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別れと出会い
魔法が存在する世界、アレストレアという国に1人の男の子が生まれた。
名をリンネと名付けられた男の子、決して裕福な家庭ではありませんでしたが、リンネはすくすくと育ちます。
非常に頭がよく、すぐに読み書きを覚え、勉学に才を見出だしたリンネ。
趣味は絵を描く事。
そんなリンネを町の住民は神童だなんだのともてはやしていました。
リンネの実家はしがない本屋を営んでいて幼い頃から様々な本に触れていたのが幸いしたのでしょう。
そんなリンネが10歳を迎えた。
今日は本の仕入れに行った両親が帰って来る日でもある。
雨が自宅の窓を激しく叩いていた。
リンネに恐怖はなかった、両親の安否の方がリンネには心配だったからだ。
両親が仕入れに行っているときは自分で料理を作るようになっていたリンネは、この日、パンをくわえて買って貰ったキャンバスに向かって一枚の絵を仕上げようとしていた。
自分と両親を含めた三人を描いた絵だ。
あとは髪に一筆いれるだけ。
そんなとき、自宅の木のドアが勢いよく開いた。