1話 これが春宮宅での日課です。
短いですけど、1話おいときます。
後で修正すると思いますが、こんな感じの話しです。
月曜日の朝。春宮宅の一室。
コンコンと部屋のドアが控えめに叩かれる。
「…………」
部屋の主は反応しない。
コンコンコンコン 再度鳴るドア。
「…………」
部屋の主は反応しない。
「そんなんじゃダメだよ陸。それじゃあ出て来ない」
「いやでも朝だし、ご両親の迷惑になるかと思ってな…」
眉を下げ、戸を叩いていた手で隣の部屋を指差す。彼の名は深咲 陸
「そんなの気にしなくていいよ。いつもの事だから」
という話し声が聞こえた直後、
ガンガンガンガンッ!ガチャガチャッ!
「姉ちゃん!出て来い!学校行くぞ!」
遠慮なく乱暴にドアを叩き、鍵のかかっているドアノブを回しながら、中に声をかけるのは春宮 木葉。
ガチャ。と、部屋の鍵の開く音が鳴ると、ドアが開き、部屋の主である木葉の双子の姉、春宮 紅葉が姿を見せた。
「……何かよう?私いま、いそがしい」
眠そうな表情で長身の2人を見上げる紅葉。
「…またゲームやって、寝落ちしただろう?」
「ゲームじゃない。漫画」
「どっちでもいいわ!てか、学校、行くぞ」
「…?行かないけど」
「不思議そうな顔をするな!」
「あはは…」
首を傾げる紅葉に、怒鳴る木葉。
そんな双子を見て苦笑する陸。
「今何時だと思ってるの?朝の5時だよ?」
「俺達は部活があるから早いんだよ!遅刻しちゃうから早く準備してくれ」
2人は野球の練習着を着ていて、すぐにでも家を出れる格好だった。対して紅葉は、Tシャツにショートパンツ。完全に部屋着だ。
「行ってらっしゃい。後で行くから先行って」
「もうそれは聞き飽きた。そんな事言ってて、姉ちゃん来ないだろ!最初は騙されたけど、もう聞かないからな!」
しばらく睨み合う2人。姉は標準装備が無表情の為、実際睨んでいるのは木葉だけだ。その2人の様子を見守る陸。
キー、パタン、ガチャ。
効果音と共に扉が閉まった。鍵も閉まった。
「お休み。部活頑張って。行ってらっしゃい」
「姉ちゃん!」
「あぁ今日もダメだったか…木葉、時間切れだ…」
戸の奥に引っ込んでしまった紅葉。ドアに手を突き、悔しそうに俯く木葉。
「〜〜もうっ!行ってきます!」
「明日は一緒に行こうな。行ってきます」
怒りながらも、挨拶は忘れない木葉と、優しく声をかける陸。
2人はバタバタと階段を駆け下り、家を出た。
2人は今日も、引きこもりの紅葉の説得に失敗した。
更新遅めです。
他にも書いてるのに、違うものに手を出すお馬鹿。
両方頑張ります!
感想とか頂ければ幸いです…。