征服の代償
元老院より発せられし宣戦布告は、帝国領の四方に大いなる騒乱を巻き起こせり。数世紀に亘り、平穏なる内に生を営みし文明が、今、生存のために戦を選びしなり。されど、これは星辰を渇望する一帝が企てし戦。
終焉なき戦端の開闢なり。
**元老院の勅命**に曰く:
全ての戦は、帝に忠誠を誓いし帝国軍をもって遂行すべし。志願者は帝国軍に加わるべし。入隊の唯一の条件は、自発的なる意志と健強なる肉体**のみ。これ、軍の力を増大せしめんがためなり。
貴族の諸家が不法に蓄えし武器は、軍に献上せば罪を問わず。これ、軍が当初に必要とする武具を備えしめんがためなり。
貴族の諸家は、軍略の指揮官としてのみ、その一族を軍へ送るべし。これ、いかなる家も軍内に不当なる勢力を築くを禁ぜんがためなり。
貴族の諸家は、親衛隊を除き、軍勢を独自に集めることを禁ず。これ、将来起こり得る内乱の芽を摘まんとせしがためなり。
程なくして、帝国には顕著なる変貌が現れ始めたり。技師らは新たな戦闘機械を設計し、その最大なるものは、星の海へ到達し得る舟であった。帝国軍は急速に膨張せり。
戦のための新しき工場は続々と建造され、古き工場は、かつての用途を忘れ去られ、新たな用途に転じられ、時には破壊されし。
巨神らは、この決定が下されし当初は躊躇いを覚えしが、新造される機械とセラティ族の野望に興味を惹かれたり。彼らは未だかつて、己の世界の境界を超えんとする種族を見たことがなかったゆえ。巨神らは、さらに深き好奇の念をもって、彼らを監視し始めた。
数年のうちに、平和なる文明は、****軍事国家へと変貌せり。帝国軍は、新兵と新装備をもってこの戦に備えた。そして彼らは、数週間で終わると囁かれし、容易な戦いへと船出しり…
然れども、数世紀の平和の後にもたらされし、この突如の戦は、期待されしが如くには進まざりき。数週間後、帰還せねばならぬ刻に至るも、大陸の海岸線すら確保されていなかった。失われた生命は、数十万に及びたり。巨神らが大気に放ちしマナを操る能力は、セラティ族のみならず、常に戦乱にある別大陸の戦士らにも、より巧みに戦のために用いる術が伝播していたなり。
数週間は数ヶ月に、数ヶ月は数年に変わった。大陸の半ばは征服せられたるも、戦線は肉挽き機の如く、無数の命を貪り続けた。死傷者は数百万を超えたり。元老院は、内心、この事態を新たな土地が開墾されるまでの、****無視されたる人口調節に例えることを好んだ。
戦での多大なる損失は、セラティ族の間に陰湿なる怒りへと変化せり。民衆は、セラティ族でも巨神でもない全ての種族を野蛮にして獰猛なる生き物と見なし、徹底的に滅ぼされるべきと信じるに至った。戦線より届く報告とおぞましき写真は、軍の認識を明確なものとした。
敵の集落の焦土化。 降伏を拒否し、降伏の使者さえも処刑する暴挙。敵集落の所在を知らぬがゆえに森林全てを焼き払う蛮行。斃れた敵の頭蓋骨を恐るべき装飾として用いる狂気。大虐殺。焼かれし遺体の山、串刺しにされし頭部、遺体と頭部で築かれし塔。果ては、斃れた敵の首領と食卓を囲み、あたかも共に食事をするが如く見ゆる将軍の写真まで…
この野蛮なる狂気は、最早、将軍も元老院も、ましてや皇帝さえも止めること能わざる地点に達していた。そして、誰も止めんとは望まざりき。民衆の怒りには、標的が与えられたゆえ、即ち、異種族なり。
大陸の制圧が終わるを待たずして、筆頭技師より待望の報が届く。星辰に届く機械が、ついに完成せり。繰り返された試験と設計は、巨神らの耳目を集めしが、完成せし機械は、全ての巨神の集結を促すに至った。空には輝くマナの輪が浮かび上がった。
されど、僅か二十名を乗せ得るこの**「小」なる装置は、皇帝にとっては足らぬものであった。筆頭技師と装置の責任者を表彰するため、貴族の諸家の当主全てが出席せし元老院の会期にて、皇帝は真の意図**を表明せり。
