失われた年代記(The Lost Chronicle)
『灰の道:オッサリアム』は、執筆予定のメインとなる物語『灰の道』の前日譚として描かれる、一種の歴史書と捉えることができます。あるいは、メインストーリーのための世界観を徐々に構築していく過程とも言えるでしょう。
吾輩は、クィントゥス・リウィウス・アルカヌス。帝国文書館に仕えし記録保管官――であった。 職務には常に厳正、一分の隙もなく当たることを常とした。されど、あの日より、万象は一変せり。
師の命は、旧帝国の碑文を精査し、損傷あればこれを写し取ることにあり。吾輩は命に従い、石碑一つ一つを検めた。かの記録を発見するまでは。記されしは、旧帝国の初代皇帝ルキウス・ヴァレリウス・インペラトールが、黄金山脈より南下するや否や、全ての古き記録の破却を命じ、山脈の北にて起こりし事象の記録を一切遺さぬと布告せしこと。
「有り得べからず!誰ぞ、必ずやこの事態を記録せし者がいるはず!」吾輩は師の命を脇に置き、記録を一つ一つ漁り始めた。されど、見つけ得たは、次の断章のみ。"日付:九十七日目。皇帝ルキウス・ヴァレリウスの叡命により、この山々、即ち黄金山脈を下る以前の全記録、及びこれに異を唱えし記録者らは、悉く炎上せり。この文書は、帝命により山脈の南に築かれし最初の集落、レノヴァにて記す。厳密に言えば、帝の叡命は遂行されたり**。"** 嗚呼、この皮肉よ! 最初の集落は「再生」「刷新」を意味するレノヴァと名付けられしに、その最初の行為が古代の叡智の抹消とは! レノヴァよ...「旧帝国の終焉を告げし年」に最初に滅び去りし都。偉大なる皇帝の最初の領土、吾輩が初めてその栄光を目撃せし場所。
されど、何故皇帝はこの碑文を見逃したのか?あるいは、視てなお黙殺せしや? 何故、ルキウス帝は古き記録を焼き払い、これに抗いし記録官を処断せしや? 何故、これまで誰もこの事実に口を開かざりしや? それとも、語られながらも沈黙させられしや? 何故、何故、何故なのか? この疑問の渦は吾輩の魂を蝕んだ。一週間、答えを見出せず、ついに師に相談せんとするも、師は命に従わず「無意味なる」ことに時を浪費せしと吾輩を叱責するのみ。故に、吾輩は決意せり。限られたる情報のみを頼りに、自らの力で真実を究めんと。そして、幾年ぶりかに帝国文書館の外へと足を踏み出したり。何年が経ち、我が幾歳になったかさえ憶えてはいない。ただ知るは、己が老いてゆくこと。そして目指すべき地は、黄金山脈の北、ソレンドラ大陸の灼熱の砂漠に横たわるレノヴァである、と。手がかりを求め、渇望しながら…
幾日、幾週間、幾月、旅路は続く。時の流れさえ曖昧なり。漠然たる目的と、頭を去らぬ疑問に突き動かされ、吾輩はついに力尽き果て、黄金山脈を越えた。訪れし地の人々は誰も吾輩を信ぜず。「狂人なり」「何も見つかるまい」と。吾輩は答えた。「見てのおれ!」と。砂漠をさまよい、意識を失いかけた時、吾輩は砂嵐の只中にいた。砂漠の真ん中、地図に記されざる山麓にて、吾輩は洞窟に身を隠す。かの洞窟は常世の場所にあらず。洞窟の内部は、細部に至るまで丹念に造り込まれしが如し。進むと階梯あり。降りゆけば、一つの扉あり。扉の上には、数千年前の筆致なる碑文が刻まれていた。「此処はオッサリウムなり。此処は凡ゆる知識の安息の地なり。此処は凡ゆる知識が終焉として至る場所なり。」
興奮に打ち震え、扉を開かんとす。されど、それが厚さ十糎の花崗岩であることを悟らず。「砂漠の真ん中にて、如何にしてこれほどの花崗岩を運びしや?」暫しの苦闘の後、なんとか扉の隙間を潜り抜け、内部に入りたり。内部は五層の建築物。天井は星を散りばめたるが如く輝き、辺りを照らす。されど、一冊の書が他の全てを圧し、一階に鎮座し、他の階からも見渡せる。さながらその場所を支配せしが如し。「これこそ、吾輩が探し求めしものなり」と心中に叫ぶ。書の埃を払う。深呼吸し、書を開く。最初の頁は白紙。他の頁をめくれど、やはり白紙。全ては徒労か? 遥かなる旅路は無意味であったのか? 失望と絶望に膝をつく。されど、再び立ち上がり、書を凝視す。一枚、また一枚と頁をめくり始めた。
書の中心に至りし時、頁に自然と文字が浮かび上がり始めた。 さながら、書が吾輩に語りかけているが如し。「此処には、太古の竜神、天より降りし神々よりも古き知識が眠る。存在の始まりより起こりし万象の出来事が此処に記されり。されど、汝、この叡智を手にせんとする覚悟あるや? 然らば、頁をめくれ。否ならば、書を閉じよ。」 吾輩は一瞬、ためらいし。されど、そのためらいを断ち切り、頁をめくり、宣言せり。「最初から始めん!」 そして、目の前で魔法の如く書き換えられし古代の叡智を読み始めたのである。
本書はオリジナル小説として私が執筆したものですが、私はまだ日本語を流暢に話すことができません。
そのため、この日本語版は、翻訳アプリを用いてオリジナルの英語版テキストから翻訳されています。
翻訳には正確さや完全性に欠ける部分があるかもしれませんが、物語の世界観や雰囲気をできる限り忠実に伝えられるよう努めました。
お楽しみいただければ幸いです。




