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猫と狼と魔法使い  作者: リズ
第三章
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狼の里

リーゼロッテの案内で森を歩いていると、切り立った崖に行き当たった。

見上げれば首が痛くなるほど垂直にそびえる岩の壁。

その岩壁の前に狼が数頭、牙をむき出し、唸りながら左右にうろうろ行き交っている。

警戒しているのだ。


リーゼロッテはそんな狼達に近付き、寄ってきた一匹に「お客様ですよ」と言いながら頭を撫でると、今度は岩壁へと向かう。


狼達は座り、警戒を解いたのかリンネ達がリーゼロッテの後に続いても、特に反応は示さなかった。


「リンネ様は何度かお越しになっているので大丈夫でしたが、初めてお越しになったルティアさんを警戒していたようです」


「私猫ですしね」


「まあ彼らは門番ですから、相手が誰であれ慣れていなければ警戒しますよ」


岩壁に門など無いが、門番とはどういうことなのか。

その疑問はリーゼロッテが岩壁に触れたことで解決した。

触れた部分に小さな魔方陣が発動し、岩壁の一部が動き出す。

両開きの扉のように岩壁が動き、ポッカリと大穴が姿を表した。

人が1人どころか、馬車が1台楽々通ることができる程の巨大な穴だ。


その穴へ入っていくと、岩壁の扉は開いたときと同じく、ズズズ、と音をたてながら閉まり、暗闇が3人を包み込んだ。


かなり先の方に光が見えたが、リンネは暗闇のなかで手をかざし、火の玉を出現させ、それを照明代わりに進んで行く。


しばらく歩いていると見えていた光が大きくなり、そして視界を覆う。

そこに有ったのは、岩壁に囲まれた小さな集落。

集落の真ん中には大樹が葉を風になびかせていた。


「ここが狼達の里ですか、予想よりだいぶ広いですね」


「岩壁の中にも家があるからねえ、ちょっとした町だよ」


ルティアの言葉にリンネがニコニコしながら答える。


「長老様の所へ行かれるんですよね? 私もご一緒してよろしいでしょうか、長老様に呼ばれていますので」


「うん、いいよ。まあ断る理由はないしね」


集落の子供達や顔見知りの人に手を降ったり、お辞儀をしたりしながらリンネはリーゼロッテにそう言い、今度はリンネの先導で集落の真ん中にそびえる大樹へと歩き出した。





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