その3
レベルが上がっても運が上がらなかったので能力の合計でレベルが決まるのでは無いか。と考えた俺は、とりあえず自分を鍛えることにした。
「とりゃあ!」
ぺちっと可愛らしい音が立った。
俺は再び跳ね上がり目の前のひょろっとした木に尻尾をぶつけた。
「このままじゃダメか。」
今度は自分の尻尾の毛に固化を使った。
軽く踏んでみるとカチカチに固まってた。
「とりゃあ!」
ペシッ
さっきよりもまともな音が出て。
木の幹に軽く跡が付いた。
何度も何度も木の幹に攻撃をしてスピードを上げた。
何度かわからない攻撃をしようとした。
「とらぁぁ!」
ハシッ
!!?
「ダメですよ。抵抗の出来ないものを痛めつけるのは。」
俺の尻尾をつかんだのは金髪に青い目のメガネをした人間だった。金髪の髪はストレートで肩の上の部分で揃えられ、綺麗な深い青色をしていた。一言で言うとメガネイケメンだ。
小脇に分厚い本を抱えて勉強が出来るふいんきを醸し出している。
逆に言うと運動が出来なさそうな。
って言うか弱いのはわかってるけど運動出来なさそうな奴に止められるとな……。
正直萎える。
「さっきから見てましたが、あなた面白そうです。私が修行を手伝って上げましょう。」
は?いや、ちょっとまったちょっとまった。
なにいってるんだ?まあ、とりあえず。
ステータスカメラ、カシャ。
名前ヴィンセント・レッドドラゴン
レベル:365
HP:125639
MP:253965
スピード:12635
力:25683
防御:12635
器用:1582
運:1358
…………………はい。
見かけに騙されるなってことですね。
………なにこれ!?
レベル300越え!?
12万に25万!?
……ふう。勝てる気がしない。
「面白いものを持ってますね。」
いつの間にかメガネイケメンが近くに来てスマホを覗き込んでいた。
ん?そういえばこの世界の言葉わかるな。日本語じゃないけど。
「で?どうします?訓練をつけてあげましょうか?」
「お、お願いします。」
弱いのだから強い人に見てもらうのが一番だろう。
人間ってこんなにも強い生き物だったのな。
尊敬するわ、人間。
人間……ね。