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その5

「はっ、はっ、はっ」


夜の森をてってってっと走る。


最近の日課のランニングだ。


でも普通のランニングじゃない。


「はっは<固化>」


近くの空中に向けてスキルを発動した。


勢いよく飛び上がり空中を踏みしめる。どんどん前に固化を発動して空中の足場を作る。


最近発見した固化の使い方だ。


自分のスキルをヴィンセントに話したところ。


「固化…ですか。」


「なんかおかしいか?」


ヴィンセントは腕を組み首を傾げた。


「はい。聞いたことのないスキルですね。」


「そうなのか?」


「はい、似たようなスキル<硬化>なら知ってます。硬くするスキルで武器にかけたりします。」




ここで硬くするだけなら硬化で十分だから何か別の使い道が固化にあるのではないかと思ったのだ。


固まっただけで聞いたことのないスキルが取れるわけがないだろうと思った答えだった。


神からのプレゼントかな。





地面に着地して息を整えた。魔力が少ない今、あまり連続して使うことが出来ない。


だけどこれで分かった。固化は使い方によって結構チートかもしれない。





「今日もやりますか。」


「やりますよ!今日こそ!」


火の玉がグルグルとヴィンセントを中心に回り出す。

すぐに火の玉は最速になりほぼオレンジ色の繭のようになっている。


タイミングを見計らってオレンジ色の火の壁に飛び込んだ。

体をぺちゃんこにしたりひねったり尻尾を引きつけたり。

足場がなくなった時は固化を使った。


順調に進んで行き最後の火の玉を越えてヴィンセントに向かって行こうと…。


「ふぎゃ!」


いきなりヴィンセントにがっしりと掴まれた。


「ふぁひふんじゃよ(なにすんだよ)」


「え?あ、あなたですか。」


ヴィンセントは俺だと確認すると離してくれた。

周りの火の玉が一瞬にして消えた。


「まさか本当にクリアするとは思いませんでした。」


「じゃあいつまでもクリア出来なかったらどうするつもりだったんだよ。」


「一週間ぐらいしたらご褒美あげてやめるつもりでした。」


「ご褒美?」


ヴィンセントはどこからともなく一枚の黄ばんだ分厚い紙を取り出して差し出してきた。


「はい。ご褒美です。」


目の前に置かれた紙には何やらのたくったような文字が書かれている。


「なんだ?これ。」


「スキル紙です。自分の持っているスキルを他人に教えるためのものです。これには<人化>が入っています。」


「人化?」


なんでヴィンセントが人化を持っているんだ?


「人に化けることが出来るスキルです。」


「いや。それはわかるけど、なんで持ってるんだ?」


「はい?いや、それは人じゃないからに決まってるでしょう?」


「へ?人じゃないの!?」


ヴィンセントがはあとため息をついた。


「あなた、種族を見なかったんですか。」


「す、ステータスカメラ!」



カシャ




名前ヴィンセント・レッドドラゴン

種族 レッドドラゴン

レベル:365

HP:125639

MP:253965

スピード:12635

力:25683

防御:12635

器用:1582

運:1358





え?


どらごん?


ドラゴンってあれだよね空飛んで火を吹くトカゲっぽいファンタジーの生き物だよね?

最強の種族だよね?




「トカゲっぽくてすみませんね?」


あれ、声に出てた?


「え、じ、じゃあ人間の平均ステータスって」



「冒険者ではない一般人で100ぐらいですね。で、だいたい中級の冒険者が500上級で1000行くかぐらいです。」


「お前チートだな。」


「チート?」


「なんでもない。」


「まあ、とりあえずその紙に触ってください。」


触ると何か魔力に似た力が流れ込んできた。


ステータスを見るとこうなってた。



ヒカル

レベル:52

HP:69

MP:36

スピード:12543

力:192

防御:156

器用:12

運:10

知識:125


スキル

『発光』『固化』『鞭使い』『人化』




お、人化はいってる。





……


………


…………えええええ!!!?




ちょっ、まって何このステータス!!


「なんですか。これ。」


後ろから覗いたヴィンセントも唖然としたような声を出した。


「なんだこのスピード」


スピードがドラゴン級になってる。


「なるほど、ドラゴンの最速のスピードでパフィンを鍛えるとこうなるんですか。いや、でも普通のパフィンは鍛えたってこうはなりませんよ。あなた、人外ならぬパフィン外ですね。」


そういえばとヴィンセントが首を傾げた。


「あなた、何才ですか?」


「二週間ぐらい?」


「………化け物ですねあなた。普通どんな生き物も半月でそんなになりませんよ。」


「ドラゴンに化け物って言われた…。」


「それほど規格外です。」


「うん。これは自分でもそう思う。」




ピコーン



ほったらかしにしていたスマホを見た。



『ヤッホー!やっと使えるくらい強くなったね!所でどう?<固化>随分便利じゃない?あと、他に<神使>っていうスキルもあげる!ちなみにそんな短期間でレベルアップできたのはレッドドラゴン君の<ベテラン教師>っていうスキルのおかげだよ!それでもパフィンは知識以外の全ての能力が1000超えないはずだから君は規格外だけどね。あと、知識が人並みにあることで能力が普通のパフィンより上がりやすかったんだね。普通のパフィンはせいぜい知識50くらいだよ。所でひとつ頼みたいんだけど、北のほうにある山の一つで氷属性のドラゴンが暴れてるから止めてきて!じゃよろしく。』




……ながっ!


「ふむ。そんなスキル持ってたっけ?」


ヴィンセントはくびを傾げている。


もう一度ステータスを確認すると神使というスキルが増えていた。


『神使』

神からの使い。そう言われて信じたくなるような聖なる神々しい光を発することが出来る。

要するにキラキラするだけ。光属性にしか使えない。


また、使えるかビミョーなスキルが。




『ベテラン教師』

自分が鍛えたいと思うものの成長を促進させるスキル。自動的に発動。


すみません!書き忘れてました。

ヴィンセントが渡した紙は自分のスキルを他人に教える『スキル紙』です!

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