「本日、ここに参集せし貴族の諸家に対し、感謝を捧ぐ。参集の理由は…言わずとも知れよう。外に横たわる装置を見ざる者は盲目でなくて何であろう。」
元老院には囁きと微かな笑いが起こる。
「ここに列席する尊き客人の御前にて、筆頭技師サリス・エンと、この装置の発明に参加せし技師らに、その卓越せし不朽の奉仕に対し、祝意を表する。」
元老院の全てが技師らに拍手喝采を贈り始めた。拍手は数分間続いた。喝采が収まり、皆が静かに褒賞の授与を待つ中、皇帝は再び語り始めた。
「然るに! これが終着点にあらざることを、皆、知らぬ訳ではあるまい? 畢竟、僅か二十名を乗せる装置では、無限なる星々を征服すること叶わず。吾輩は汝らより、遥かに大いなる功績を期待する。」
元老院は、皇帝がこの場でこの話題を持ち出したことに驚愕せり。皇帝は、技師らの功績を脇に置き、更なる要求をしているが如し。されど、これこそ、皇帝の決意を皆に再確認させるものであった。
数十年後、ついに惑星全土が征服せられた。惑星には最早、他の種族の姿はなし。兵士らは今、故郷への帰還や休息を口にしていた。
されど、皇帝が渇望せし装置は用意されていた。各々百名の乗組員により制御され、約五千の兵士を星々の海原へと運搬し得る巨大なる機構。そして、それらは多数存在せり。
筆頭技師サリス・エン、コルヴァス・エン・ナイ二世陛下、そして帝国最高元帥は、その異例の光景を君主の視点より見下ろすバルコニーに立ち、筆頭技師が口を開いた。
「この眺めは御心に適いますか、陛下?」
「然り、筆頭技師よ。汝、大いなる業を成し遂げたり。大層な苦労を強いられたか?」と皇帝は問うた。
「お褒めの言葉、光栄に存じます。されど、大した苦労ではございません、陛下」と筆頭技師は誇らしげに答えた。
「然りか? 何人かの技師が過労死したと聞く。それを**『大した苦労ではない』**と称すのか?」と最高元帥は筆頭技師を見据えて問うた。
「陛下の叡命を果たすための些細なる代償にございます、元帥閣下」と筆頭技師は付け加え、皇帝に向き直りつつ続けた。「今より、陛下は星々へ広がる帝国を統治されることとなりましょう。数名の技師など、取るに足らぬ」と。
皇帝の顔に微かな笑みが浮かび、景色に目を戻し、語り続けた。
「この装置が正確にいくつあると申したか?」
「正確には、**二百十七隻の星舟**でございます、陛下」と筆頭技師は述べた。
「舟だと?」と最高元帥は訝しむ。
「巨神らが宇宙を宇宙の海原に例えしゆえ、潜水艇と呼ぶは奇妙かと思い、星舟と定めました」と筆頭技師は説明した。
「何であれ、用を成せば名は些事であろう。二百十七隻の星舟。して、全て計画通りに進められしや、最高元帥?」と皇帝は問うた。
「然り、陛下、全て整えられし。二百十七隻の星舟、各々百名の乗組員、約五千の兵士、及び充分なる兵糧と弾薬を積載。先に送りし斥候船により定めし惑星群へと向かいます。これらの惑星の多くは大いなる脅威を孕まず。まずは一帯を確保し、後に送り込む植民者のために安全なる領域を築く所存にございます。」
「良し」と皇帝は静かに応じ、星舟群が天蓋へと緩やかに昇りゆく様を見守りたもうた。そして、バルコニーより儀仗場の軍勢と民衆に声を張り上げた。
「見よ! 見よ、そして我が文明が到達せし高みをしかと見よ! 此処に見るは、汝らが未来に証しするであろうことの、単なる最初の前触れに過ぎず!」
皇帝の言葉は真なり。これらは、未来に起こるべき事柄の予兆であった。然れども、誰も予測し得ぬ事象の兆候でもあったなり。
本書はオリジナル小説として私が執筆したものですが、私はまだ日本語を流暢に話すことができません。
そのため、この日本語版は、翻訳アプリを用いてオリジナルの英語版テキストから翻訳されています。
翻訳には正確さや完全性に欠ける部分があるかもしれませんが、物語の世界観や雰囲気をできる限り忠実に伝えられるよう努めました。
お楽しみいただければ幸いです。




