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「あー、こんなところで魔法の存在を確認するとは」


「グゥ」


 大の字に転がったまま上を見上げれば立ち上がっても届きそうにない位置に空が見えた。

 高さ5メートル程の末広がりの落とし穴など普通ない。壁も磨かれたようにつるんとしており純粋な人の力だけで作ったとは思えない。

 前世の知識から魔法かなあと思う。


「とりあえず足を治癒してからかな」


 落ちる時に咄嗟に足元へ魔力を大放出し、圧縮に圧縮を重ねた結果クッション代わりになったのか5メートルから落ちたような酷い怪我にはならなかった。ずきずきと痛むが捻挫程度で済んだようだ。


「癒しといえば水か光のイメージなんだけど」


「グッ」


 ネーライラ皇国で神官が癒しを施してる光景を何回も見たことがある。あの言葉を真似れば多分出来るだろう。イメージ力が大切ってよく言うし。

 患部を包み込むように、そっと掌から水の魔力を巡らせる。


「うん、できそう。[水の癒し]」


 呪文が鍵になったように魔力が実体を持ち、患部に癒しの水が染み込むと淡く光って痛みが消えた。


 ぐっと足に力を入れても痛くない。成功だ。


「クピ〜」


「……」


 合いの手が入っていたことには気づいてた。

 ちらりと横目で見ると深い藍色の瞳とがっちり目が合ってしまった。


「グ?」


 コテンと首をかしげるそいつは間違いなければ幻獣と呼ばれているものだ。


 落とし穴にはご丁寧に逃げ出せないように底にトラバサミのような罠まで仕掛けられており、運が悪いことにその真上に落ちたようだ。

 硬い鱗のおかげでか致命傷にはなっていないようだが広げた翼が折れ飛膜に穴が空いてしまっていて痛々しい。

 大型獣を目的とした大きめの罠に翼が絡まってしまい逃げられなくなっていたようだ。


「竜……かな?」


「グゥ」


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