるんだよ。」


「「「「ほぉ~~!」」」」


 何気ないクエイストンの言葉。

しかしそれは異邦人(プレイヤー)にとっては垂涎ものの超重要な情報であった。

きっと情報掲示板に上げたら大炎上間違い無しである。


「しかしあれですね~~箱庭が出来たんなら、もう中に学園造るしか無いですね!」


「箱○学園…って!造る訳無いでしょ!そもそも人が入れるかも―――」


『“箱庭”:生物以外の時が止まった空間。今はまだ空気や温度等、生物の生存に必要な物が無い為、内部で暮らす事は出来ない。その為、中に入った生物は数分で死亡する。』


「あ、一応入れはするんだ……入ったら死ぬけど……」


「わふぅ、残念です~~」


 と、そんな会話をする事で、何とか気持ちを落ち着ける五人なのだった。

そして、その日はそのまま祠の前で仮眠を取り、明るくなってからクエイストンに別れを告げて、四人は街へと帰還するのだった。


〇〇〇〇


―――観測運営室―――


「「「「もうホントに勘弁して下さい………!!」」」」


 時間は少し遡り、キーノ達が技能喰らい(スキルイーター)達を屠り、祠に引き返していた頃、何時ものメンバーが揃う室内で、全てのスタッフがこれまた何時もの様に無気力な瞳で重い溜め息を吐いて、椅子や机、酷い者は床に突っ伏していた。

どうやら今回は技能喰らい(スキルイーター)に対し、色々思うところが有るようだ。


「何でっ!!」


ダンッ!!


「消した筈のモンスターがっ!!」


ダダンッ!!


「出て来るのよっっ!!!?」


ズダアアアァァンッ!!!!!


 何時にも増して荒れている菫。

般若を通り越して修羅のごとき怒りの形相で、机に当たり散らしている。

相変わらずその様はかなりの迫力だ。


「ぬぉっ!?」


ガタッ!


 突然椅子を倒して立ち上がる古久保。

その様子に嫌な予感を感じながらも、菫は何が起こったのかを訪ねる。


「今度は、何があったの……?」


 心底嫌そうな声で訪ねられた古久保は、これまた心底嫌そうな声で返答する。


「グリーフ・スワンプに、消した筈の「嘆く者」が、出現したようでござる……」


ザワッ!!


 瞬時にざわつく観測運営室のメンバー。

「嘆く者」は、βテスト時代に創って配置したモンスターで、等級が伝説級のサーペント系モンスターである。

強力な精神干渉系スキルに硬い鱗、巨大な体躯と素早い動きが厄介な相手で、テスターから強すぎると言う声が多数上がり、廃棄された筈のモンスターだ。

それが同じ理由で廃棄された技能喰らい(スキルイーター)と同じように出現したとなれば、騒ぎもしようと言うものだ。


「な、なんとっ!?ぶーーーっ!!!?」


「今度は何っ!!」


 暫く画面を観ていたかと思ったら急に吹き出した古久保に、菫はありったけの苛立ちを込めた言葉をぶつける。


「ゆ、勇者と悪魔のパーティーが、嘆く者を討伐してしまったでござる……」


「…………オーケー、もう私は何が起きても気にしないわ。もう私達に出来る事なんてほとんど無いんだしね。気にするだけ無駄よ無駄。」


 古久保の言葉に開き直る菫。

その顔は今までに無い位清々しい笑みを浮かべていて、男性陣も女性陣も思わずドキリとしてしまう魅力があった。

どうやら今ので色々吹っ切れたらしい。


「さ!社長に言われた通り、面白そうなプレイヤー達のプレイ記録を使って物語風に編集しましょ?これから忙しくなるわよ~~!皆、張り切って行こーー!!」


「「「「「「「お、おーーーー!!」」」」」」」


 こうして、無理矢理テンションを上げたメンバー達は、ついツッコミたくなる様な現場を目撃しても、敢えてスルーする事を決め、自身の作業に没頭していくのだった。

尤も、その選ばれた映像の六割は、四大スキル持ちのキーノ、キリアーネ、マカロフ、キッタ・キターノになったのは言うまでも無い。

正直、キーノにこんなん持たせたらあかんやろと思った……

いったい、これからどうなってしまうのか……


次回から暫くは幕間や閑話になります


良いなと思えたら評価、感想の方よろしくお願いいたします

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